死亡届が提出されずにいる高齢死亡者のニュースが相次いでいます。
死亡届については戸籍法が根拠法です。
死亡届は戸籍削除のための重要な手順です。
この手順が守られないと、戸籍制度に基づく数多くの法規範の根幹が揺らいでしまいます。
死亡の届出は、届出義務者が、死亡の事実を知った日から7日以内(国外での死亡は3か月以内)に行わなければなりません(第86条)。
死亡届には、死亡診断書あるいは死体検案書を添付しなければなりませんので、死亡の事実がないのに届け出ることはできません。
やむを得ず診断書や検案書が得られない場合は、死亡の事実を証明する書面が必要です。
なお、死亡届が受理されない限り市町村長は埋葬、火葬の許可が出せません(墓地、埋葬等に関する法律第5条)ので、死亡届出義務は、通常、遵守されています。
届出義務者は次の順です(第87条)。
第一 同居の親族
第二 その他の同居者
第三 家主、地主又は家屋若しくは土地の管理人
実際は、順序にかかわらず届け出ができますし、同居の親族以外の親族、後見人、保佐人、補助人及び任意後見人も届け出ができますが、誰も届け出をしないということになると、上の順に届出義務違反が問われることになります。
独居老人の場合は、家主、地主、管理人に届出義務があります。
行き倒れなど身元不明者の場合は、警察官が、死亡地の市町村長に死亡の報告をします(第92条)。
身元不明者は失踪届が出されていることもあり、失踪届と照合して身元が判明したら、戸籍から削除されます。
高齢者の失踪が長期に及んだ場合、死亡とみなして戸籍から削除する場合もあります。
「100歳以上の高齢者については、その者の所在が不明で、かつ、その生死及び所在につき調査の資料を求める事ができない場合に限り、戸籍謄本及びその附票の写しのみによって、職権消除の許可をすることができる。」(法務省民事甲第163号回答(s32.1.31) )
「戸籍の附票に住所の記載の無い90歳以上の者で生存の見込みの無いものについては、関係者から戸籍消除の申し出があった場合、監督局長の許可を得て、死亡を原因として除籍して差し支えない。」(法務省民事甲第1358号通達(s32.8.1) )
失踪にかかわらず届け出をしない場合や、戸籍削除の申し出がない場合は、戸籍上は生存していることになります。