‘診療報酬改定’ カテゴリーのアーカイブ

平成22年度診療報酬改定(47・最終)

2010 年 3 月 31 日 水曜日

明日から新しい診療報酬が適用されます。

まだ本稿で解説していない改定は、効率化余地がある項目の見直しに関することと、政治的背景があるいくつかの項目です。

(後発医薬品の使用推進)

1.薬局の調剤基本料における後発医薬品調剤体制加算の見直し

調剤基本料の後発医薬品調剤体制加算の要件(処方せんベースでの後発医薬品の調剤率30%以上40円)が変更となり、数量ベースでの後発医薬品の使用割合に応じた段階的な加算(20%以上60円、25%以上130円、30%以上170円)が適用されます。

2.薬局における含量違い又は類似した別剤形の後発医薬品への変更調剤

「後発医薬品への変更不可」欄に署名等のない処方せんを受け付けた薬局において、変更調剤後の薬剤料が変更前と同額又はそれ以下であり、かつ、患者に説明し同意を得ることを条件に、処方医に改めて確認することなく、処方せんに記載された先発医薬品又は後発医薬品と含量規格が異なる後発医薬品の調剤が認められます。

ただし、薬局において含量規格が異なる後発医薬品又は類似した別剤形の後発医薬品への変更調剤を行った場合には、調剤した薬剤の銘柄、含量規格、剤形等について、当該処方せんを発行した医療機関に情報提供することとなります。

3.医療機関における後発医薬品を積極的に使用する体制の評価

薬剤部門が後発医薬品の品質、安全性、安定供給体制等の情報を収集・評価し、その結果を踏まえ院内の薬事委員会等で採用を決定する体制を整えるとともに、後発医薬品の採用品目数の割合が20%以上の医療機関について、薬剤料を包括外で算定している入院患者に対する入院基本料の加算が後発医薬品使用体制加算300円(入院初日)として新設されます。

(検体検査実施料の適正化)

衛生検査所等調査より得られた検体検査実施における実勢価格に基づき、保険償還価格と実勢価格の乖離が大きい検査について検査実施料が適正化されます。

(エックス線撮影料の引き下げ)

デジタル映像化処理加算が廃止され、電子画像管理加算が引き下げられます。

代わりにデジタルエックス線撮影料が新設されてデジタル撮影とアナログ撮影との区別が明確化されますが、いずれの撮影も実質的引き下げとなります。

(コンピューター断層撮影診断料の見直し)

CT及びMRIについては、新たな機器の開発や新たな撮影法の登場などの技術の進歩が著しく、使用機器の診断性能に見合った評価がなされていないとの指摘があります。

実態を踏まえ、画像撮影の評価体系が見直されます。

具体的には、16列以上のマルチスライス型CTによる撮影の評価の新設、1.5テスラ以上のMRIによる撮影の評価の引き上げ、CT及びMRIの2回目以降の撮影料についての見直しが行われます。

(内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術等の評価の見直し)

腫瘍の良悪性に基づく従来の評価から、ポリープの大きさ又は切除範囲による区分へ変更が行われます。

また、内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術と内視鏡的大腸ポリープ切除術の算定要件が明確化されます。

(医療機器の価格等に基づく検査及び処置の適正化)

生体検査や処置について、使用する機器の価格や検査に要する時間等のデータに基づき、評価の適正化が行われます。

具体的には、眼科学的検査、耳鼻科学的検査、内視鏡検査、皮膚科処置のポピュラーな項目が引き下げされます。

該当の診療科には打撃です。

(後期高齢者医療の診療報酬の見直し)

75歳以上という年齢に着目した診療報酬体系については、後期高齢者医療制度本体の見直しに先行して廃止されます。

診療報酬体系において「後期高齢者」という名称が削除されるとともに、各項目の趣旨・目的を踏まえた見直しが行われ、原則として対象者が全年齢に拡大されます。

1.対象者を全年齢に拡大する項目

後期高齢者特定入院基本料

薬剤情報提供料の後期高齢者手帳記載加算

後期高齢者退院時薬剤情報提供料

後期高齢者処置及び後期高齢者精神病棟等処置料

後期高齢者在宅療養口腔機能管理料(歯科診療報酬)

後期高齢者薬剤服用歴管理指導料(調剤報酬)

2.特に議論のあった項目

(1) 後期高齢者診療料、後期高齢者外来患者緊急入院診療加算、後期高齢者外来継続指導料

重複疾患を有しやすい等の後期高齢者の特性に配慮し、心身全体の管理を行う担当医の評価を行ったものでしたが、こうした取組は高齢者に限って行われるべきものでないことから、廃止されます。

ただし、機能が重複している生活習慣病管理料について、年齢要件が廃止され、全年齢が対象となります。

 (2) 後期高齢者終末期相談支援料、後期高齢者終末期相談支援加算

終末期に関する医療従事者との話し合いについての評価でしたが、廃止されます。

3.例外的な見直しを行う項目

(1) 診療所後期高齢者医療管理料

有床診療所における初期加算の新設、医師配置加算の見直し、入院基本料等加算の拡充に伴い、廃止されます。

 (2) 後期高齢者退院時栄養・食事管理指導料

新設の栄養サポートチーム加算において、低栄養の高齢者に対する栄養管理の評価を含んでいることから、廃止されます。

 (3) 後期高齢者総合評価加算

病状の安定が見込まれた後できるだけ早期に、基本的な日常生活能力、認知機能、意欲等について総合的な機能評価を行うことを評価した加算です。

名称から「後期高齢者」を削除し、評価の内容に、退院後を見越した介護保険によるサービスの必要性等を位置付け、対象者が65歳以上の患者等に拡大されます。

 (4) 後期高齢者退院調整加算

急性期治療を受け、病状の安定が見込まれた患者について、必要に応じて医療と介護が切れ目なく提供されるよう、介護保険サービスの活用も含めて支援する観点から、名称から「後期高齢者」を削除し、対象者が65歳以上の患者等に拡大されます。

平成22年度診療報酬改定(46)

2010 年 3 月 30 日 火曜日

調剤料についての改定です。

1.一包化薬調剤料及び内服薬調剤料の見直し

一包化(服用時点ごとに一包化薬として調剤すること)については、現行の一包化薬調剤料890円を廃止し、内服薬調剤料の加算として整理(56日分以下の場合、投与週数×300円、57日分以上の場合2700円)されます。

内服薬調剤料は、投与日数が15日分以上の場合の評価が引き上げられ、31日分以上の区分が新設されます。

長期投薬時における一包化薬調剤料と内服薬調剤料の差を縮めるための改定です。

2.湯薬の調剤料の見直し

投与日数にかかわらず1調剤当たりの評価とされている湯薬の調剤料について、投与日数の伸びとそれに伴う調剤に要する手間にかんがみ、8日分から28日分までを投与日数に応じて1日につき100円の加算が新設されます。

なお、29日分以上は定額4000円です。

3.ハイリスク薬に関する薬学的管理及び指導の充実

特に安全管理が必要な医薬品(ハイリスク薬)が処方された患者に対して、当該ハイリスク薬の効果や関連副作用の自覚症状の有無等を確認するとともに、服用に際しての注意事項等について詳細に説明し、指導を行った場合、薬剤服用歴管理指導料に40円の加算が新設されます。

特に安全管理が必要な医薬品とは、抗悪性腫瘍剤、免疫抑制剤、不整脈用剤、抗てんかん剤、血液凝固阻止剤、ジギタリス製剤、テオフィリン製剤、カリウム製剤(注射薬に限る。)、精神神経用剤、糖尿病用剤、膵臓ホルモン剤及び抗HIV薬です。

4.調剤基本料の特例の見直し

処方せんの受付回数が4000回超/月、かつ、特定の保険医療機関に係る処方せんによる調剤の割合が70%超の場合には調剤基本料が400円ではなく180円でしたが、夜間・休日等の対応や訪問薬剤管理指導を行い、地域医療を支える薬局であっても、近隣に比較的規模の大きい病院が1つしかないために、結果として特例適用となる場合があるため、特例が240円に引き上げられます。

また、時間外加算、休日加算、深夜加算、夜間・休日等加算、在宅患者訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急時等共同指導料並びに介護保険における居宅療養管理指導費及び介護予防居宅療養管理指導費の算定に係る処方せんについては、受付回数に含めないこととされます。

5.後期高齢者薬剤服用歴管理指導料の見直し

現行の後期高齢者薬剤服用歴管理指導料については、後期高齢者以外の患者における薬剤服用歴管理指導料(患者の薬歴を踏まえた上での薬剤に関する基本的な説明と服薬指導に対する評価)と薬剤情報提供料(「お薬手帳」に薬剤情報や注意事項を記載することに対する評価)を統合した評価となっていますが、これを見直し、年齢に関係なく、薬剤服用歴管理指導料と薬剤情報提供料による評価に統一されます。

平成22年度診療報酬改定(45)

2010 年 3 月 29 日 月曜日

在宅歯科医療の推進についての改訂です。

1.歯科訪問診療料の評価体系の簡素化

同一の建物に居住する1人の患者か複数の患者か、診療が20分以上か否か、を尺度にした体系に見直されます。

2.周辺装置加算及び在宅患者等急性歯科疾患対応加算の見直し

歯科訪問診療を行う際には必要な機器等が常時携行されている実態を踏まえ、周辺装置加算が廃止され、在宅患者等急性歯科疾患対応加算に統合されます。

3.後期高齢者在宅療養口腔機能管理料の廃止及び歯科疾患在宅療養管理料の新設

後期高齢者在宅療養口腔機能管理料(月1回1800円)が廃止され、歯科疾患在宅療養管理料(月1回1400円+口腔機能管理加算500円、在宅療養支援歯科診療所でない場合は1300円)が新設されます。

4.在宅歯科医療におけるその他の医学管理等の評価の見直し

歯科衛生士による訪問歯科衛生指導料が引き上げ(複雑なもの3500円→3600円、簡単なもの1000円→1200円)られます。

また、全身的な基礎疾患を有する外来患者の歯科治療を行うに当たって、別の医科医療機関の当該患者の担当医からの診療情報提供に基づいて行う医療管理を評価している歯科治療総合医療管理料については、在宅歯科医療においても算定できるようになります。

平成22年度診療報酬改定(44)

2010 年 3 月 28 日 日曜日

訪問看護の推進についての改訂です。

1.末期の悪性腫瘍等の利用者に対し、同月に訪問看護療養費を算定できる訪問看護ステーション数が3箇所までに拡大されます。

算定要件は、週7日の指定訪問看護が計画されていることです。

また、特別訪問看護指示書の交付を受けている利用者に対し、同月に訪問看護療養費を算定できる訪問看護ステーション数が2箇所までに拡大されます。

算定要件は、週4日以上の指定訪問看護が計画されていることです。

制限緩和は、小規模な訪問看護ステーションが多く、利用者のニーズに対応できない場合があるためです。

2.安全管理体制の整備を要件とした上で、訪問看護管理療養費の評価が引き上げられます。

算定要件は、安全管理に関する基本的な考え方、事故発生時の対応方法等が文書化されていること、訪問先等で発生した事故、インシデント等が報告され、その分析を通した改善策が実施される体制が整備されていることです。

3.乳幼児等への訪問看護の推進

6歳未満の乳幼児等の在宅患者等への訪問看護の評価が乳幼児加算、幼児加算として新設されます。

4.訪問看護におけるターミナルケアに係る評価の見直し

在宅患者の看取りについて、死期が迫った患者やその家族の不安、病状の急激な変化等に対して、頻回にわたる電話での対応や訪問看護を実施しターミナルケアを行っている場合には、保険医療機関に搬送された場合(ターミナルケアを行った後、医療機関に搬送され24時間以内に死亡した場合)においても、訪問看護ターミナルケア療養費2万円、在宅患者訪問看護・指導料在宅ターミナルケア加算2万円、居住系施設入居者等訪問看護・指導料居住系施設等ターミナルケア加算2万円が算定できるようになります。

5.重度の褥瘡(真皮を越える褥瘡の状態)のある者が重症者管理加算および在宅移行管理加算の対象に加わります。

6.末期の悪性腫瘍等の対象となる利用者に対して、看護職員が同時に複数の看護職員(訪問看護療養費においては保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士)と指定訪問看護を行う場合について、複数名訪問看護加算が新設されます。

複数名訪問看護加算(週1回)

訪問看護療養費、在宅患者訪問看護・指導料、同一建物居住者訪問看護・指導料への加算

看護師等4300円

准看護師3800円

算定要件は次の通りです。

(1) 看護職員が、同時に複数の看護職員と指定訪問看護を行うことについて、患者又はその家族等に対してその必要性を説明し、同意を得ている場合であること。

 (2) 対象となる患者は次のいずれかであり、一人での看護職員による指定訪問看護が困難である場合。

① 末期の悪性腫瘍等の者

② 特別訪問看護指示期間中であって、指定訪問看護を受けている者

③ 特別な管理を必要とする者

④ 暴力行為、著しい迷惑行為、器物破損行為等が認められる者

平成22年度診療報酬改定(43)

2010 年 3 月 27 日 土曜日

訪問診療の評価についての改定です。

1.往診料の評価の引き上げ

症状が増悪した緊急時の対応など、在宅医療を行うために居宅へ赴いて診療を行うことを評価した往診料が6500円から7200円に引き上げられます。

なお、定期的又は計画的に対診を行った場合については往診料を算定できないことが明確化されます。

2.在宅ターミナルケア加算の要件緩和

死亡に至るまでの間、在宅において手厚いターミナルケアが提供された場合は、在宅以外で死亡した場合(往診又は訪問診療を行った後24時間以内に在宅以外で死亡した場合)であっても在宅ターミナルケア加算が算定可能となります。

3.乳幼児加算の新設

在宅患者訪問診療料及び退院前在宅療養指導管理料に乳幼児加算2千円が新設されます。

平成22年度診療報酬改定(42)

2010 年 3 月 26 日 金曜日

在宅医療を提供する医療機関の充実についての改定です。

1.在宅移行早期加算の新設

入院から在宅医療への移行を希望する患者が円滑に在宅医療に移行できるよう、在宅時医学総合管理料、特定施設入居時等医学総合管理料に在宅移行早期加算1000円(月1回)が新設されます。

算定要件は次の通りです。

(1) 在宅時医学総合管理料又は特定施設入居時等医学総合管理料を算定していること。

(2) 入院医療から在宅医療に移行した後、在宅時医学総合管理料又は特定施設入居時等医学総合管理料を算定し始めてから3月以内の患者であること。

(3) 患者1人につき3回に限る。また在宅医療に移行後1年以降は算定できない。

2.複数医療機関の在宅療養指導管理料の評価

在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院から紹介を受けた他医療機関の医師が、当該在宅療養支援診療所等が実施しているものとは異なる在宅療養指導管理を行った場合、初月に限り在宅療養指導料を算定できるようになります。

3.在宅療養支援病院の要件緩和

在宅療養支援病院について、200床未満の病院であれば要件を満たしやすくなります。

平成22年度診療報酬改定(41)

2010 年 3 月 25 日 木曜日

回復期リハビリテーションの質の向上の観点での改定です。

1.充実したリハビリテーションを行う回復期リハビリテーション病棟の評価について

・集中的なリハビリテーションを提供する観点から、回復期リハビリテーション病棟入院料を算定する病棟において提供すべきリハビリテーションの単位数の基準が設けられます。

・多くの重症患者を受け入れている回復期リハビリテーション病棟(施設基準の見直しにより新たに定義)の入院料が引き上げられます。

・土日を含めいつでもリハビリテーションを提供できる体制をとる病棟に、休日リハビリテーション提供体制加算600円(1日につき)が新設されます。

・集中的にリハビリテーションを行う病棟にリハビリテーション充実加算400円(1日につき)が新設されます。

算定要件は、回復期リハビリテーションを要する状態の患者に対し、1人1日あたり6単位以上のリハビリテーションが行われていることです。

・発症早期からのリハビリテーションの提供を推進するため、急性期病棟において1日6単位以上の充実したリハビリテーションが提供された日数については、発症から回復期リハビリテーション病棟入棟までの定められた期間から除外されます。

2.亜急性期病棟におけるリハビリテーションの評価について

亜急性期病棟においても、急性期後の患者や急性増悪した在宅患者を受け入れ、密度の高い医療と急性期後のリハビリテーションを提供していることを評価し、リハビリテーション提供体制加算500円(1日につき)が新設されます。

算定要件は、リハビリテーションを必要とする患者に対し、週平均16単位以上の疾患別リハビリテーションが提供されていることです。

リハビリテーション提供体制加算を算定している患者については、疾患別リハビリテーション料の算定日数の上限の除外対象者となります。

合併症を有するリハビリテーションを必要とする患者を多く受け入れている場合や、他の急性期の入院医療を担う医療機関からの受け入れが多い場合については、亜急性期入院医療管理料の病床数割合の要件が緩和されます。

3.難病患者リハビリテーションの評価

難病患者リハビリテーションについて、難病リハビリテーション料が、療養上必要な食事を提供した場合も包括され、1日につき6千円から6400円に引き上げられます。

短期集中リハビリテーション実施加算(1日につき、退院後1月以内2800円、1月を超え3月以内1400円)が新設されます。

精神科デイ・ケア、重度認知症患者デイ・ケア等についても同様の見直しが行われます。

平成22年度診療報酬改定(40)

2010 年 3 月 24 日 水曜日

回復期リハビリテーション等の推進についての改定です。

各疾患の特性を踏まえた発症早期からの集中的なリハビリテーションが予後の向上に寄与します。

1.疾患別リハビリテーションの充実

・脳血管疾患等リハビリテーションの評価が引き上げられます。

また、廃用症候群に対するリハビリテーションについての評価が新設されます。

・運動器リハビリテーションについて、より充実した人員配置を評価した新たな区分が新設されます。

・心大血管疾患リハビリテーションについては、その実施が可能な施設が少ないことから、施設基準の見直しが行われます。

 [旧施設基準]

届出保険医療機関(循環器科又は心臓血管外科を標榜するものに限る。)において、循環器科又は心臓血管外科の医師が常時勤務しており、心大血管疾患リハビリテーションの経験を有する専任の常勤医師が1名以上勤務していること。

 [新施設基準]

届出保険医療機関(循環器科又は心臓血管外科を標榜するものに限る。)において、循環器科又は心臓血管外科の医師が心大血管疾患リハビリテーションを実施している時間帯において常時勤務しており、心大血管疾患リハビリテーションの経験を有する専任の常勤医師が1名以上勤務していること。なお、心大血管疾患リハビリテーションが行われていない時間については、患者の急変等に対応できる体制を備えていること。

2.発症早期からのリハビリテーションの充実

・早期リハビリテーション加算が1単位につき300円から450円へ引き上げられます。

3.維持期のリハビリテーションについて

維持期のリハビリテーションについては、平成21年度の介護報酬改定において充実が図られています。

診療報酬改定においては、介護サービスとしてのリハビリテーションを提供することが適切と考えられる患者に対して介護サービスに係る情報を提供することを要件として、維持期における月13単位までのリハビリテーションの提供が継続されます。

平成22年度診療報酬改定(39)

2010 年 3 月 23 日 火曜日

急性期入院医療の改善のための改定についてです。

1.看護必要度の評価

地域において急性期を担う医療機関において、入院患者の重症度等の状態について評価を行い実情に合わせた適正な配置を行っている病院を評価し、一般病棟看護必要度評価加算50円(1日につき)が新設されます。

算定要件は次の通りです。

① 一般病棟入院基本料、特定機能病院入院基本料(一般病棟)、専門病院入院基本料の10対1入院基本料を算定している患者であること。

② 当該入院基本料を算定している全ての患者の状態を一般病棟用の重症度・看護必要度に係る評価票を用い継続的に測定を行い、その結果に基づき評価を行っていること。

2.検体検査評価の充実

特定機能病院等の大規模病院において、より充実した体制で検体検査を実施する場合の評価を検体検査管理加算(Ⅳ)5千円(入院中の患者1人につき月1回)が新設されます。

施設基準は次の通りです。

① 院内検査を行っている病院又は診療所であること。

② 当該保険医療機関内に臨床検査を専ら担当する常勤の医師が配置されていること。

③ 当該保険医療機関内に常勤の臨床検査技師が10名以上配置されていること。

④ 当該検体検査管理を行うにつき十分な体制が整備されていること。

また、外来迅速検体検査管理加算も50円から100円へ引き上げられます。

3.安全な麻酔管理体制の評価

特定機能病院等の大規模な病院において、複数の麻酔科標榜医により麻酔の安全管理体制が整えられている医療機関において、麻酔科標榜医の監督下で質の高い麻酔が提供されることが評価され、麻酔管理料(Ⅱ)が新設されます。

麻酔管理料(Ⅱ)

硬膜外麻酔又は脊椎麻酔千円(1人につき1回)

全身麻酔3千円(1人につき1回)

施設基準は、5人以上の常勤の麻酔科標榜医により麻酔の安全管理体制が確保されていることです。

4.医療療養病棟の評価に係る見直し

急性期医療に引き続き入院医療を提供する療養病棟について、より質の高い医療を評価する観点から、療養病棟入院基本料が再編成されます。

医療療養病棟における入院患者の重症化傾向等を考慮して人員配置の要件を見直すとともに、医療経済実態調査の結果等を踏まえて療養病棟入院基本料の適正化(重症度に応じた人員配置の場合は引き上げ、そうでない場合は引き下げ)が行われます。

また、慢性期包括医療の質を向上させる取組を推進するため、患者の病像や提供されている医療サービスに関するデータの提出が算定要件となります。

平成22年度診療報酬改定(38)

2010 年 3 月 22 日 月曜日

質が高く効率的な急性期入院医療の推進についての改正です。

急性期入院医療の質の向上と効率化については診断群分類包括評価(DPC:Diagnosis Procedure Combination)という入院医療費の定額支払い制度が政策的に推進されています。

DPCは、患者が何の病気であったか(診断群分類)によって診療報酬が決まる制度です。

医療行為ごとの診療報酬を積み上げる出来高払い方式では、回復への最短治療を行えば報酬が減り、回復を長引かせれば報酬が増えます。

定額支払い制度では、回復への最短治療を行えば利益が発生し、回復を長引かせれば損失が発生しますので、医療機関は最短治療を強く志向するようになり、医療の効率化が推進されます。

また、患者の属性・病態や診療行為ごとの医療費情報が標準化されるため、医療の質の評価・比較が可能となり、医療の質の向上も推進されます。

DPCにおける診療総報酬額は、診断群分類による包括評価(診断群分類ごとの1日当たり報酬×医療機関別係数×入院日数)と包括評価対象外診療の出来高評価と入院時食事療養費の合計です。

医療機関別係数は機能評価係数(入院基本料等加算の一部を係数化したもの)と調整係数(個々の病院の支払額調査に基づいて決定するもの)とで構成されます。

今回の改定においては、入院基本料の引上げなど急性期医療の更なる評価について、DPCにおいても、診断群分類包括評価に反映されます。

また、新たな機能評価係数が導入されます。

今回導入される新たな機能評価係数は次の通りです。

〔項目1〕「データ提出指数」(正確なデータ提出に係る評価)

以下の場合、当該係数が減算されます。

① データ提出の遅滞

② 部位不明・詳細不明のコード使用割合が 40%以上

〔項目2〕「効率性指数」 (効率化に対する評価)

〔項目3〕「複雑性指数」 (複雑性指数による評価)

〔項目4〕「カバー率指数」(診断群分類のカバー率による評価)

〔項目5〕「地域医療指数」(地域医療への貢献に係る評価)

以下の各項目の総ポイント数(0~7ポイント)で評価されます。

①脳卒中地域連携

②がん地域連携

③地域がん登録

④医療計画上定められている二次救急医療機関であって病院群輪番制への参加施設、拠点型又は共同利用型の施設、若しくは救急救命センター

⑤DMAT(災害派遣医療チーム)指定

⑥へき地医療拠点病院の指定又は社会医療法人認可におけるへき地医療の要件を満たしている

⑦総合周産期母子医療センター又は地域周産期母子医療センター

〔項目6〕「救急医療係数」(救急医療の入院初期診療に係る評価)

平成22年度診療報酬改定(37)

2010 年 3 月 21 日 日曜日

在宅における専門医療の評価についての改定です。

医療技術の進歩により、在宅で実施可能な医療の分野が拡大しています。

1.在宅における血液透析の評価の引き上げ

(1) 在宅血液透析指導管理料の評価の引き上げ

在宅血液透析指導管理料が次のように改変され、引き上げられます。

(1月につき)3万8千円、2回目以降(月2回まで。初回算定から2月までの間は4回まで)2万円

→(1月につき)8万円、2回目以降(初回算定から2月までの間、月2回まで)2万円

初回算定月から2月は月計5回分で最大11万8千円を算定できていますが、改定後は計3回分で最大12万円となります。

3月目以降は月計3回分で最大7万8千円を算定できていますが、改定後は回数に関係なく月8万円です。

また、透析液供給装置加算は(1月につき)8万円が10万円へ引き上げられます。

 (2) 医療機関における透析との併算定要件の見直し

在宅において透析を実施している患者が、症状の増悪や透析効率の低下によって当該医療機関において血液透析や腹膜灌流を行われた場合、その手技料が算定できるようになります。

2.在宅における難治性皮膚疾患管理の評価

頻回の皮膚処置が必要な患者(表皮水疱症患者)について、状態に応じた適切な医療材料の選択や在宅における管理の指導を行う在宅難治性皮膚疾患処置指導管理料5千円が新設されます。

平成22年度診療報酬改定(36)

2010 年 3 月 20 日 土曜日

透析医療(人工腎臓)の適正な評価についての改定です。

透析医療は国民医療費増加要因のひとつです。

1.人工腎臓の評価体系について

人工腎臓の際の透析液等の薬剤費は、入院では出来高評価、入院外では包括評価と異なる算定となっています。

全身状態が比較的安定している患者に対して行う慢性維持透析においては、入院と外来では同等の医療が提供されていると考えられますので、入院で行う慢性維持透析についても包括評価に変更されます。

急性腎不全等に対して実施する人工腎臓については出来高評価が継続されます。

なお、低価格薬剤の使用への置換が進んでいる現状を踏まえ、評価は引き下げられます。

人工腎臓(1日につき)

包括評価(慢性維持透析の場合)

イ 4時間未満の場合 21170円→20750円

ロ 4時間以上5時間未満の場合 22670円→22350円

ハ 5時間以上の場合 23970円→23700円

その他の場合 15900円→15800円

2.透析液の水質管理について

人工腎臓における合併症防止の観点から、使用する透析液についてより厳しい水質基準が求められています。

こうした基準を満たした透析液を使用していることに対し、透析液水質確保加算100円(1日につき)が新設されます。

算定要件は次の通りです。

① 月1回以上水質検査を実施し、関連学会の定める「透析液水質基準」を満たした透析液を常に使用していること。

② 専任の透析液安全管理者1名(医師又は臨床工学技士)を配置していること。

③ 透析機器安全管理委員会を設置していること。

平成22年度診療報酬改定(35)

2010 年 3 月 19 日 金曜日

医療安全対策の推進についての改定です。

1.医療安全対策加算の充実

医療安全対策については、医療の高度化、複雑化、患者の高まるニーズに対応するため、医療安全対策加算500円(入院初日)が、医療安全対策に係る適切な研修を修了した専任の看護師、薬剤師その他の医療有資格者が配置されていることなどを算定要件として850円に引き上げられます。

また、より多くの病院において医療安全対策を推進する観点から、要件を緩和した評価(350円)が新設されます。

感染症の専門的な知識を有する医療関係職種から構成されるチームによる病棟回診や、抗生剤の適正使用の指導・管理等の感染防止対策の取組に対しては、感染防止対策加算1000円(入院初日)が新設されます。

2.医薬品安全性情報等の管理体制の充実

医療機関における医薬品安全性情報等の管理体制の更なる充実を図るため、医薬品情報管理室において更に質の高い医薬品安全性情報等の管理を行っている場合に、医薬品安全性情報等管理体制加算500円(薬剤管理指導料の初回算定時)が新設されます。

3.医療機器安全管理料の充実

医療機器の安全使用を推進するため、医療機器安全管理料が引き上げられます。

医療機器安全管理料1 500円→1000円

医療機器安全管理料2 10000円→11000円

平成22年度診療報酬改定(34)

2010 年 3 月 18 日 木曜日

複雑な診療報酬がいくつか整理されました。

1.居住系施設等訪問診療料の見直し

居住系施設等訪問診療料・訪問看護指導料等については、複数の患者に対して訪問診療を行う場合、施設の種類(福祉施設、マンション等)により診療報酬が大きく異なっていました。

在宅患者訪問診療料は、居住系施設入居者等は2000円ですが、そうではない場合は8300円です。

今回の改定では、「居住系施設入居者等である患者の場合」という表現が「同一建物に居住する複数の患者に対して訪問診療を行った場合」という表現に改められました。

2.特定集中治療室管理料の加算の見直し

特定集中治療室管理料は、重症者等を概ね9割以上入院させる治療室の場合は5%加算されますが、この加算要件は既に施設基準に含まれているため、特定集中治療室管理料が5%引き上げられ加算が廃止されます。

3.入院中の患者の対診及び他医療機関受診時の算定方法の整理

入院中の患者に対して対診を行う場合、入院中の患者が他の医療機関を受診する場合の診療報酬の算定方法について、医療現場における実態を踏まえ、明確化されます。

4.入院基本料減算の緩和措置対象地域の見直し

医療法の医師配置標準を満たさない場合は入院基本料が減算されますが、医師確保条件が悪い地域には緩和措置があります。

この緩和措置について、離島振興法の対象地域となっていない離島は対象外ですが、診療報酬体系上の「離島加算」では離島振興法の対象とはなっていない地域も対象となっています。

この不統一を解消するため、離島振興法の対象外の以下の地域も緩和措置の対象とされます。

(1) 奄美群島振興開発特別措置法第1条に規定する奄美群島の地域

(2) 小笠原諸島振興開発特別措置法第2条第1項に規定する小笠原諸島の地域

(3) 沖縄振興特別措置法第3条第3号に規定する離島

平成22年度診療報酬改定(33)

2010 年 3 月 17 日 水曜日

診療所の地域医療貢献に対する評価です。

患者にとって、日常的な診療や健康管理等を行ってくれる診療所の存在は重要です。

健康上の不安等を気軽に相談できるだけでなく、患者からの休日・夜間の問い合わせに対応可能な診療所について、地域医療貢献加算30円(再診料に加算)が新設されます。

休日・夜間の問い合わせを受ける診療所を評価することにより、休日・夜間に病院を受診する軽症患者の減少も考えられ、病院勤務医負担軽減につながることも期待されます。

再診料が20円引き下げられた分をカバーできる加算ですが、休日・夜間に患者からの電話問い合わせや受診等に対応可能な体制を確保していることが算定要件ですのでハードルは高そうです。

緊急病変時などに患者から直接または間接に問い合わせがあれば必要な指導を行うこと、電話転送可能な体制を取るなど「原則として常に電話に応じること」、万が一電話に出られない時は留守番電話などで対応した後「速やかに患者に連絡を取ること」、相談の結果緊急に対応しなければならない場合は、外来診療、往診、他の医療機関との連携または緊急搬送など医学的に必要とされる対応を行うことが要件とされています。

単独の診療所では24時間対応が困難な場合が多そうですが、この加算について先日通知された施設基準では、複数の診療所による対応でも算定できることが示されました。

地域医療貢献加算の施設基準は次の3点です。

・診療所であること

・標榜時間外に、電話などで患者からの問い合わせに応じる体制を整備するとともに、対応者や緊急時の対応体制、連絡先などについて、院内掲示や文書配布、診察券への記載などで患者に周知していること。または、診療所の職員が対応する場合でも、医師に電話を転送できる体制を備えていること

・あらかじめ当番医を決めた上で、複数の診療所が連携して対応する場合は、当番医の担当日時や連絡先などを事前に患者に周知していること

平成22年度診療報酬改定(32)

2010 年 3 月 16 日 火曜日

再診料及び外来管理加算についてです。

中医協では答申ぎりぎりまで対立がありました。

1.病院と診療所の再診料の統一

病院の再診料は600円から引き上げられ、診療所の再診料は710円から引き下げられ、690円に統一されます。

再診料は診療所にとっては収入の1割を占める基本料的な性格を持つものなので、引き下げは経営を直撃します。

2.外来管理加算の算定要件の緩和

外来管理加算520円の算定に際し、

・問診し、患者の訴えを総括する

・身体診察によって得られた所見及びその所見に基づく医学的判断等の説明を行う

・これまでの治療経過を踏まえた、療養上の注意等の説明・指導を行う

・患者の潜在的な疑問や不安等を汲み取る取り組みを行う

の4項目について、おおむね5分を超える診察時間を要件とする「5分ルール」が廃止されます。

また、4項目すべてを満たす必要もなくなりました。

要件が厳しいために加算が認められなかった診療所には朗報です。

ただし、患者に必要とされる医療行為を行わず、簡単な症状の確認などで継続処方を行った場合(いわゆる「未受診投薬」)は外来管理加算は認められません。

実際は、未受診投薬以外の通常の懇切丁寧な再診の多くは外来管理加算を算定していたと思われますので、要件緩和の影響はそれほど大きくないかもしれません。

なお、次期改定においては、再診料との関係も含め、この加算の在り方が検討されることとなっています。

平成22年度診療報酬改定(31)

2010 年 3 月 15 日 月曜日

医療の透明化に対する評価です。

1.明細書発行義務化の拡大について

注射・投薬などの部ごとに費用のわかる領収証については、全ての保険医療機関等について、無料での発行が義務付けられています。

また、詳細な個別の点数項目までわかる明細書については、電子媒体又はオンラインによる診療報酬請求が義務付けられた保険医療機関については、患者から求めがあった場合の発行が義務付けられています。

今回の改定では、患者から求めがあった場合、という取扱いを改め、レセプトの電子請求を行っている保険医療機関等については、正当な理由のない限り、原則として明細書を無料で発行することとなります。

2.電子化加算の見直し

従来の電子化加算(30円)は廃止され、診療所のIT化と明細書発行推進に焦点を定めた明細書発行体制等加算10円(再診料に加算)が設けられます。

算定要件は次の通りです。

(1) 診療所であること。

(2) レセプトオンライン請求を行っていること。ただし、MOなどの電子媒体での請求でも可とする。

(3) 明細書を無料で発行していること。その旨の院内掲示を行っていること。

3.処方せん様式等の見直しについて

調剤レセプトと医科レセプト(又は歯科レセプト)との照合を容易にするため、処方せんと調剤レセプトに、処方せんを発行した保険医療機関の医療機関コード等の記載が加わります。

平成22年度診療報酬改定(30)

2010 年 3 月 14 日 日曜日

手術以外の医療技術に関する改定です。

先進医療技術や新規技術について、以下のような技術の保険導入がなされます。

胎児心超音波検査

子宮頸部前がん病変のHPV-DNA診断

抗EGFR抗体医薬投与前におけるKRAS遺伝子変異検査

イメージガイド下放射線治療(IGRT)

特殊光を用いた画像強調観察を併用した拡大内視鏡検査

また、医療機器や医療材料が新規に保険適用される際には、それを用いた技術料も新設されます。

その他の医療材料等についても、診療行為の実態を踏まえて見直されます。

1.一酸化窒素吸入療法に係る技術料の評価

2.胸郭変形矯正用材料に係る技術料の評価

3.局所陰圧閉鎖療法用材料に係る技術料の評価

4.皮下グルコース測定電極に係る技術料の評価

5.ペースメーカー、埋込型除細動器、両室ペーシング機能付き埋込型除細動器に係る技術料の評価

6.血管内光断層撮影用カテーテルに係る技術料の評価

7.経皮的カテーテル心筋焼灼術における三次元カラーマッピングに係る技術料の評価

8.埋込型心電図記録計に係る技術料の評価

9.末梢留置型中心静脈カテーテルに係る技術料の評価

10.胃、十二指腸ステントに係る技術料の評価

11 . 特定薬剤治療管理料の適応拡大

平成22年度診療報酬改定(29)

2010 年 3 月 13 日 土曜日

歯科医療について患者の視点と生活の質に配慮した改定です。

歯科疾患や義歯(入れ歯)の管理に係る情報提供がより分かりやすく、かつ的確に行われるよう、算定要件が明確にされます。

引き下げ、引き上げ、要件変更がいくつもありますが、全体像はわかりやすくなりました。

歯科疾患管理料は、1回目1300円、2回目以降1100円が1100円に統一されます。

新製有床義歯管理料は、装着日から1月以内に2回まで千円が、1回限り1500円になります。

有床義歯調整管理料300円(月2回を限度)が新設されます。

歯科矯正管理料は3千円から2400円に引き下げられます。

また、難解な保険診療上の歯科用語が、患者からみてより分かりやすい用語に改められます。(補綴物維持管理料→クラウン・ブリッジ維持管理料、歯髄覆罩(ふくとう)→歯髄保護処置、非侵襲性歯髄覆罩→歯髄温存療法、床裏装→有床義歯内面適合法、楔状欠損→歯質くさび状欠損)

生活の質への配慮については次の改定がなされます。

1.歯科技工加算の新設

歯科医療機関内に常勤の歯科技工士を配置して、破損した有床義歯を預かった日から2日以内に修理を行った場合の有床義歯修理に係る加算1装置につき200円が新設されます。

2.小児義歯に関する療養の給付の適応症の拡大

後継永久歯が無く著しい言語障害及び咀嚼障害を伴う先天性無歯症以外の先天性疾患についても、脆弱な乳歯の早期喪失や崩壊等により総義歯又は局部義歯が必要となる場合があることから、小児義歯の適応症が拡大されます。

3.床(義歯)型口腔内補助装置に係る技術料の新設

脳血管障害や口腔腫瘍等による咀嚼機能障害等を有する患者に対して、舌接触状態等を変化させて咀嚼機能等の改善を図ることを目的として、口腔内の形態や空隙を考慮して製作された床(義歯)型の口腔内装置を装着した場合の評価が新設されます。

 

このほか、歯科については、歯科固有の技術について、重要度、難易度、必要時間等を参考とし、多数の技術が引き上げられたり引き下げられたりして大きく見直されています。

う蝕(虫歯)処置が160円から180円に引き上げられるなど、基本技術は総じてアップしている印象です。

歯科診療報酬体系の簡素化のため、歯科疾患管理料のうち基本的な医療行為は基本診療料に包括され、歯科初診料は1820円から2180円に、歯科再診料は400円から420円に引き上げられます。

歯科矯正診断料については、ニーズ実態に即し、施設基準や適応症が見直されます。

このほかデジタルエックス線撮影料、手術時歯根面レーザー応用(歯周外科手術時の明視下におけるレーザーを用いた歯石除去等)加算など、新規医療技術が評価されています。

平成22年度診療報酬改定(28)

2010 年 3 月 12 日 金曜日

歯科医療については、全般的に充実した改定となっています。

重点は障害者歯科医療についての改定です。

1.障害者に対する歯科衛生実地指導の評価の新設

障害者は、一般の患者に比べてう蝕(むし歯)や歯周疾患等が重症化しやすいなどの特性を有することや、患者の状態により短時間で頻回な口腔衛生指導が必要となる場合があることを踏まえ、重症化予防のためのよりきめ細かな口腔衛生指導を行った場合の評価(千円)が新設されます。

2.障害者歯科医療連携加算の新設

歯科診療所において障害者に対する歯科治療が困難な場合は、障害者歯科医療に係る体制を整備し、より専門性の高い歯科診療を行っている病院歯科、口腔保健センター、障害者歯科医療センター等へ円滑に引き継ぐことが重要です。

専門性の高い医療機関が歯科診療所からの文書による紹介により患者を受入れ、歯科医療を提供した場合、初診料に障害者歯科医療連携加算千円(初診時1回)が新設されます。

3.在宅及び障害者歯科医療に係る連携促進

地域において在宅及び障害者歯科医療を担う歯科診療所等と病院歯科やいわゆる口腔保健センター等の診療部門、医科の医療機関、ケアマネジャー等との連携促進を図る観点から、これらの医療機関等に対して患者情報を提供し紹介した場合、診療情報提供料2500円に千円が加算されます。

4.在宅及び障害者歯科医療の後方支援病院の機能強化

地域における在宅及び障害者歯科医療を後方支援する病院歯科の機能をより適切に評価する観点から、在宅及び障害者歯科医療を実施している歯科診療所からの求めに応じて当該医療を行っている患者を受け入れた場合の歯科の外来及び入院医療が引き上げられます。

地域歯科診療支援病院歯科初診料2700円については施設基準が緩和されます。

地域歯科診療支援病院歯科再診料は570円が690円に引き上げられます。

地域歯科診療支援病院入院加算(入院初日3千円)の対象患者が拡大されます。

平成22年度診療報酬改定(27)

2010 年 3 月 11 日 木曜日

地域における精神医療についての改定です。

1.精神科専門療法の見直し

(1) 精神科専門療法について、病院と診療所で異なる評価となっている点が見直され、長時間に及ぶものについては評価が引き上げられます。

通院・在宅精神療法(1日につき)

初診日に精神保健指定医が通院精神療法を行った場合、5千円

それ以外の場合、

30分以上3600円→4千円

30分未満3300円(病院)、3500円(診療所)→3300円

(2) 気分障害(うつ病)に対する認知療法・認知行動療法についての評価が新設されます。

認知療法・認知行動療法1日につき4200円

2.精神科デイ・ケア等の見直し

精神障害者の地域移行を推進するため、早期の地域移行を促す加算が新設されます。

精神科ショート・ケア

小規模なもの1日につき2750円(変更なし)

大規模なもの1日につき3300円(変更なし)

※算定開始日から1年以内に行われる場合、さらに200円が加算されます。

精神科デイ・ケア

小規模なもの1日につき5500円→5900円

大規模なもの1日につき6600円→7000円

※算定開始日から1年以内に行われる場合、さらに500円が加算されます。

精神科ナイト・ケア1日につき5000円→5400円

※算定開始日から1年以内に行われる場合、さらに500円が加算されます。

精神科デイ・ナイト・ケア1日につき10000円→10400円

※算定開始日から1年以内に行われる場合、さらに500円が加算されます。

重度認知症患者デイ・ケア料1日につき10000円→10400円

※算定開始日から1年以内に行われる場合、さらに500円が加算されます。

平成22年度診療報酬改定(26)

2010 年 3 月 10 日 水曜日

精神科専門的入院医療に関する改定です。

児童・思春期の発達障害やうつ病、強度行動障害やアルコール依存症等の専門的な医療の提供が必要な疾患について、適切な医療体制が提供されるよう、診療報酬上の評価が充実します。

1.児童・思春期精神科入院医療管理加算

発達障害や思春期うつ病など、児童・思春期の精神疾患患者の治療を行う専門病棟についての加算の引き上げです。

児童・思春期精神入院医療管理加算1日につき6500円→8千円

2.強度行動障害児に対する入院医療の評価

個人の特性等に配慮した特別な医学的ケアを必要とする強度行動障害児に対する入院医療についての加算が新設されます。

強度行動障害入院医療管理加算1日につき3千円

3.重度アルコール依存症入院医療の評価

重度のアルコール依存症治療において、高い治療効果が得られる専門的入院医療についての加算が新設されます。

重度アルコール依存症入院医療管理加算1日につき

30日以内2千円、31日以上60日以内千円

4.摂食障害に対する入院医療の評価

治療抵抗性を示すことの多い摂食障害について、専門的な入院医療についての加算が新設されます。

摂食障害入院医療管理加算1日につき

30日以内2千円、31日以上60日以内千円

平成22年度診療報酬改定(25)

2010 年 3 月 9 日 火曜日

精神科慢性期入院医療に関する改定です。

我が国の精神科慢性期医療の課題は、入院医療主体の現状と多剤投与の実態の改善です。

旧来の抗精神病薬は対症療法的に追加投薬されがちで、薬剤同士の相互作用や副作用のコントロールに問題がありました。

多剤投与の場合、症状改善のためにどの薬剤を増減するかの判断が難しくなります。

抗精神病薬の進歩は著しく、統合失調症の場合、非定型抗精神病薬を中心とした単剤療法が国際的な標準療法となりつつあります。

1.精神科地域移行実施加算の引き上げ

入院期間が5年を超える長期入院患者を、直近1年間で5%以上減少させた実績のある医療機関への加算です。

精神科地域移行実施加算1日につき50円→100円

2.非定型抗精神病薬加算の見直し

統合失調症患者に対して投与する抗精神病薬の種類数を国際的な種類数と同程度にするための政策誘導です。

使用している抗精神病薬の種類が2種類以下である場合、非定型抗精神病薬加算1日につき100円が150円に引き上げられます。

(3種類以上の場合は100円のままです)

3.精神療養病棟入院料への重症度評価の導入

精神療養病床については患者の状態像によらず一律の評価となっていましたが、重症度に応じた加算が新設されます。

重症者(GAFスコアが40以下)が多い病院の収入が増す改定ではなく、重症者でない患者の入院料を引き下げる改定です。

精神療養病棟入院料1日につき10900円→10500円(400円引き下げ)

重症者加算1日につき400円を新設。

平成22年度診療報酬改定(24)

2010 年 3 月 8 日 月曜日

精神科医療についても充実が求められています。

精神科救急患者や身体合併症治療を要する患者については、救急搬送の受入困難事例となっています。

まず、手厚い人員配置による精神科急性期入院医療を進めるための改定です。

救急、合併症に対する精神科医療に力を入れている病院は大幅な増収となります。

1.精神科入院基本料の見直し

新たな看護配置区分が設けられます。

また、入院患者の重症度に関する基準が導入されます。

(1) 精神病棟入院基本料13対1入院基本料9200円の新設

施設基準は次の通りです。

①新規入院患者のうち、重症者(GAFスコア30以下又は身体合併症患者)の割合が4割以上であること。

②身体疾患への治療体制を確保している医療機関であること。

③平均在院日数が80日以内であること。

(2) 10対1精神病棟入院基本料について、平均在院日数の要件が緩和されます。

また、入院患者の重症度に関する基準が導入されます。

改正施設基準は次の通りです。

①平均在院日数が40日以内であること。

②新規入院患者のうち、重症者(GAFスコア30以下)の割合が5割以上であること。

(3) 精神病棟入院基本料加算の入院早期重視

14日以内      4590円→4650円

15日以上30日以内 2420円→2500円

31日以上90日以内 1250円(変更なし)

91日以上180日以内 200円→100円(引き下げ)

181日以上1年以内   50円→30円

特定機能病院入院基本料(精神病棟)についても同様に見直されます。

2.精神科急性期の特定入院料の引上げ

(1) 入院早期の精神科救急入院料と精神科救急・合併症入院料が引き上げられます。

精神科救急入院料1、精神科救急・合併症入院料

30日以内1日につき34310円→34510円

31日以上1日につき30310円(変更なし)

精神科救急入院料2

30日以内1日につき32310円→32510円

31日以上1日につき28310円(変更なし)

(2) 精神科急性期治療病棟入院料も引き上げられます。

病床数要件など施設基準が緩和されましたので多くの病院で算定できるようになります。

精神科急性期治療病棟入院料1

30日以内1日につき19000円→19200円

31日以上1日につき16000円(変更なし)

精神科急性期治療病棟入院料2

30日以内1日につき18000円→18200円

31日以上1日につき15000円(変更なし)

(3) 精神科救急入院料、急性期治療病棟入院料、精神科救急・合併症入院料の算定について、医療観察法の入院処遇が終了した者の転院を受け入れた場合の算定が認められます。

3.身体合併症の対応に関する評価

精神疾患、身体疾患の双方について治療を行った場合の精神科身体合併症管理加算が引き上げられます。

精神科身体合併症管理加算

精神科救急入院料、精神科急性期治療病棟入院料、認知症病棟入院料を算定している患者の場合は1日につき3千円、精神病棟入院基本料、特定機能病院入院基本料を算定している患者の場合1日につき2千円でしたが、いずれも3500円に引き上げられました。

平成22年度診療報酬改定(23)

2010 年 3 月 7 日 日曜日

肝炎治療の推進についての改定です。

平成20年度よりB型及びC型肝炎のインターフェロン治療に対する医療費助成が開始されましたが、副作用に対する不安や多忙であることを理由にインターフェロン治療を断念する患者が見られています。

肝炎のインターフェロン治療について、副作用の不安を解消するための詳細な説明や、長期間の通院が必要な患者の利便性に配慮した専門医とかかりつけ医との連携により治療を継続しやすくする取り組みが評価されます。

1.肝炎インターフェロン治療計画料の新設

肝炎治療の専門医療機関において、インターフェロン治療の計画を策定し、副作用等を含めた詳細な説明を行った場合の肝炎インターフェロン治療計画料7千円(1人につき1回)が新設されます。

施設基準は次の通りです。

(1) 専門的な知識を持つ医師による診断及び治療方針の決定が行われていること。

(2) インターフェロンなどの抗ウイルス療法を適切に実施できること。

(3) 肝がんの高危険群の同定と早期診断を適切に実施できること。

2.肝炎インターフェロン治療連携加算の新設

肝炎治療の専門医療機関の策定した治療計画に基づき、インターフェロン治療を行っている医療機関が計画策定病院に対して診療情報提供を行った場合の加算として肝炎インターフェロン治療連携加算500円(月1回まで)が新設されます。

平成22年度診療報酬改定(22)

2010 年 3 月 6 日 土曜日

新型インフルエンザや結核等の感染症対策の推進についての改定です。

1.新型インフルエンザ流行時の療養病床における対応について

新型インフルエンザの大流行によって入院患者が急増した場合、病床確保のために療養病床の活用が必要となります。

新型インフルエンザが大流行した状況において、院内感染対策が十分に行われた上で患者が療養病棟に入院する場合、一般病棟入院基本料の算定が認められ、検査や投薬等についても出来高での算定が可能となります。

2.陰圧室管理の評価

新型インフルエンザ等の新興感染症が発生した際、陰圧室管理が必要となります。

その整備を促すための加算です。

二類感染症患者療養環境特別加算は個室加算3千円が加算されますが、さらに陰圧室加算2千円が新設されます。

3.結核の入院医療についての見直し

(1) 結核病棟における平均在院日数要件の見直し

結核病棟入院基本料や特定機能病院入院基本料(結核病棟)の算定には平均在院日数25日以内という要件がありましたが、その要件がなくなりました。

(2) 小規模な結核病棟の施設基準の変更

患者数の減少等を踏まえ、小規模な結核病棟についてユニット化(一般病棟と結核病棟を併せて1看護単位とすること)のルールが明確化されます。

平成22年度診療報酬改定(21)

2010 年 3 月 5 日 金曜日

認知症医療の推進のための改定です。

認知症患者に対する医療上の支援については、早期の鑑別診断、療養方針の決定、かかりつけ医による認知症に対する外来医療、身体疾患に対する医療の提供が必要とされています。

1.認知症病棟入院料の見直し

認知症に対する入院医療については、認知症の行動・心理症状や身体合併症等への対応などが重要であることから、これらへの手厚い対応ができる施設基準を満たす場合の入院早期の評価が引き上げられ、そうではない場合の長期入院対応の評価が引き下げられます。

認知症治療病棟入院料1

イ 90日以内の期間1日につき13300円→14500円

ロ 91日以上の期間1日につき11800円(変更なし)

認知症治療病棟入院料2

イ 90日以内の期間1日につき10700円(変更なし)

ロ 91日以上の期間1日につき10200円→9700円

また、入院期間が6か月を超える認知症患者に対して、退院支援計画を策定し、当該計画に基づく指導を行った上で当該患者が退院した場合の加算が認知症治療病棟退院調整加算千円(退院時1回)として新設されます。

当該保険医療機関内に、専従の精神保健福祉士及び専従の臨床心理技術者が勤務していることが要件です。

2.認知症外来医療の評価

認知症患者に対して、専門的医療機関において診断と療養方針の決定を行い、かかりつけ医がその後の管理を行うことについて、認知症専門診断管理料5千円(1人につき1回)が新設されます。

算定要件は、認知症疾患医療センター等の専門医療機関において、認知症の鑑別診断を行い、療養方針を決定して患者及び家族に詳細な説明を行った場合です。

また、認知症専門医療機関連携加算500円(月1回)が新設されます。

外来で管理している認知症患者について、症状が増悪した場合や定期的な評価が必要な場合に、専門医療機関に紹介を行う際の診療情報提供料(Ⅰ)に加算されます。

平成22年度診療報酬改定(20)

2010 年 3 月 4 日 木曜日

がんの疾患特性に配慮したリハビリテーション料が新設されます。

がん患者が手術・放射線治療・化学療法等の治療を受ける際、これらの治療によって合併症や機能障害を生じることが予想されるため、治療前あるいは治療後早期からリハビリテーションを行うことで機能低下を最小限に抑え、早期回復を図る取り組みが求められます。

このため、がん患者リハビリテーション料1単位につき2千円が新設されます。

新設の項目で額も大きく、算定対象者となり得るがん患者も多いので、算定要件、対象患者、施設基準が細かく規定されています。

算定要件は次の通りです。

(1) 対象者に対して、がん患者リハビリテーションに関する研修を終了した理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が個別に20分以上のリハビリテーションが提供された場合に1単位として算定する。

(2) がん患者に対してリハビリテーションを行う際には、定期的な医師の診察結果に基づき、医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、社会福祉士等の多職種が共同してリハビリテーション計画を作成すること。

(3) がんのリハビリテーションに従事する者は、積極的にキャンサーボードに参加することが望ましい。

対象患者は次の通りです。

(1) 食道がん・肺がん・縦隔腫瘍・胃がん、肝臓がん、胆嚢がん、膵臓がん、大腸がんと診断され、当該入院中に閉鎖循環式麻酔により手術が施行された又は施行される予定の患者

(2) 舌がん、口腔がん、咽頭がん、喉頭がん、その他頸部リンパ節郭清を必要とするがんにより入院し、当該入院中に放射線治療あるいは閉鎖循環式麻酔による手術が施行された又は施行される予定の患者

(3) 乳がんに対し、腋窩リンパ節郭清を伴う悪性腫瘍手術が施行された又は施行される予定の患者

(4) 骨軟部腫瘍又はがんの骨転移により当該入院中に患肢温存術又は切断術、創外固定又はピン固定等の固定術、化学療法もしくは放射線治療が施行された又は施行される予定の患者

(5) 原発性脳腫瘍又は転移性脳腫瘍の患者で当該入院中に手術又は放射線治療が施行された又は施行される予定の患者

(6) 血液腫瘍により当該入院中に化学療法又は造血幹細胞移植を行う予定又は行った患者

(7) がん患者であって、当該入院中に骨髄抑制を来しうる化学療法を行う予定の患者又は行った患者

(8) 緩和ケア主体で治療を行っている進行がん、末期がんの患者であって、症状増悪のため一時的に入院加療を行っており、在宅復帰を目的としたリハビリテーションが必要な患者

施設基準は次の通りです。

(1) がん患者のリハビリテーションに関する経験(研修要件あり)を有する専任の医師が配置されていること。

(2) がん患者のリハビリテーションに関する経験を有する専従の理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の中から2名が配置されていること。

(3) 100㎡以上の機能訓練室があり、その他必要な器具が備えられていること。

平成22年度診療報酬改定(19)

2010 年 3 月 3 日 水曜日

がんの緩和ケアの評価です。

がん患者がより質の高い療養生活を送ることができるようにするため、外来におけるがんの疼痛コントロールを含めた緩和ケアの質の向上や入院における緩和ケア診療が充実されます。

1.疼痛緩和ケアの充実

がんの疼痛緩和のためには、身体的苦痛のみならず、精神的苦痛、社会的苦痛等を考慮する必要があります。

がん性疼痛緩和指導管理料(千円)の算定には、緩和ケアに係る研修を修了した常勤医師による指導が要件となります。

2.入院における緩和ケア診療の評価の充実

緩和ケア診療加算について、緩和ケアの質の向上を図るため、がん緩和ケアに携わる医師に対し、緩和ケアに関する研修を受けて診療に当たることが要件となります。

緩和ケア病棟入院料についても同様に、要件の変更が行われます。

緩和ケア診療加算は3千円から4千円に引き上げられます。

施設基準は次の通りです。

(1) がん診療連携拠点病院若しくは準じる病院又は財団法人日本医療機能評価機構等が行う医療機能評価を受けた施設であること。

(2) 緩和ケアチームを構成する常勤医師が以下のいずれかの研修会を終了していること。

ア がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会の開催指針(平成20年4月1日健康局長通知)に準拠した緩和ケア研修会

イ 緩和ケアの基本教育のための都道府県指導者研修会(国立がんセンター主催)等

平成22年度診療報酬改定(18)

2010 年 3 月 2 日 火曜日

がん治療と丁寧な説明に対する加算です。

1.外来化学療法加算の評価の充実

複雑化、高度化した外来化学療法に対応するため、外来化学療法加算の評価が引き上げられます。

外来化学療法加算1 5000円→5500円

(15歳未満の患者 7000円→7500円)

外来化学療法加算2 3900円→4200円

また、介護老人保健施設入所者に対する抗悪性腫瘍剤注射薬が算定できるようになります。

外来化学療法加算の届出を行っている医療機関で、老健施設入所者に対して外来化学療法が行われた場合、抗悪性腫瘍剤と注射(手技料)が算定できます。

2.放射線治療病室管理加算の引き上げ

放射線治療病室を用いるRI治療法については、症例数の増加に反して施設数が減少し、治療待機者が増加しているため、放射線治療病室の拡充を図る必要があります。

放射線治療病室管理加算は、1日につき5千円から2万5千円に大幅に引き上げられます。

3.がん患者に対する丁寧な説明の評価

がんと診断され、継続して治療を行う予定の者に対して、緩和ケアの研修を修了した医師及び6か月以上の専門の研修を修了した看護師が同席し、周囲の環境等(プライバシーの確保、精神的なケア)にも十分に配慮した上で、丁寧に説明を行った場合に、がん患者カウンセリング料5千円が新設されます。