平成11年から平成20年にかけての「患者調査」受療率の変化は、傷病ごとに傾向は異なるものの、全体では、外来受療率はほとんど横這いで、入院受療率は7%低下しています。
一般産業に置き換えると、1件あたり購買額が高い顧客層が7%も減少していることになります。
診療報酬はこの9年間、マイナス改定でしたが、この間の「医療費」(=医療機関の収入)の変化は次の通りです。(単位:兆円)
なお、「医療費」には、介護保険制度発足(平成12年4月)以前は、下記以外に老人保健施設や訪問看護ステーションへの配分(平成11年で約1兆円)も算定されていましたので、総医療費の変化(30兆円→34兆円)の分析には介護費の動向も配慮する必要があります。
病 院 一般診療所 歯科診療所 保険薬局
平成11年 17.0 7.2 2.4 2.4
平成20年 18.1 8.0 2.5 5.4
増率 6% 11% 2% 127%
この間、商品単価(診療報酬)が抑えられ、顧客が減少しているのに、それぞれ収入が増加しているのは、取扱商品が高級化(医療サービスの高度化)しているためです。
高級化に対応するため、従業員数を増やしてサービスの質を上げています。
医療施設従事者数の変化は次の通りです。(単位:万人)
病 院 一般診療所 歯科診療所
平成11年 162 75 32
平成20年 177 70 30
増率 9% -7% -5%
病院は収入の伸びより従事者数の伸びが大きいので収益性の悪化が窺えますが、労働環境(労働負荷)は改善しているといえるでしょう。
診療所は、従事者数を減らして収入を増やしていますが、外来受療率が横這いで診療内容が高度化しているにかかわらず従事者数が減っていますので、労働負荷は大きくなってきていると思われます。