大学概要



有識者メッセージ

岡留 健一郎氏 (済生会福岡総合病院 院長)

病院経営や地域医療運営の中枢を担って活躍してくれる診療情報管理士に期待しています。

従来、医療施設の経営は医師・看護師が中心でした。しかし最近は医療費抑制の傾向にあり、各施設の経営努力が求められるようになっています。
そこで大事になるのが、 患者さんの医療情報データを収集して分析して、いかに次のステップに活かしていくかを考えること。その専門職である診療情報管理士には、医療施設の経営に携わるエキスパートとして大きな期待を寄せています。また、施設経営の面だけでなく、地域コミュニティの医療保健福祉に関わるプロジェクト ―例えば、市役所の健康管理部で地域の健康づくりに取り組むといったもの― に医療情報の中枢を担うエキスパートとして参加して活躍できるような人材を求めています。

専門職としてのトレーニングも大事ですが、人とのふれあいを共感できる能力や、コミュニケーション能力も培っていただきたい。
医療や福祉というのは生身の人間相手の仕事ですから、豊かな人間性をはぐくむ経験も積んでおいてほしいですね。
おすすめしたいのはサークル活動。今は医療も保健も福祉もチームで働く時代です。
社会にでて、チームで何かをやる時の振る舞いが大事になってくるので、 学生時代にそういう活動を経験しておくといいと思いますよ。

尾前 照雄 氏(久山町ヘルスC&Cセンター センター長、国立循環器病センター名誉総長)

治療、リハビリ、介護、情報管理、それぞれの専門職が、一体となることで医療は発展していきます。

50年前の治療には内視鏡も超音波もなく、心臓や脳を手術などはできないことでした。
検査だって以前はレントゲンしかなかったのが、今ではCTやMRIなども登場し、脳や体の中まで見えるようになっています。
治療や診断がこれほどまでに進歩するとは、だれも予想していなかったでしょう。
こうした最先端の医療を可能にしているのは、医学の力だけではありません。工学や薬学、 情報科学などの他の分野の技術が進むことで、医学も進歩してきたのです。

医師・看護師が本来の仕事を全うできるよう、予防・健康管理の面で保健師が活躍するようになり、医療が高度化するに従って、介護士やリハビリ士、検査技師などの専門職も誕生しました。
しかし、管理部門は遅れているのが現状。これからは情報科学を活かした管理ができ、経営学、経済学の知識を合わせ持った人材が必要です。
患者さんのために同じ病気を安く治せるように経営を工夫したり、 治療データを次の時代の医療に役立てられるよう整理・活用したりできる人材が、日本ではまだまだ不足しています。
情報・経営の側面から医療スタッフと協調し、 健康保持や病気の治療と予防に大きく貢献できるプロフェッショナルスタッフを期待しています。

西岡 和男氏 (大牟田市保健所長)

病院経営や地域医療運営の中枢を担って活躍してくれる診療情報管理士に期待しています。

これまで病院経営は「院長が頑張ればうまくいく」とされてきていましたが、事務スタッフの中に経営の専門家が必要だということが明らかになってきました。これまで医師がお金のことを考えるのはタブー視されてきました。しかし、一方でいい医療をすると財政が立ち行かなくなるという事態も起こっています。
病院が存続できなくなるのは、患者さんにとっては不幸なことです。ですから経営を管理する事務長にはサービスの質と財政を両立できるよう舵取りをすることが期待されているのです。

大学時代のうちに学んでおいてほしいのは、地域医療の仕組みと、医療の法律の枠組みについて。
特に「医療法」は人と建物の枠組み、地域の役割、患者とのモラルまで、医療に関する事柄を広く扱っている法律ですから、しっかり学んでおいてほしいですね。
その他にも、医師法、保助看法、臨床検査技師等に関する法律なども一体として理解しておく必要があるでしょう。
各専門領域に関する知識をベースに、患者と医療スタッフ、また医療スタッフ間のコミュニケーションを円滑にするのも事務方の大事な役割の一つ。医療の大事な要として期待されていると心に留めて、頑張ってほしいですね。