2012 年 1 月 8 日 厚生労働省平成24年度予算案のポイント(9)

<貧困・格差対策の強化>には、求職者支援制度による職業訓練や給付金の支給等を通じた就職支援に1479億円が計上されています。

また、セーフティネット支援対策等事業費補助金(237億円)の使途として、次の事業が行われます。

     生活保護受給者の就労・自立支援対策(トランポリン機能)の強化

生活保護受給者や生活保護に至るおそれのある者のうち、通常の就労支援では直ちに就職には結びつきにくい方を対象に、生活のリズムづくりなど基本的な日常生活習慣の改善支援、就職に結びつきやすい清掃・警備・介護などの基礎技能の習得支援、能力に合わせたきめ細かい個別求人開拓等の取組が総合的に実施されます。

②子どもの貧困対策支援の充実(「貧困の連鎖」の防止)

生活保護世帯などの子どもやその親への養育相談・学習支援等を実施し、生活保護世帯の子どもが大人になって再び生活保護を受給するといった「貧困の連鎖」の防止が図られます。

     地域生活定着促進事業の実施

高齢又は障害により自立が困難な矯正施設退所者の社会復帰や地域生活への定着をより促進するため、各都道府県の「地域生活定着支援センター」と保護観察所が協働して、入所中から退所後まで一貫した相談支援が行われます。

このほか、貧困・格差に関する指標の開発に3百万円が計上され、貧困・格差の実態を総合的・継続的に把握し、施策に反映できるよう、各国の指標を参考としながら、客観的な貧困・格差の指標を開発するための検討会が開催されます。

2012 年 1 月 7 日 厚生労働省平成24年度予算案のポイント(8)

重層的なセーフティネットの構築のため、雇用調整助成金を活用した企業の雇用維持努力への支援の実施に2101億円が計上され、雇用調整助成金や中小企業緊急雇用安定助成金を活用し、引き続き労働者の雇用の維持に取り組む事業主が支援されます。

雇用保険制度によるセーフティネットの確保には 1714億円が計上され、リーマン・ショック以降の雇用失業情勢の悪化に対応するための給付日数の延長(個別延長給付)等の暫定措置(平成23年度末までの措置)について、依然として厳しい雇用失業情勢にあることなどから、2年間の延長の措置が講じられます。

失業等給付に係る雇用保険料率は平成24年4月1日から1.2%を1.0%に引き下げられる予定です。

なお、失業等給付費は1兆7790億円が計上されています。

求職者支援制度による職業訓練や給付金の支給等を通じた就職支援には1479億円が計上され、東日本大震災の影響による全国的な雇用の悪化への対応を含め、「求職者支援制度」により、雇用保険を受給できない求職者に対し、求職者が新たな職業能力や技術を身につけるための職業訓練が実施されるとともに、訓練期間中の生活を支援するための給付金が支給されること等により、求職者の早期の就職支援が行われます。

「福祉から就労」支援事業の拡充には40億円が計上され、自治体とハローワークの協定等による連携を基盤とし、生活保護等の福祉給付受給者を対象に、申請段階等からの早期アプローチ、求人開拓、能力開発を通じたマッチングや定着に向けたフォローアップ等就労支援の強化が図られます。

2012 年 1 月 6 日 厚生労働省平成24年度予算案のポイント(7)

<ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の実現>については、まず、有期労働契約に関する新たなルールの整備に5千3百万円が計上され、有期労働契約によって働く労働者について、雇用の安定や公正な処遇の実現に向けた法制度の整備について検討されます。

パートタイム労働者の均等・均衡待遇の確保と正社員転換の推進には5億円が計上され、パートタイム労働法に基づく指導、専門家による相談・援助や職務分析・職務評価の導入支援が行われるほか、パートタイム労働者の公正な待遇の確保に向けた法制度の整備についての検討されます。

過重労働の解消等のための働き方・休み方の見直しには11億円が計上され、都道府県労働局に働き方・休み方の改善のためのコンサルタントが配置され、恒常的な長時間労働などの実態がみられる業種や職種を重点に過重労働の解消に取り組むとともに、計画年休制度の導入促進などにより、年次有給休暇の取得が促進されます。

職場でのメンタルヘルス対策の推進には36億円が計上され、ストレス症状を有する人への面接指導制度の創設や、産業医が他の医師等と連携してメンタルヘルス対策を実施する体制の整備に向けた法令等の整備が行われます。

また、事業場でのメンタルヘルス対策を含めた産業保健活動の支援の充実が図られます。

職場での受動喫煙防止対策の推進には7.4億円が計上され、職場の全面禁煙または空間分煙等による受動喫煙防止対策の事業者への義務付けなどの法令等の整備が行われます。

また、受動喫煙防止対策に係る相談対応等の技術的支援や、喫煙室設置に係る財政的支援が推進されます。

最低賃金引上げにより最も影響を受ける中小企業への支援と最低賃金の遵守の徹底には41億円が計上されています。

2012 年 1 月 5 日 厚生労働省平成24年度予算案のポイント(6)

<就労促進>については、全員参加型社会の実現として、「大学生現役就職促進プロジェクト」の推進等による新規学卒者等の就職支援の強化に112億円が計上されています。

大学の未就職卒業者等の減少を図り、将来の日本を担う人材として育成するため、「新卒応援ハローワーク」を拠点としてジョブサポーターを配置し、主に現役大学生を対象に、ジョブサポーターの大学への恒常的な出張相談や、大学等の協力を得て未内定者の全員登録・集中支援などを行う「大学生現役就職促進プロジェクト」を実施するなど、新規学卒者等への就職支援の強化が図られます。

また、東日本大震災の被災地の新卒者・既卒者等への就職支援も強化されます。

「若者ステップアッププログラム」によるフリーター等の就職支援の強化には65億円が計上され、個別支援など専門的支援を中核として、トライアル雇用の活用や職業訓練の活用等が推進されます。

大都市部には、支援拠点が設置されます。

ジョブ・カード制度の推進には105億円が計上され非正規労働者等のキャリア・アップが支援されます。

「ジョブ・カード」の対象となる訓練が公的な訓練全般(公共職業訓練や求職者支援制度による訓練)に拡大されます。

また、求職者と求人企業とのマッチングでの活用の促進や、「ジョブ・カード普及サポーター企業」の開拓等により「ジョブ・カード」の取得促進が図られ、キャリア形成支援の観点から、「ジョブ・カード」の対象者が中小企業等の在職労働者や大学生等に拡大されます。

女性の就業の拡大(就業率のM字カーブの解消)には120億円が計上され、男女雇用機会均等対策の推進、育児休業、介護休業等を利用しやすい職場環境の整備が図えあれます。

子育て中の女性等がその能力を発揮できる職場を確保できるよう、マザーズハローワーク事業の設置拠点が拡充(168箇所→173箇所)されます。

希望者全員の65歳までの雇用確保には44億円が計上され、公的年金支給開始年齢(報酬比例部分)の65歳への引上げが平成25年度から開始されることに伴い、65歳まで希望者全員の雇用が確保されるよう雇用と年金を確実に接続させるための法整備について検討されるとともに、定年を控えた高年齢者でその知識や経験を活かすことができる他の企業での雇用を希望する者を職業紹介事業者の紹介により雇い入れる事業主への助成など、企業の取組への必要な支援が行われます。

雇用率達成指導の強化、地域の就労支援力の更なる強化には82億円が計上され、中小企業に重点を置いた雇用率達成指導や就職面接会が実施されるとともに、雇用と福祉の連携のための「障害者就業・生活支援センター」の拡充(322箇所→327箇所)・機能強化が図られます。

障害特性・就労形態に応じたきめ細かな支援策の充実・強化には29億円が計上され、ハローワークでの精神障害者や発達障害者への支援体制や在宅就業障害者への支援の充実が図られます。

成長分野の人材育成の推進には2053億円が計上され、介護・福祉、医療、子育て、情報通信等の成長分野について、民間教育訓練機関等を活用した実践的な公共職業訓練及び求職者支援訓練が推進されるとともに、訓練修了者への就職支援が強化されます。

また、環境・エネルギー分野など、今後成長が期待される分野で、事業主等への委託による職場での実施を主体とした実践的な職業能力を付与する職業訓練の実施(成長分野人材育成プログラム)が推進されるとともに、事業主団体、大学等と連携し、カリキュラムの開発等が行われます。

新事業展開地域人材育成支援事業の推進には1億円が計上され、地場産業が集積する地域の業界団体等(事業協同組合等)が教育訓練機関と連携し、新たな事業展開を図る企業に対し、教育訓練カリキュラムの開発・教育訓練の実施等の支援を行うことにより、地域の活性化・雇用の確保を図る観点で地場産業を支える企業の人材育成支援が行われます。

2012 年 1 月 4 日 東日本大震災復興特別会計(仮称)の主な施策(3)

今後の災害への備えのための予算は次の通りです。

○医療情報連携・保全基盤の整備 9.5億円

・医療機関の主要な診療データを、平時から標準的な形式で外部保存しバックアップすることにより、災害時にも過去の診療情報を参照できる手段を確保し、継続した医療の提供を可能とするとともに、平常時には連携医療機関相互でデータの閲覧を可能とし、質の高い地域医療連携に活用できる医療情報連携・保全基盤を整備する。

○災害時の安心につながる在宅医療連携体制の推進 10億円

・災害が発生した場合にも在宅医療を必要とする人が安心して医療サービスを受けることができるよう、地域での多職種協働による包括的かつ継続的な在宅医療の提供に向け、医療機関等による連携を推進するとともに、災害時の在宅医療に必要な備品の整備を併せて行う。

○災害時の障害児・者への福祉サービス提供体制の基盤整備 45億円

・災害時に、障害福祉サービス事業所や障害児施設等に障害児・者の緊急の受入が可能となる設備等を備えた防災拠点等の整備を推進する。

○水道施設の防災対策 176億円

・東日本大震災を教訓として、東海地震や東南海・南海地震など、大地震の切迫性が高いと想定される地域での水道施設の耐震化を推進する。

なお、基幹管路の耐震化率は平成22年度は31%でした。

○発達障害者への災害時支援 4千5百万円

・発達障害者支援センター等の関係機関の連携による災害時の対応や避難場所の確保など、災害時の支援に効果的な方法等のマニュアルを作成する。

○国立高度専門医療研究センターによる東日本大震災からの医療の復興に資する研究 5億円

・被災地の医療復興を実現するため、国立高度専門医療研究センターの専門性を活かして、個別の疾患等の特性に応じた在宅医療や心のケアに関する研究を実施する。

2012 年 1 月 3 日 東日本大震災復興特別会計(仮称)の主な施策(2)

原子力災害からの復興のための予算は次の通りです。

○放射性物質による食品等の汚染に対する取組みへのWHO 等による支援 9千5百万円

WHOや国際がん研究機関(IARC)が食品等に関する検査等に対して助言や諸外国から信頼される情報発信等の支援を行うに当たり必要な費用を拠出する。

○食品中の放射性物質対策の推進 2億円

・食品中の放射性物質の安全対策を推進するため、新たに設定する基準値について、食品の汚染状況や摂取状況を調査し、継続的に検証するとともに、国において流通段階での買上調査を実施するなどの対策を推進する。

○自治体における食品中の放射性物質の検査体制の整備支援等 5.1億円

・食品中の放射性物質の安全対策を推進するため、新たに設定する基準値の下で円滑にモニタリング検査が行えるよう、自治体の検査機器の整備に対して補助を行うとともに、食品中の放射性物質に関する調査研究を行う。

2012 年 1 月 2 日 東日本大震災復興特別会計(仮称)の主な施策(1)

東日本大震災の被災者が暮らしを再生するための予算は次の通りです。

○水道施設の復旧・復興 200億円

・東日本大震災の津波等で甚大な被害を受けた地域で、都市計画の見直しを伴うなど、通常の原形復旧では対応できない水道施設の復旧・復興を図る。

(災害救助の実施)

○災害救助法による災害救助 494億円

・東日本大震災による被災者の方々の住居の安定を図るなど、応急救助に必要な経費を負担する。

(雇用の確保)

○求職者支援制度による職業訓練や給付金の支給等を通じた就職支援(東日本大震災復興特別会計(仮称)から労働保険特別会計雇用勘定への繰り入れ) 76億円

・東日本大震災の影響による全国的な雇用の悪化への対応を含め、「求職者支援制度」により、雇用保険を受給できない求職者に対し、求職者が新たな職業能力や技術を身につけるための職業訓練を実施するとともに、訓練期間中の生活を支援するための給付金を支給すること等により、求職者の早期の就職支援を行う。

○新規学卒者等の就職支援の強化 4.4億円

・来春以降の新規学卒者等については、東日本大震災の影響により特に被災地域の就職環境が厳しい状況であることが見込まれるため、被災地域を中心に重点的にジョブサポーターを配置し、学校との連携を強化し新卒者等の支援を行う。

・就職面接機会の継続的な提供を行える体制を整備し、各種就職面接会を実施し、多くの就職機会の提供を図る。

○自治体等と連携した被災求職者等への生活・就労総合支援事業の実施 13億円

・自治体や震災復旧・復興支援等を行う機関とハローワークが連携し、住居・生活に関する総合的な相談・援助を行うほか、被災求職者等を対象に、担当者制による職業相談・職業紹介、求人開拓、能力開発を通じたマッチングや定着に向けたフォローアップ等のきめ細かい就労支援を実施する。

○被災地域の復興に向けた臨床研究中核病院の整備 5.1億円

・被災地域での革新的な医薬品・医療機器創出拠点の形成を通じ、質の高い臨床研究を実施するとともに産業集積、新産業創出により復興を図ることを目的として、国際水準の臨床研究の実施や医師主導治験の中心的役割を担う基盤となる、臨床研究中核病院を1箇所整備する。

○被災地域の復興に向けた国際水準で実施する臨床研究等の支援 1億円

・被災地域での革新的な医薬品・医療機器創出拠点の形成を通じ、質の高い臨床研究を実施するとともに産業集積、新産業創出により復興を図ることを目的として、臨床研究中核病院での国際水準の臨床研究を支援する。

○被災地域の復興に向けた医薬品・医療機器の実用化支援 10億円

・革新的な医薬品・医療機器を創出するとともに、産業のさらなる発展や雇用の創出を通じた震災からの復興に貢献することを目指して、被災地域での大学、研究機関発のシーズ開発を後押しし、臨床研究及び医師主導治験を支援する。

○東日本大震災の影響を受けた母子家庭等への経済的支援 8億円

・東日本大震災の影響を受けた母子家庭等に対し、母子寡婦福祉貸付金による経済的支援を行う。

○被災した生活衛生関係営業者への支援 1.4億円

・東日本大震災により被災した営業者自らが復興の担い手となるよう、被災した営業者の営業再開を支援する。

○災害時の福祉支援ネットワークの構築 5.2億円

・災害時において災害弱者(高齢者・障害者等支援が必要な方々)に対し緊急的に対応を行えるよう、民間事業者、団体等の広域的な福祉支援ネットワークを構築し、災害対策の強化を図る。

○東日本大震災復旧・復興工事に係る安全衛生確保支援対策 1千万円

・復旧・復興工事現場におけるアスベスト濃度の簡易測定方法の開発、復旧・復興工事に伴う労働災害の分析及び予防対策に関する調査研究を行う。

○医療保険制度の一部負担金減免等の特別措置 98億円

・東京電力福島第一原発の事故により設定された警戒区域等の住民の方について、医療保険の一部負担金や保険料の減免等の措置を延長する場合に、保険者の負担を軽減するための財政支援を行う。

○介護保険制度の利用者負担減免等の特別措置 44億円

・東京電力福島第一原発の事故により設定された警戒区域等の住民の方について、介護保険の利用者負担や保険料の減免の措置を延長する場合に、保険者等の負担を軽減するための財政支援を行う。

○障害福祉サービス等の利用者負担免除の特別措置 1千6百万円

・東京電力福島第一原発の事故により設定された警戒区域等の住民の方について、その利用者負担の免除の措置を延長する場合に、市町村等の負担を軽減するための財政支援を行う。

2012 年 1 月 1 日 謹賀新年

新しい年を迎えました。

メルカトルが世界地図を考案したのも、カントが『純粋理性批判』を著したのも、エッフェルがエッフェル塔を設計したのも私の歳の時でした。

今年はエルサレムの王宮と神殿を築いたソロモン王の生きた年数と並びます。

また、次の方々の生涯とも並びます。

57歳0か月:大友宗麟

57歳1か月:マルセル・ジュノー、寺田寅彦

【今、ここにいます。】

57歳2か月:小林繁

57歳3か月:前田山英五郎、須田開代子、ザメンホフ

57歳4か月:松尾和子、シトロエン、トマス・モア

57歳5か月:古川緑波、青山孝史、菊竹六鼓

57歳7か月:菅原道真

57歳8か月:スキャットマン・ジョン

57歳9か月:中川一郎、北原白秋、大松博文、園山俊二

57歳10か月:岩倉具視、種田山頭火、山口小夜子

57歳11か月:しばたはつみ

58歳0か月:柏戸剛、黒田清輝、角川源義

58歳1か月:忌野清志郎、荻島眞一、マキアベリ

2011 年 12 月 31 日 厚生労働省平成24年度予算案のポイント(5)

<年金>については、年金の国庫負担として8兆945億円が計上されています。

これ以外に、税外財源として2兆4879億円と運用収入相当額とを合算した額の「年金交付国債」(仮称)が発行される予定ですが、これは、将来、税によって償還されます。

平成24年度の基礎年金国庫負担割合は、歳出予算(36.5%分)と「年金交付国債」(仮称)によって2分の1が確保されます。

かつて特例法でマイナスの物価スライドを行わず年金額を据え置いたことにより本来の年金額より2.5%高い水準の年金額で支給している措置については、本来の水準に計画的に引き下げられます。

平成24年度から平成26年度の3年間で解消され、平成24年10月から0.9%引下げられます。

紙台帳とコンピュータ記録との突合せの促進には660億円が計上されています。

2011 年 12 月 30 日 厚生労働省平成24年度予算案のポイント(4)

地域ケア多職種協働推進等事業に7.7億円が計上されています。

地域包括支援センターの医療・介護等の多職種連携機能を強化するため、ネットワーク構築や多職種連携の場である地域ケア会議の運営の指導的な役割を担う人、専門的な助言を行うOTPT、地域保健の医師・保健師や管理栄養士等の専門職の確保を支援する事業が行われます。

認知症を有する人の暮らしを守るための施策の推進には29億円が計上され、市町村での認知症施策の推進(認知症地域支援推進員を中心に医療、介護や生活支援サービスが有機的に連携したネットワークの構築)、地域での市民後見活動の仕組みづくりの推進(市民後見人を育成と活動支援)が行われます。

福祉用具・介護ロボットの実用化の支援には8千3百万円が計上され、試作段階の機器等を用いた臨床的評価やモニター調査等を通じ、実用的な機器の開発に資するスキームの構築が図られます。

市町村介護予防強化推進事業には2.8億円が計上され、閉じこもりやうつ等により通所での事業参加が困難な高齢者に対し、生活機能の低下予防に効果的な訪問型介護予防プログラムを開発し、全国へのマニュアル提示などが行われます。

後発医薬品の使用促進には4.8億円が計上され、後発医薬品の品質・安定供給の確保、情報提供の充実や普及啓発等による環境整備に関する事業等が引き続き実施されるとともに、後発医薬品の更なる信頼性向上のため、評価基準の検討や、これまでの取組への検証

等が行われます。

新型インフルエンザ対策の強化には3百万円が計上され、新型インフルエンザ発生時に、地域の発生状況に応じ都道府県ごとに実施すべき対策を判断するため、国と都道府県等が危機管理の観点から連携強化が図られます。

小児がん拠点病院の機能強化には4億円が計上され、診療や緩和ケアを行うがん医療従事者の育成、小児がん患者への相談支援や療育環境を確保するためのプレイルームの運営等に必要な経費について財政支援が行われます。

難病患者の生活支援等の推進(特定疾患治療研究事業)には350億円が計上され、都道府県の超過負担が縮減されます。

2011 年 12 月 29 日 厚生労働省平成24年度予算案のポイント(3)

個別の疾患等に対応したサービスの充実・支援には11億円が計上されています。

(内訳)

①国立高度専門医療研究センターによる在宅医療等推進のための研究事業に6.4億円。

国立高度専門医療研究センターの専門性を活かして、個別の疾患等の特性に応じた研究が実施されます。

②在宅医療推進のための医療機器の承認の促進に1千4百万円。

在宅医療の現場で必要とされている医療機器について、その特性を踏まえて迅速な薬事承認のための指針の策定等が進められます。

③在宅医療推進のための看護業務の安全性等の検証に7千万円。

専門的な臨床実践能力を有する看護師が医師の包括的指示を受け、看護業務を実施できる仕組みの構築に向け、業務の安全性や効果の検証が行われます。

④在宅介護者への歯科口腔保健の推進に1億円。

在宅介護者(在宅療養者を介護する家族等)への歯科口腔保健の普及推進を通じて在宅療養者の健康の保持・向上を図るため、歯科診療所が訪問歯科診療等により行う歯科診療の

予防に向けた取組みに必要な口腔内洗浄装置等が整備されます。

⑤在宅緩和ケア地域連携事業に1.1億円。

がん診療連携拠点病院が都道府県と連携して二次医療圏内の在宅療養支援を行う医療機関の協力リストを作成し、連携機能を強化するとともに、在宅緩和ケアを専門とする医師等と協力して在宅療養支援を行う医師等に対して在宅緩和ケアの知識や技術の向上を図る研修が実施されます。

⑥難病患者の在宅医療・介護の充実・強化事業に4千5百万円。

在宅難病患者の日常生活支援の強化のため、医療・介護従事者研修の実施や災害時の緊急対応に備え、重症神経難病患者の受入機関確保のための全国専門医療機関ネットワークの構築等を通じて包括的な支援体制の充実・強化が図られます。

⑦HIV感染者・エイズ患者の在宅医療・介護の環境整備事業に4千万円。

HIV 感染者・エイズ患者の在宅医療・介護の環境を整備するため、訪問看護師や訪問介護職員への実地研修、かかりつけ医や地域の歯科医への講習会等が実施されます。

⑧在宅での疼痛緩和のための医療用麻薬の適正使用の推進に5千2百万円。

地域単位での医療用麻薬の在庫管理システムを開発・活用するモデル事業等を実施するとともに、医療用麻薬の適正使用の推進に向けた普及啓発が行われます。

2011 年 12 月 28 日 厚生労働省平成24年度予算案のポイント(2)

<医療・介護等>については診療報酬の国庫負担として10兆1962億円、介護報酬の国庫負担として2兆4033億円が計上されています。

診療報酬本体は概ね5500億円の引上げで、急性期医療従事者の負担軽減・処遇改善の推進、早期の在宅療養への移行や地域生活の復帰に向けた取組の推進、医療と介護等との機能分化や円滑な連携の強化、在宅医療の充実、がん治療・認知症治療の充実が図られます。

国民健康保険制度の公費負担については、財政運営の都道府県単位化を円滑に進めるため、都道府県調整交付金が給付費等の7%から9%に引き上げられ、国の定率負担は給付費等の32%となります。

介護報酬は1.2%の改定率で、介護職員の処遇改善、施設から在宅介護への移行、自立支援型サービス(24時間定期巡回・随時対応サービスなどの在宅サービス、リハビリテーションなど)の強化が図られ、介護予防・重度化予防については効率化・重点化する方向で見直しが行われます。

地域医療確保対策には92億円が計上され、次の事業が行われます。

(1)地域医療支援センターの整備の拡充に7.3億円。

都道府県が設置する「地域医療支援センター」の箇所数が拡充され、医師の地域偏在解消に向けた取り組みが推進されます。

(2)専門医の在り方に関する検討に2千7百万円。

地域に必要な専門医がバランスよく分布するよう、診療領域別の必要医師養成数の実態把握や総合的な診療能力を有する医師の在り方を含め、専門医に関して幅広く検討が行われます。

(3)チーム医療の普及推進に2.4億円。

質の高いチーム医療の実践を全国の医療現場に普及定着させ、医師、歯科医師、薬剤師、看護師等医療関係職種の業務の効率化・負担軽減等を図ります。

(4)医療情報連携・保全基盤の整備に9.5億円。

医療機関の主要な診療データを平時から標準的な形式で外部保存しバックアップすることにより、災害時にも過去の診療情報を参照できる手段を確保し、継続した医療の提供を可能とするとともに、平常時には連携医療機関相互でデータの閲覧を可能とし、質の高い地域医療連携に活用できる医療情報連携・保全基盤が整備されます。

在宅医療・介護の推進には35億円が計上され、次の事業が行われます。

(1)在宅チーム医療を担う人材の育成に1.1億円。

地域で在宅医療を担う人材(指導者)を養成するための多職種協働研修などを行うことにより、在宅医療を担う人材の知識・技術の向上やチーム医療の展開が図られます。

(2)実施拠点となる基盤の整備に23億円。

(内訳)

①在宅医療連携体制の推進に21億円。

多職種協働による在宅療養中の患者の支援体制を構築し、地域での包括的かつ継続的な在宅医療の提供に向け、在宅医療を提供する医療機関等による連携を地域や疾患の特性に応じて推進します。

②在宅医療を提供する拠点薬局の整備に1.6億円。

がん患者等の在宅医療を推進するため、高い無菌性が求められる注射薬や輸液などを身近な薬局で調剤できるよう、地域拠点薬局の無菌調剤室の共同利用体制をモデル的に構築します。

③栄養ケア活動の支援に5千2百万円。

栄養ケアの支援体制を構築するため、地域で栄養ケアを担う管理栄養士等の人材の確保、関係機関等と連携した先駆的活動を行う公益法人等の取組の推進を図ります。

④在宅サービス拠点の充実(地域介護・福祉空間整備推進交付金13億円の内数)

小規模多機能型居宅介護と訪問看護のサービスを組み合わせた「複合型サービス事業所」、訪問介護と訪問看護が密接に連携した「定期巡回・随時対応サービス」、訪問看護ステーションの大規模化やサテライト型事業所の開設に必要な備品購入費等の支援を行います。

⑤低所得高齢者の住まい対策(地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金等57億円の内数)

小規模な養護老人ホームの整備に対する支援、小規模な養護老人ホーム及び都市型軽費老人ホームの開設に必要な備品購入費等の支援を行います。

2011 年 12 月 27 日 厚生労働省平成24年度予算案のポイント(1)

<Ⅰ 子ども・子育て支援>

・子どものための手当の恒久化

・待機児童の解消等

<Ⅱ 医療・介護等>

・地域の実情に応じたサービス提供体制の効率化・重点化と機能強化

・社会保障制度のセーフティネット機能の強化・給付の重点化

<Ⅲ 年金>

・信頼できる年金制度の確立

・短時間労働者への適用拡大

<Ⅵ 医療イノベーションの推進>

・臨床研究中核病院等の整備

・技術の進歩に対応する薬事承認審査・安全対策の向上

<Ⅴ 貧困・格差対策の強化>

・低所得者対策の強化

・社会保険の適用拡大

・重層的セーフティネットの構築、生活保護制度の見直し

<Ⅳ 就労促進、ディーセント・ワークの実現>

・高齢者雇用対策、有期労働契約、パートタイム労働対策、雇用保険制度の見直し

・総合的ビジョン、若年者雇用対策

<Ⅶ 障害者施策>

・総合的な障害者施策の充実

が、主要施策です。

<子ども・子育て支援>のうち子どものための手当制度予算は1兆2843億円です。

給付費総額2兆2857億円のうち国庫(厚生労働省)負担分が計上されていますが、これ以外に他の所属省庁から支給される国家公務員分が441億円あります。

所得制限額(子ども2人で960万円)未満の被用者に対する3歳未満の子どもに係る手当の費用の15分の7を事業主が負担し、その他の子どもに係る手当の費用を国と地方(都道府県と市町村の負担割合は1対1)が2対1の割合で負担する仕組みです。

待機児童解消策の推進など保育サービスの充実には4304億円が計上されています。

保育所等の受入児童数の拡大(約5万人)を図り、また、延長保育、休日・夜間保育、病児・病後児保育などの充実を図るための予算です。

放課後児童クラブの充実には308億円が計上されています。

虐待を受けた子ども等への支援には未成年後見人に対する報酬等の補助制度の創設や児童虐待防止医療ネットワークの推進のため915億円が計上されています。

 

児童養護施設等での被虐待児等の社会的養護の充実のためにも942億円が計上されています。

2011 年 12 月 26 日 厚生労働省平成24年度予算案の全体像

厚生労働省の新年度一般会計予算案は26兆6873億円で、対前年度比7.9%減です。

減額は2兆2765億円ですが、基礎年金国庫負担の一部に(将来の増税で償還される)「年金交付国債」(仮称)で2兆4879億円を充てることになっていますので、税負担の先送り分も併せると実質は2114億円の増額ということになります。

また、東日本大震災復興特別会計(仮称)として別に1276億円が計上されています。

このほか、地方に「子どものための手当」(仮称)の負担増を2803億円強いる案となっています。

社会保障関係費は26兆2152億円で、厚生労働省予算の98%超を占めています。

従来、社会保障関係費で最も多く支出されていたのは年金予算でしたが、「年金交付国債」への挿げ替えのため、医療予算がトップに躍り出ました。

医療予算は10兆2442億円で対前年度3193億円(3.2%)増です。

伸び率が最も大きいのは介護予算で、1355億円(6.1%)の増で2兆3392億円です。

2011 年 12 月 25 日 新年度の厚生労働省の組織・定員体制

昨日、来年度政府予算原案が固まりました。

同時に、その予算を執行するための組織・定員も確定しています。

厚生労働省では、労働基準局労働条件政策課に「医療労働企画官」というポストが新設されます。

医療従事者の勤務環境を改善する体制の強化です。

職業安定局雇用政策課には「雇用復興企画官」が新設され、東日本大震災からの雇用復興に向けた体制が強化されます。

このほか、社会・援護局地域福祉課には「社会的困窮者自立支援室」が、健康局には「がん・健康対策課」が設置されます。

厚生労働省の総定員は32485人ですが、合理化等によって870人減員したうえで体制強化のために598人増員されます。

増員の主な内訳は、社会保障・税一体改革の推進(大卒者等の就職支援、貧困・格差対策、子ども・子育て新システム等)、震災・原発対策(被災者に対する公共職業安定所の就職支援、東電福島第一原発における労働者の健康確保、震災で親を亡くした子ども等の心のケア等)とB型肝炎ウイルス感染者に対する給付金支給に係る体制強化です。

2011 年 12 月 24 日 医療セミナーat保健医療経営大学

8回にわたって本学教員による医療セミナーを開催しました。

参加者アンケートでは自由記載欄に次のような嬉しい言葉をいただきました。

「もっとこのような講義を受けたいです」

「社会で、この学校の講師みたいな人が多かったら日本が変わる気がします」

「この大学でなら新しい考えを持つ事ができそう。入学してみたいです」

「もっとこの大学でどのような事を教えてるか聞きたい。大変興味をもった」

「医療・福祉経営者を補佐する先見性のある事務職員の育成を期待します。」

「設立理念に沿って人材を育成していただければと思います。」

このセミナーは本学の教学内容のPRを狙って企画しましたが、好評でしたので、1月最終週から本年度第二シリーズを企画しています。

詳細が決定次第、本学ホームページ等へアップいたします。

2011 年 12 月 23 日 平成24年診療報酬・介護報酬改定(130)

昨日は「医療セミナー at 保健医療経営大学」の第8回(最終回)でした。

私の当番で「診療報酬・介護報酬改訂の動向」を解説しましたが、日程をこの日に設定したのは、この頃が改定率決定の政治的山場であろうと予想したからです。

セミナー前日に決定した改定率は次の通りです。

 

診療報酬全体+0.004%

・薬価部分 -1.375%

薬価  -1.26%(長期収載品の薬価は-0.9%)

材料  -0.12%

・本体部分 +1.379%

医科  +1.55%

歯科  +1.70%

調剤  +0.46%

介護報酬  +1.2%

在宅  +1.0%

施設  +0.2%

 

介護報酬は3年前の前回改定時は+3.0%でした。

今回は+2%相当の「処遇改善交付金」が廃止となったので実質-0.8%です。

診療報酬のうち人件費に半分が充当される本体部分は毎年の医療従事者の増加率(3%)を大きく下回っています。

相当に厳しい遣り繰りが医療現場に求められます。

ちなみに、前回の平成22年度診療報酬改定率の内訳は次の通りでした。

 

診療報酬全体+0.19%

・薬価   -1.23%

・材料   -0.13%

・本体部分 +1.55%

医科入院+3.03%

医科外来+0.31%

歯科  +2.09%

調剤  +0.52%

 

改定率の算定は、診療行為が変化しないことを前提としてのコンピュータ上のシミュレーションです。

実際は改定内容に応じて診療実態は変化します。

平成22年の医療費実績は対前年比で

医科入院+6.2%

医科外来+1.8%

歯科  +1.8%

調剤  +3.6%

でしたので、歯科を除き、発表された改定率を大きく上回っています。

実態は、改定率の如何によらず、シミュレーションに反映しないレベルの運用基準の緩和や厳格化によって大きくプラスになったりマイナスになったりします。

今回の改定率の決着は、発表上はマイナス改定を主張していた財務省サイドが押し切られた格好になっていますが、財務省としては実態がマイナスとなれば主張が通ったことになります。

今回の改定では、病床区分など、数多くの施設基準の厳格化が予想されます。

2011 年 12 月 22 日 平成24年診療報酬・介護報酬改定(129)

診療報酬改定についての中医協公益委員案を紹介します。
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1.診療報酬改定を取り巻く状況について
第18回医療経済実態調査によれば、病院の医業収支は精神科病院を除き、全般的に上昇している。また、診療所の医業収支は全般的に上昇している。
平成22年度診療報酬改定以降の平成22年度から平成23年度までの2年間における賃金・物価の動向については、人事院勧告による賃金の動向は▲1.7%、消費者物価指数による物価の動向は、本年9月までの消費者物価指数の実績を用いた場合▲0.5%であった。
薬価調査の速報値による薬価の平均乖離率は約8.4%、材料価格調査の速報値による特定保険医療材料価格の平均乖離率は約7.7%であった。
2.平成24年度診療報酬改定について
○ 我が国の医療は極めて厳しい状況に置かれており、国民・患者が望む安心・安全で質の高い医療を受けられる環境を整えていくことは重要な課題である。
○ 社会保障審議会医療保険部会及び医療部会においてとりまとめられた「平成24年度診療報酬改定の基本方針」(以下「基本方針」という。)では、重点的に取り組む課題として、病院勤務医等の負担の大きな医療従事者の負担軽減を図ることや、医療と介護の役割分担と連携の推進及び在宅医療等の充実を図ることが示された。
本協議会は、この基本方針の枠組みの中で、地域の医療提供体制を確保するなど、国民皆が質の高い医療を受け続けるための取組を真摯に進める。こうした基本認識について、支払側と診療側の意見の一致を見た。
○ しかし、このような基本認識の下で、どのように平成24年度診療報酬改定に臨むべきであるかについては、次のような意見の相違が見られた。
まず、支払側は、景気や雇用情勢の悪化や賃金の低下など、国民生活が厳しい状況にあり、また、医療保険財政も急速に悪化している一方で、医療機関の経営状況は概ね安定的に推移していること等を踏まえれば、患者負担や保険料負担の増加につながる診療報酬全体(ネット)の引き上げを行うことは、とうてい国民の理解と納得が得られず、財源を効率的かつ効果的に配分すべきであるとの意見であった。
一方、診療側は、過去の全体(ネット)マイナス改定により、地域医療を支える中小病院や一般診療所、歯科診療所、薬局の経営はなお不安定で、前回の全体(ネット)プラス改定のみでは不十分であり、また、国際的に見て我が国の税と保険料を併せた国民負担は低く、引き上げる余地があり、医療機関の経営が厳しい状況にある中で、国民の生命及び健康を守るために、診療報酬の引き上げによる医療費全体(ネット)での底上げを行うべきであるとの意見であった。
○ 本協議会は、社会保険医療協議会法でその組織構成や、審議・答申事項等を規定された法定の審議会である。
行政刷新会議の提言型政策仕分けなど財政的観点から、診療報酬本体について据え置きや抑制を求める意見があることも承知しているが、本協議会では、これまで医療保険制度を構成する当事者である支払側委員、診療側委員、公益委員が、医療の実態や保険財政等の状況を十分考慮しつつ、国民・患者が望む安心・安全で質の高い医療を受けられる環境を整えるために真摯な議論を積み重ねることにより、診療報酬改定の責任を果たしてきた。
今後とも、本協議会に与えられた責任を果たすため、支払側委員、診療側委員、公益委員がそれぞれの立場から我が国の医療を議論し、国民・患者が望む安心・安全で質の高い医療を受けられる環境を整備していく。
○ 本協議会としては、基本方針の実現に向けた診療報酬改定の具体的検討を行う所存である。
厚生労働大臣におかれては、本協議会が提起する具体的な診療報酬改定の項目が実現されるよう、平成24年度予算編成に当たって、平成24年度診療報酬改定に係る改定率の設定に関し十分な配慮を求めるものである。
○ また、東日本大震災からの復興をはじめ、我が国の医療が抱える様々な課題を解決するためには、診療報酬のみならず、幅広い医療施策が講じられることが必要であり、この点についても十分な配慮が行われるよう望むものである。
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改定率の決定は中医協の権限ではありません。
「本協議会が提起する具体的な診療報酬改定の項目が実現されるよう、平成24年度予算編成に当たって、平成24年度診療報酬改定に係る改定率の設定に関し十分な配慮を求める」という最後のくだりがありますが、提起された具体的な改定項目には改定率をプラスに向かわせるものもマイナスに向かわせるものもありますので、この意見自体は改定率を上げろとも下げろとも言わない玉虫色の意見ということになります。

2011 年 12 月 21 日 平成24年診療報酬・介護報酬改定(128)

中医協(中央社会保険医療協議会)総会の議論が、先週の「宿題」報告でひと区切りつきました。
11月後半には「診療側」「支払側」ともに意見を表明していますが、多くの対立があります。
終盤の12月に入り、中立的立場の「公益委員」案が提示されています。
ここで7月末に社会保障・税一体改革成案が報告されて以降の主な議題を整理します。
(8月下旬)
被災地訪問・意見交換会の報告
(9月)
慢性期入院医療の包括評価分科会からの報告
診療報酬改定結果検証部会からの本報告
年末までの議論の進め方
(10月前半)
入院、外来、在宅医療について(総論)
外来管理加算、地域医療貢献加算について
明細書の無料発行義務化について
(10月後半)
救急・周産期医療について
災害医療について
がん対策、生活習慣病対策、感染症対策について
(11月前半)
精神科医療について
医療経済実態調査の報告について
在宅医療について(介護給付費分科会との打ち合わせの報告を含む)
後発医薬品の使用促進のための環境整備について(その1)
訪問看護、在宅歯科医療、在宅医療における薬剤師業務について
(11月後半)
診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会からの報告
医療経済実態調査の結果に対する見解
医療提供体制(その1:入院医療/高度急性期・一般急性期、亜急性期等、長期療養、有床診療所、地域特性)
医療提供体制(その2:外来医療/他医療機関受診、複数科受診等)
後発医薬品の使用促進のための環境整備について(その2)
歯科診療報酬について
調剤報酬について
診療報酬改定に関する基本的な見解(各号意見)
(12月前半)
医療提供体制(その3:医療連携/退院調整、救急医療等)
薬価調査及び特定保険医療材料価格調査について
医療提供体制(その4:院内体制、リハビリテーション/病院従事者負担軽減、チーム医療、院内感染対策、リハビリテーション、薬剤師の病棟業務等)
診療報酬改定について(公益委員案の提示)
後発医薬品の使用促進について(骨子案)
これまでの宿題事項について

2011 年 12 月 20 日 平成24年診療報酬・介護報酬改定(127)

社会保障審議会医療部会の「医療提供体制の改革に関する意見(案)」では、「8.その他」として、次のような言及があります。
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(1)医療法人
○ 医療法人に係る制度について、地域医療を安定的に確保する上で重要な主体であるという視点を踏まえつつ、税制上の取扱いを含め、必要な制度の見直しを行うことが必要である。
○ 医療法人に対する規制のあり方について検討を行う上では、非営利の法人であるという医療法人の性格を維持することが重要である。
(2)外国医師の臨床修練制度の見直し
○ 医療の分野において、アジアの国々をリードし、貢献していくためにも、臨床修練制度において、厳格な審査を前提として、手続き面の簡素化を図るべきである。
○ 臨床修練に加え、教授・研究の中で外国の医師等が診療を行うことを認めるべきである。その際、医師不足対策や医療機関の宣伝という間違った趣旨での利用を制限するため、臨床修練よりも厳格な基準を設け、適切な運用を担保するための仕組みを設けるべきである。
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かつて多くの個人病院・診療所が医療法人に移行したのは、税制上の利点があったためです。
従って、医療法人の税制上の取扱いの見直しが「必要」という意見は、「その他」扱いで議論し結論を導くようなものではないでしょう。
外国医師の国内診療の問題についても、メディカルツーリズム関係者間では重大な関心事項です。

2011 年 12 月 19 日 平成24年診療報酬・介護報酬改定(126)

社会保障審議会医療部会の「医療提供体制の改革に関する意見(案)」では「7.国民の関与と情報活用」について次のように言及しています。
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(1)患者中心の医療と住民意識の啓発
○ 限られた医療資源を有効に活用する観点から、医療を利用する住民の意識を高めていくことも検討すべきである。
(2)広告・情報提供のあり方
○ 医療を提供する側と受ける側との間にある「情報の非対称性」を軽減していく観点から、医療情報提供を充実させる必要がある。
○ 医療機関に関する医療機能に係る情報の公表にあたっては、公表情報の標準化が重要である。
○ 医療機関のホームページの取扱いについて検討を行い、必要な措置を講じていくべきである。
(3)医療の質の評価・公表のあり方
○ 医療の質に関する情報(アウトカム指標やプロセス指標等)については、その内容や標準化等について検討が進められているが、こうした検討を踏まえながら、医療の質に関する情報の公表に向けた取組を進めていくべきである。ただし、全ての分野についての指標を評価・公表することは難しいため、分野を絞ることも検討すべきである。
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医療計画に関する意見に「疾病・事業ごとの医療計画のPDCAサイクルを効果的に機能させることで、計画の実行性を高める」との言及がありましたが、ここでは「アウトカム指標やプロセス指標」という語が登場しています。
国民の税金を使用している事業であることから国民へ成果を「見える化」することが強く求められてきたODA事業では、PDCAサイクル(ODAでは通称PCM:プロジェクトサイクルマネジメント)やアウトカム指標の活用が定着しています。
医療もようやくPDCAサイクルや指標(の評価・公表)が議論の俎上に載るようになってきました。

2011 年 12 月 18 日 平成24年診療報酬・介護報酬改定(125)

社会保障審議会医療部会の「医療提供体制の改革に関する意見(案)」では「5.救急・周産期医療体制の見直し」「6.医療従事者間の役割分担とチーム医療の推進」について次のように言及しています。
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5.救急・周産期医療体制の見直し
○ 救急医療を担う医療機関の位置付けや支援を検討する上では、救急車の受入実績だけでなく、休日・夜間の診療体制の状況を評価する視点や医療圏ごとに人口に大きな差があることも考慮して評価する視点が必要である。
○ 周産期医療については、NICU(新生児集中治療室)の整備だけではなく、在宅医療体制の充実を図ることで、病院から家庭への移行を進めていく必要がある。
6.医療従事者間の役割分担とチーム医療の推進
(1)チーム医療の推進
○ 少子化が進む中、限られたマンパワーで効率的かつ安全で質の高い医療を提供するために、各医療職種の役割分担を見直し、チーム医療を推進していくべきである。
○ チーム医療の推進にあたっては、各医療関係職種が担う役割の重要性を認識し、適切な評価をするべきである。
(2)看護師、診療放射線技師等の業務範囲
○ 高齢社会が進む中、介護の分野においても高度の医療を必要とする患者が増えてきており、安全性の確保とサービスの質の向上のために、現在看護師が実施している高度かつ専門的な知識・判断が必要とされる行為について、教育・研修を付加する必要がある。
○ 現場で患者に寄り添っている看護師が、患者に安全かつ迅速にサービスを提供するために、またやる気のある看護師がその能力を十分に発揮するためにも、一定以上の能力を公的に認証する仕組みは重要である。併せて、基礎教育内容を見直し、看護師全体のレベルアップを図ることが必要である。こうした取組みが患者の安全・安心につながることとなる。
○ 診療放射線技師については、教育等により安全性を担保した上で、検査関連行為と核医学検査をその業務範囲に追加することが必要である。
○ 薬剤師等他の医療関係職種の業務範囲についても議論を進めるべきである。
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「救急・周産期医療体制」は法定事項(医療計画5事業のうちの2事業)ですが、医療関係職種の業務範囲も、それぞれの身分法による法定事項です。
「能力を公的に認証する仕組み」とは、専門看護師、認定看護師に法的位置付けを与える動きとして注目に値します。

2011 年 12 月 17 日 平成24年診療報酬・介護報酬改定(124)

社会保障審議会医療部会の「医療提供体制の改革に関する意見(案)」では「4.医療提供体制整備のための医療計画の見直し」について次のように言及しています。
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(1)医療計画のあり方
○ 二次医療圏について、二次医療圏間で医療提供体制に格差が見られるため、地域の実情や現在の医療を取り巻く状況等を踏まえ、医療計画作成指針の見直しを行う必要がある。その際、都道府県が見直しについて具体的な検討ができるよう、二次医療圏の設定の考え方をより明示的に示すべきである。
○ 在宅医療の提供体制を計画的に整備するため、在宅医療を担う医療機関等の具体的な整備目標や役割分担、病状の変化に応じた病床の確保のあり方等を医療計画に盛り込むべきことを法制上明確にすべきである。(再掲)
(2)4疾病5事業の見直し
○ 増加する精神疾患患者への医療の提供を安定的に確保するため、医療連携体制を計画的に構築すべき疾病及び事業(4疾病5事業)に精神疾患を追加すべきである。その際、一般医療と精神科医療との連携や社会復帰という観点での地域の関係機関との連携といった視点が重要である。
○ 疾病・事業ごとの医療計画のPDCAサイクルを効果的に機能させることで、計画の実行性を高めることができるように、医療計画作成指針を見直すことが必要である。
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ここでも「法制上明確にすべき」ことが再掲されています。
精神疾患が医療計画に盛り込むべき疾病として法制化されることも、精神科医療を飛躍的に改善させることになるでしょう。
昨年国立精神神経医療研究センター病院が実現した精神科病棟の全室個室化のような取り組みが全国的に広がれば、精神科疾患の治癒・社会復帰率は格段に高まります。

2011 年 12 月 16 日 平成24年診療報酬・介護報酬改定(123)

社会保障審議会医療部会の「医療提供体制の改革に関する意見(案)」では「3.在宅医療・連携の推進」について次のように言及しています。
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(1)在宅医療の推進、医療・介護間の連携
○ 今後、高齢者が増加していく中で、在宅医療と介護の連携により、生活の場の中で最期を迎えることができる体制を整備すべきである。
○ 在宅医療を推進するには、複数の医療機関等の連携システムの構築により、24時間体制で在宅医療ニーズに対応できる仕組みを整備するなど、地域としての供給体制を整備することが不可欠である。そのためには、医師、歯科医師、薬剤師、看護師、ケアマネジャー等、地域における多職種での連携、協働を進めることが重要である。また、地域の関係機関による協議の場を作るという方向性を明確にすべきである。
○ 在宅医療を担う関係者間の調整を行うコーディネート機能を担うことのできる人材を養成していくことが必要である。
○ 在宅医療の拠点となる医療機関について、診療報酬上の位置付けだけでなく、法制上、その趣旨及び役割を明確化すべきである。
○ 在宅医療の提供体制を計画的に整備するため、在宅医療を担う医療機関等の具体的な整備目標や役割分担、病状の変化に応じた病床の確保のあり方等を医療計画に盛り込むべきことを法制上明確にすべきである。
○ 訪問看護は在宅医療で重要な役割を果たすが、人員体制が不十分で、訪問看護師への負荷が大きく、離職率も高い状況である。そこで、訪問看護を提供する体制の確保・充実が必要である。
○ 有床診療所は、入院医療と在宅医療、医療と介護のつなぎ役として重要な役割を担っており、在宅医療の推進のためには、その活用を図っていくべきである。
(2)地域における医療機関間の連携
○ 医療機能の分化とともに連携が重要であり、地域における医療機関間の連携を更に推進していくための取組が必要である。
○ 急性期医療から地域生活への円滑な移行を進める上では、退院後に、地域の診療所や訪問看護ステーションにスムーズにつなぐための退院調整機能を強化することが必要である。
○ 医療機関間の連携の促進という観点から、医療情報のICT(Information and Communication Technology)化等により、医療機関間の情報の共有を進めていくことも必要である。
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「在宅医療の推進」「医療・介護間の連携」は耳にたこが出来るほど叫ばれ続けていますが、現実はなかなか進展していません。
意見(案)のうち「在宅医療の拠点となる医療機関について、診療報酬上の位置付けだけでなく、法制上、その趣旨及び役割を明確化すべきである」という部分が重要です。
診療報酬による政策誘導には限界があり、医療計画(増床許認可)のような強い法的権限を都道府県知事が発揮できるような体制の裏打ちがなければ真に重要な政策は進展しません。
医療法と診療報酬は、医療政策推進の車の両輪です。

2011 年 12 月 15 日 平成24年診療報酬・介護報酬改定(122)

社会保障審議会医療部会の「医療提供体制の改革に関する意見(案)」では「2.病院・病床の機能の明確化・強化」のうち「(1)病床区分のあり方」について次のように言及しています。
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(1)病床区分のあり方
○ 患者の疾患の状態に応じ良質かつ適切な医療が効率的に行われるよう、一般病床について機能分化を進め、急性期医療への人的資源の集中化を図るなど、病床の機能分化・強化を図り、もって医療機関が自ら担う機能を選択し、その機能を国民・患者に明らかにしていく必要がある。
○ これまでもこうした方向性は様々な機会で示されてきたものの、実現に至っていない状況を踏まえると、その実現に向け、法制上、こうした方向性を明らかにして取り組むことが重要である。
○ 急性期医療については、病院医療従事者の負担の軽減や専門医等の集約による医療の質の向上等を図るとともに、患者の早期の社会生活復帰を可能とする観点からも、医療資源を集中化させることにより機能強化を図るべきである。
一般病床の機能分化を進め、急性期医療への人的資源の集中化を図るための具体的方策については、別途検討の場を設け、早急に検討すべきである。その際は、人的資源の集中化が求められる医療等について十分な議論が必要である。
○ また、機能分化の推進に当たっては、病床の機能の見える化が重要であり、その機能に着目した評価を行うことが重要であるが、評価の具体的な方法については十分な議論が必要である。
○ 急性期医療から引き継ぐ亜急性期等の医療や在宅医療についても機能分化・強化を図っていく必要がある。
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病床区分と人員配置標準とは連動します。
また、人員配置標準は診療報酬とも連動するでしょう。
急性期病床には急性期医療にふさわしい人員標準と診療報酬を、そうでない病床には相応の人員標準と診療報酬が「見える化」されてゆきます。

2011 年 12 月 14 日 平成24年診療報酬・介護報酬改定(121)

社会保障審議会医療部会の「医療提供体制の改革に関する意見(案)」では「2.病院・病床の機能の明確化・強化」について次のように言及しています。
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(1)病床区分のあり方(後述)
(2)特定機能病院のあり方
○ 特定機能病院が担う「高度な医療」とは、今後の高齢社会においては、複数の疾患を持つ複雑性の高い患者への対応が必要となる中で、多分野にわたる総合的な対応能力を有しつつ、かつ専門性の高い医療を提供することになると考えられる。
○ また、特定機能病院は、一般の医療機関では通常提供することが難しい診療を提供する病院として、地域医療の最後の拠り所としての役割を担っていくべきである。
○ 大学病院に外来が集中し、勤務医の疲弊につながっているという指摘がある。また、患者が大病院を選ばざるを得ない現状もあるとの指摘もある。貴重な医療資源の効率的な配分及び勤務医の労働環境への配慮の観点から、特定機能病院の外来診療のあり方を見直す必要がある。
○ 特定機能病院における研究については、論文数等によって評価することとなっているが、その質の担保のためには、更なる評価の観点が必要である。
○ 特定機能病院については、制度発足当初から医療を取り巻く様々な環境が変化している中、以上の指摘を踏まえつつ、その体制、機能を強化する観点から、現行の承認要件や業務報告の内容等について見直しが必要である。
○ 高度な医療の提供を担う特定機能病院としての質を継続的に確保していくため、更新制度を導入する等、特定機能病院に対する評価のあり方を検討する必要がある。
(3)臨床研究中核病院(仮称)の創設
○ 基礎研究、開発段階の臨床研究から市販後の臨床研究までの一連の流れと、そこから新たな基礎研究につながるというイノベーションの循環の中で、医薬品、医療機器等の研究開発を推進し、医療の質の向上につなげていくための拠点として臨床研究中核病院を創設すべきであり、法制上位置づけることなどについて前向きに検討すべきである。
(4)地域医療支援病院のあり方
○ 当初の地域医療支援病院の理念を踏まえ、地域医療支援病院における外来診療のあり方を見直す必要がある。
○ 地域医療支援病院について、地域医療の確保を図る観点から、他の医療機関間との連携のあり方等について評価すべきである。
○ 地域医療支援病院については、以上の点を踏まえつつ、その役割・機能を強化する観点から、現行の承認要件や業務報告の内容等について見直しが必要である。
(5)診療所のあり方
○ 地域で切れ目のない医療・介護の提供が必要とされる中、地域住民の身近にある病床としての有床診療所の役割が大きくなる一方、一般的な診療や在宅医療を提供するものから、特殊な診療科を有し、又は専門性の高い医療を提供するものまで診療所の機能は多様である。医療提供体制における地域での有床診療所及び無床診療所の役割や機能を踏まえその活用を図っていく必要がある。
(6)人員配置標準のあり方
○ 人員配置標準については、疾病構造の変化等今日の医療提供体制に対応したものに見直すことが考えられる一方で、医療が高度化する中で医療の安全を確保するといった観点や勤務医等の労働環境への配慮、外来機能についての診療所との役割分担などを踏まえる必要がある。
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特定機能病院の質の確保、臨床研究中核病院の創設、地域医療支援病院の機能強化、診療所の活用、人員配置基準の見直しなど、医療の充実を指向する意見が並んでいますが、医療を充実すれば医療費が膨張します。
「医療の高度化」「医療安全確保「勤務医等の労働環境」などを配慮した人員配置標準の見直しとは、すなわち人員増のことであり、人件費が更に医療費を膨張させることになります。
医療費を膨張させずにこれらを実現する方策は病院数や病床数を削減するか、病床区分を大胆に見直すしかありません。

2011 年 12 月 13 日 平成24年診療報酬・介護報酬改定(120)

社会保障審議会医療部会の「医療提供体制の改革に関する意見(案)」では「1.地域の実情に応じた医師等確保対策」について次のように言及しています。
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(1)医師等の人材確保
○ 医師の地域間、診療科間の偏在の是正は重要な課題である。このため、都道府県が担う役割を強化し、地域の実情に応じた医師確保体制を構築すべきである。
○ 看護職員の不足も深刻な問題であり、離職防止対策や養成所への補助等により看護職員の確保を図っていくべきである。
○ 病院勤務医の疲弊、女性の医療従事者の増加、看護職員の不足といった現状を踏まえ、負担の大きい医療従事者の労働環境の改善に向けた取組が必要である。
(2)医師等の養成、配置のあり方
○ 実効性のある地域枠の設定や医師の養成過程において診療科を一定程度誘導する等によって、医師の地域間や診療科間の偏在是正を図っていく必要がある。
○ 医療技術の高度化・専門化に伴い、医師の専門分化の傾向が見られるが、高齢化の中で第一線の現場で幅広く診ることのできる医師を確保し、地域の医療と介護をつなぐ役割を果たすため、総合的な診療を行う医師を養成し、専門医との役割分担を行う必要がある。
○ こうした課題への対応として、総合的な診療を行う医師や専門医の養成のあり方について、国において検討を行う必要がある。
(3)医師確保対策のあり方
○ 医師不足地域の医師確保の観点から、キャリア形成支援等を通じて都道府県が地域の医師確保に責任を持って取り組むため、法制化等により、都道府県の役割を明確化すべきである。
○ また、都道府県は、医療圏ごと、診療科ごとの医師の需給の状況を把握した上で、より必要性の高いところに医師を供給するなど、きめ細かい対応を行うことが必要である。
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医師等確保対策における都道府県の役割が強調されています。
「基本的な考え方」では、人口あたり医師数の少なさが言及されていましたが、都道府県では人口あたり医師数を増減することはできません。
人口あたり医師数、看護師数は都道府県差が大きく、全国平均より遥かに多い福岡県には医学部が4校、看護学部が11校(+1校新設予定)もあります。
都道府県内での偏在の解消は都道府県の役割かもしれませんが、全国的な遍在の解消の方向性が見えません。

2011 年 12 月 12 日 平成24年診療報酬・介護報酬改定(119)

先週(12月8日)の社会保障審議会医療部会では「医療提供体制の改革に関する意見(案)」が提示されています。
審議会の意見ですので、厚生労働省はこの意見を踏まえて、医療提供体制の改革に必要な事項について更に所要の検討を進め、医療法等の改正を行うことになります。
意見(案)では、「基本的な考え方」として次のように言及しています。
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○ 我が国の医療提供体制は、戦後、公的病院・民間病院の整備が図られ、50年前に国民皆保険制度を実現して以来、全国民に必要な医療サービスを保障していくため、医療提供体制の一層の充実が図られ、その結果、世界最長の平均寿命を達成するなど、高い保健医療水準を実現してきた。
○ その一方で、急速な少子高齢化の進展、人口・世帯構造や疾病構造の変化、医療技術の高度化、国民の医療に対するニーズの変化など、医療を取り巻く環境は大きく変化している。しかしながら、我が国の医療提供体制は、機能の分化が十分とは言えず、また、必要な医療サービスが不足しているなど、こうした変化に十分に対応できていない。
○ さらに、国際的に見た人口当たりの医師数は少ないなど医療を担う人材の不足や、医師の地域・診療科偏在などが課題とされ、また、救急患者の受入れの問題、地域医療の困窮など様々な課題に直面している。
○ 限りある医療資源の中で、世界に冠たる我が国の医療制度を将来にわたって維持・発展させていくには、現在抱えている様々な課題に取り組みつつ、医療を取り巻く環境の変化に対応した、より効率的で質の高い医療提供体制の構築を目指していく必要がある。
○ 本年6月に取りまとめられた「社会保障・税一体改革成案」においても、医療・介護の分野について、病院・病床機能の分化・強化と連携、地域間・診療科間の偏在の是正、在宅医療の充実等といった改革項目が示され、政府・与党においては、この改革成案に基づき更に検討を進め、その具体化を図ることとされたところである。
○ このような状況の中で、国民が安心で良質な医療を受けることができるよう、①医師等の確保・偏在対策、②病院・病床の機能の明確化・強化、③在宅医療・連携の推進、④医療従事者間の役割分担とチーム医療の推進といった視点から、医療提供体制の機能強化に向けた改革に積極的に取り組んでいくべきである。
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最後の段落が「基本的な考え方」のまとめになりますが、抽象的です。
意見(案)では個別の論点の具体的言及が続きます。

2011 年 12 月 11 日 平成24年診療報酬・介護報酬改定(118)

社会保障審議会医療保険部会の「議論の整理」(12月6日)では、「6.給付の重点化・制度運営の効率化」については次のように整理されています。
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医療費は増大する一方で、厳しい経済情勢を反映し、保険財政は非常に厳しい現状にある。また、今後は、更なる高齢化の進展、医療の高度化、医療提供体制の機能強化等により、医療費が増加することが見込まれている。
このような中、国民の信頼に応え得る高機能で中長期的に持続可能な医療保険制度とするためには、必要な機能の充実は図りつつ、給付の重点化・制度運営の効率化も併せて行っていくことが必要である。
成案においても、このような観点から、重点化・効率化を同時に実施することとされており、受診時定額負担のほか、次のような項目が盛り込まれており、議論を行った。
このほか、行政刷新会議等においても、給付の重点化・制度運営の効率化に関する施策が求められている。
(医薬品の患者負担)
○ 市販医薬品の価格水準を考慮して医薬品の患者負担を見直すとの考え方については、診療報酬体系が複雑化するおそれがあるといった意見や過度な患者負担を求めるべきでないといった意見があった。また、市販医薬品については、消費者が自ら選択して服薬するものであり、医師の処方による医療用医薬品とは性質が異なることや、使用方法が異なるものの負担を比較することは困難であるという意見もあった。
(後発医薬品の使用促進)
○ 平成24年度に後発医薬品のシェアを30%とするとの目標の下に、診療報酬上の評価、患者への情報提供、処方せん様式の変更、医療関係者の信頼性向上のための品質確保など、総合的な使用促進を図る。
○ 行政刷新会議の「政策提言型仕分け」において出された、先発品と後発品の差額の一部を患者負担とするとの考え方については、過度な患者負担を求めるべきでないといった意見があった。
(入院時の食費・居住費)
○ 入院時の食費・居住費については、①入院時の食事管理は治療の一環であり、通常の食事とは区別して考えるべき、②居住費の負担が入院前の住居との二重の負担にならないようにすべき、等の理由から、見直しに慎重な意見が大勢を占めた。なお、一部の委員からは、事業仕分けの考え方に基づき見直しを進めるべきとの意見もあった。
(現金給付(傷病手当金)の見直し)
○ 傷病手当金について、不正請求防止の観点等から、①支給上限額の設定や、②標準報酬の平均額に基づき支給額を決定すべきとの意見があったが、これらについては、保険料負担に応じた給付という傷病手当金の基本的な考え方や実務のコストの面から問題との意見があった。
○ また、不正請求の防止に加え、保険者機能の強化の観点から、事業主への質問・調査権限の法律上の明確化を検討すべきである。
(生活習慣病予防)
○ 特定健診・保健指導について、「保険者による健診・保健指導等に関する検討会」での議論や制度導入からこれまでの実績を踏まえ、その在り方を検討し、引き続き生活習慣病を予防する取組を推進する。
(ICT利活用の推進、レセプト審査の質の向上・業務の効率化)
○ 本年4月に電子レセプトによる請求が原則化されたが、今後もレセプト電子化が猶予されている医療機関について電子レセプトへの移行を勧奨するなど、更なるレセプトの電子化を推進することにより、レセプト審査の質の向上・業務の効率化を図る。
(保険者による適正受診の勧奨等の保険者機能の発揮)
○ 保険者による被保険者に対する受診勧奨や頻回・重複受診への指導、重症化予防などの取組など保険者機能の発揮による制度運営の効率化等を推進する。
(療養費の見直し)
○ 柔道整復等の療養費について、審査体制の強化などその適正な支給を求める意見が多かったこと、会計検査院等からも指摘を受けていること、療養費は国民医療費の伸びを近年上回って増加している現状などを踏まえ、平成24年療養費改定において適正化するとともに、関係者による検討会を設け、中・長期的な視点に立って、柔道整復療養費等の在り方の見直しを行う。
(医療費適正化計画)
○ 以上の取組のほか、国及び都道府県は、特定健診・保健指導の実施による国民の健康の保持の推進と平均在院日数の短縮等による医療の効率的な提供の推進を柱とする医療費適正化計画を策定し、医療費の適正化を図っている。このうち、医療の効率的な提供の推進については、療養病床に係る目標を凍結したことや、成案において新たな医療提供体制の方向性が示されたことも踏まえ、平成25年度からの新たな計画期間における目標の在り方等を検討し、引き続き医療費の適正化を推進する。
(国保組合の補助率の見直し)
○ 3大臣合意(平成22年12月17日、国家戦略担当大臣・財務大臣・厚生労働大臣)を踏まえ、保険者間の公平を確保する観点から、所得水準の高い国民健康保険組合(以下「国保組合」という。)に対する国庫補助の見直しを行う。
○ なお、所得水準の高い国保組合についても、国庫補助を完全に廃止することは財政運営への影響が大きい、国庫補助を廃止した場合には、保険料の上昇により加入者が脱退し、国保組合の解散等の可能性もあることから財政影響について精査する必要がある、という意見もあった。
以上のほか、短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大、産休期間中の保険料免除といった年金改革とともに進めていくべき課題もある。当部会として意見の隔たりがあった点もあるが、社会保障・税一体改革は喫緊の課題であり、厚生労働省においては、当部会における種々の意見に十分に留意しつつ、改革を進められたい。
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医薬品の患者負担の見直し、後発医薬品の使用促進、入院時の食費・居住費の見直し、現金給付(傷病手当金)の見直し、生活習慣病予防、ICT利活用の推進、レセプト審査の質の向上・業務の効率化、保険者による適正受診の勧奨等の保険者機能の発揮、柔道整復等の療養費の見直し、医療費適正化計画、国保組合の補助率の見直し・・・と、様々な具体策が列挙されていますが、具体策の中に、医療機関の経営人材の資質の向上が挙がっていません。
制度運営の効率化のためには当事者たちが「効率的に」業務をこなすことが大前提であり、それなしに制度をあれこれ改変したところで効率的ではありません。

2011 年 12 月 10 日 平成24年診療報酬・介護報酬改定(117)

社会保障審議会医療保険部会の「議論の整理」(12月6日)では、「5.協会けんぽの財政健全化の取組」については次のように整理されています。
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協会けんぽについては、リーマンショックによる被保険者の報酬の下落等による財政悪化を受け、平成24年度末までの間、被用者保険における後期高齢者支援金の3分の1を、総報酬割とするとともに、国庫負担割合を13%から16.4%に引き上げる等の特例措置を講じている。
しかしながら、平成21年度から3年連続で保険料率が上昇しており、平成24年度には10%を超える見込みであり、健保組合との保険料率の乖離が急速に拡大している。
○ 協会けんぽの財政悪化が進む中、被用者保険における後期高齢者支援金の全面総報酬割を早急に実施するとともに、協会けんぽへの国庫負担割合を健康保険法本則に規定された上限割合である20%に引き上げるべきとの意見があった。
○ 他方、総報酬割の拡大は、前期高齢者の財政調整への公費投入とあわせて行うべきである、協会けんぽと健保組合との所得格差に起因する保険料率の格差の是正のための財源は、健保組合等に肩代わりさせるべきではないとの意見があった。
○ 協会けんぽの財政運営は、単年度の収支ではなく複数年度で均衡させる中期財政運営の考え方を導入すべきとの意見があった。
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協会けんぽの財政危機は過去最悪の赤字に苦しんでいる健保組合より更に深刻です。
保険料率の10%突破が必然の情勢ですが、折半負担義務がある企業にとっては保険料率の上昇は税率の上昇と同じことであり、企業の経済活力を損ないます。