‘診療報酬と介護報酬’ カテゴリーのアーカイブ

平成24年診療報酬・介護報酬改定(126)

2011 年 12 月 19 日 月曜日

社会保障審議会医療部会の「医療提供体制の改革に関する意見(案)」では「7.国民の関与と情報活用」について次のように言及しています。
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(1)患者中心の医療と住民意識の啓発
○ 限られた医療資源を有効に活用する観点から、医療を利用する住民の意識を高めていくことも検討すべきである。
(2)広告・情報提供のあり方
○ 医療を提供する側と受ける側との間にある「情報の非対称性」を軽減していく観点から、医療情報提供を充実させる必要がある。
○ 医療機関に関する医療機能に係る情報の公表にあたっては、公表情報の標準化が重要である。
○ 医療機関のホームページの取扱いについて検討を行い、必要な措置を講じていくべきである。
(3)医療の質の評価・公表のあり方
○ 医療の質に関する情報(アウトカム指標やプロセス指標等)については、その内容や標準化等について検討が進められているが、こうした検討を踏まえながら、医療の質に関する情報の公表に向けた取組を進めていくべきである。ただし、全ての分野についての指標を評価・公表することは難しいため、分野を絞ることも検討すべきである。
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医療計画に関する意見に「疾病・事業ごとの医療計画のPDCAサイクルを効果的に機能させることで、計画の実行性を高める」との言及がありましたが、ここでは「アウトカム指標やプロセス指標」という語が登場しています。
国民の税金を使用している事業であることから国民へ成果を「見える化」することが強く求められてきたODA事業では、PDCAサイクル(ODAでは通称PCM:プロジェクトサイクルマネジメント)やアウトカム指標の活用が定着しています。
医療もようやくPDCAサイクルや指標(の評価・公表)が議論の俎上に載るようになってきました。

平成24年診療報酬・介護報酬改定(125)

2011 年 12 月 18 日 日曜日

社会保障審議会医療部会の「医療提供体制の改革に関する意見(案)」では「5.救急・周産期医療体制の見直し」「6.医療従事者間の役割分担とチーム医療の推進」について次のように言及しています。
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5.救急・周産期医療体制の見直し
○ 救急医療を担う医療機関の位置付けや支援を検討する上では、救急車の受入実績だけでなく、休日・夜間の診療体制の状況を評価する視点や医療圏ごとに人口に大きな差があることも考慮して評価する視点が必要である。
○ 周産期医療については、NICU(新生児集中治療室)の整備だけではなく、在宅医療体制の充実を図ることで、病院から家庭への移行を進めていく必要がある。
6.医療従事者間の役割分担とチーム医療の推進
(1)チーム医療の推進
○ 少子化が進む中、限られたマンパワーで効率的かつ安全で質の高い医療を提供するために、各医療職種の役割分担を見直し、チーム医療を推進していくべきである。
○ チーム医療の推進にあたっては、各医療関係職種が担う役割の重要性を認識し、適切な評価をするべきである。
(2)看護師、診療放射線技師等の業務範囲
○ 高齢社会が進む中、介護の分野においても高度の医療を必要とする患者が増えてきており、安全性の確保とサービスの質の向上のために、現在看護師が実施している高度かつ専門的な知識・判断が必要とされる行為について、教育・研修を付加する必要がある。
○ 現場で患者に寄り添っている看護師が、患者に安全かつ迅速にサービスを提供するために、またやる気のある看護師がその能力を十分に発揮するためにも、一定以上の能力を公的に認証する仕組みは重要である。併せて、基礎教育内容を見直し、看護師全体のレベルアップを図ることが必要である。こうした取組みが患者の安全・安心につながることとなる。
○ 診療放射線技師については、教育等により安全性を担保した上で、検査関連行為と核医学検査をその業務範囲に追加することが必要である。
○ 薬剤師等他の医療関係職種の業務範囲についても議論を進めるべきである。
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「救急・周産期医療体制」は法定事項(医療計画5事業のうちの2事業)ですが、医療関係職種の業務範囲も、それぞれの身分法による法定事項です。
「能力を公的に認証する仕組み」とは、専門看護師、認定看護師に法的位置付けを与える動きとして注目に値します。

平成24年診療報酬・介護報酬改定(124)

2011 年 12 月 17 日 土曜日

社会保障審議会医療部会の「医療提供体制の改革に関する意見(案)」では「4.医療提供体制整備のための医療計画の見直し」について次のように言及しています。
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(1)医療計画のあり方
○ 二次医療圏について、二次医療圏間で医療提供体制に格差が見られるため、地域の実情や現在の医療を取り巻く状況等を踏まえ、医療計画作成指針の見直しを行う必要がある。その際、都道府県が見直しについて具体的な検討ができるよう、二次医療圏の設定の考え方をより明示的に示すべきである。
○ 在宅医療の提供体制を計画的に整備するため、在宅医療を担う医療機関等の具体的な整備目標や役割分担、病状の変化に応じた病床の確保のあり方等を医療計画に盛り込むべきことを法制上明確にすべきである。(再掲)
(2)4疾病5事業の見直し
○ 増加する精神疾患患者への医療の提供を安定的に確保するため、医療連携体制を計画的に構築すべき疾病及び事業(4疾病5事業)に精神疾患を追加すべきである。その際、一般医療と精神科医療との連携や社会復帰という観点での地域の関係機関との連携といった視点が重要である。
○ 疾病・事業ごとの医療計画のPDCAサイクルを効果的に機能させることで、計画の実行性を高めることができるように、医療計画作成指針を見直すことが必要である。
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ここでも「法制上明確にすべき」ことが再掲されています。
精神疾患が医療計画に盛り込むべき疾病として法制化されることも、精神科医療を飛躍的に改善させることになるでしょう。
昨年国立精神神経医療研究センター病院が実現した精神科病棟の全室個室化のような取り組みが全国的に広がれば、精神科疾患の治癒・社会復帰率は格段に高まります。

平成24年診療報酬・介護報酬改定(123)

2011 年 12 月 16 日 金曜日

社会保障審議会医療部会の「医療提供体制の改革に関する意見(案)」では「3.在宅医療・連携の推進」について次のように言及しています。
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(1)在宅医療の推進、医療・介護間の連携
○ 今後、高齢者が増加していく中で、在宅医療と介護の連携により、生活の場の中で最期を迎えることができる体制を整備すべきである。
○ 在宅医療を推進するには、複数の医療機関等の連携システムの構築により、24時間体制で在宅医療ニーズに対応できる仕組みを整備するなど、地域としての供給体制を整備することが不可欠である。そのためには、医師、歯科医師、薬剤師、看護師、ケアマネジャー等、地域における多職種での連携、協働を進めることが重要である。また、地域の関係機関による協議の場を作るという方向性を明確にすべきである。
○ 在宅医療を担う関係者間の調整を行うコーディネート機能を担うことのできる人材を養成していくことが必要である。
○ 在宅医療の拠点となる医療機関について、診療報酬上の位置付けだけでなく、法制上、その趣旨及び役割を明確化すべきである。
○ 在宅医療の提供体制を計画的に整備するため、在宅医療を担う医療機関等の具体的な整備目標や役割分担、病状の変化に応じた病床の確保のあり方等を医療計画に盛り込むべきことを法制上明確にすべきである。
○ 訪問看護は在宅医療で重要な役割を果たすが、人員体制が不十分で、訪問看護師への負荷が大きく、離職率も高い状況である。そこで、訪問看護を提供する体制の確保・充実が必要である。
○ 有床診療所は、入院医療と在宅医療、医療と介護のつなぎ役として重要な役割を担っており、在宅医療の推進のためには、その活用を図っていくべきである。
(2)地域における医療機関間の連携
○ 医療機能の分化とともに連携が重要であり、地域における医療機関間の連携を更に推進していくための取組が必要である。
○ 急性期医療から地域生活への円滑な移行を進める上では、退院後に、地域の診療所や訪問看護ステーションにスムーズにつなぐための退院調整機能を強化することが必要である。
○ 医療機関間の連携の促進という観点から、医療情報のICT(Information and Communication Technology)化等により、医療機関間の情報の共有を進めていくことも必要である。
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「在宅医療の推進」「医療・介護間の連携」は耳にたこが出来るほど叫ばれ続けていますが、現実はなかなか進展していません。
意見(案)のうち「在宅医療の拠点となる医療機関について、診療報酬上の位置付けだけでなく、法制上、その趣旨及び役割を明確化すべきである」という部分が重要です。
診療報酬による政策誘導には限界があり、医療計画(増床許認可)のような強い法的権限を都道府県知事が発揮できるような体制の裏打ちがなければ真に重要な政策は進展しません。
医療法と診療報酬は、医療政策推進の車の両輪です。

平成24年診療報酬・介護報酬改定(122)

2011 年 12 月 15 日 木曜日

社会保障審議会医療部会の「医療提供体制の改革に関する意見(案)」では「2.病院・病床の機能の明確化・強化」のうち「(1)病床区分のあり方」について次のように言及しています。
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(1)病床区分のあり方
○ 患者の疾患の状態に応じ良質かつ適切な医療が効率的に行われるよう、一般病床について機能分化を進め、急性期医療への人的資源の集中化を図るなど、病床の機能分化・強化を図り、もって医療機関が自ら担う機能を選択し、その機能を国民・患者に明らかにしていく必要がある。
○ これまでもこうした方向性は様々な機会で示されてきたものの、実現に至っていない状況を踏まえると、その実現に向け、法制上、こうした方向性を明らかにして取り組むことが重要である。
○ 急性期医療については、病院医療従事者の負担の軽減や専門医等の集約による医療の質の向上等を図るとともに、患者の早期の社会生活復帰を可能とする観点からも、医療資源を集中化させることにより機能強化を図るべきである。
一般病床の機能分化を進め、急性期医療への人的資源の集中化を図るための具体的方策については、別途検討の場を設け、早急に検討すべきである。その際は、人的資源の集中化が求められる医療等について十分な議論が必要である。
○ また、機能分化の推進に当たっては、病床の機能の見える化が重要であり、その機能に着目した評価を行うことが重要であるが、評価の具体的な方法については十分な議論が必要である。
○ 急性期医療から引き継ぐ亜急性期等の医療や在宅医療についても機能分化・強化を図っていく必要がある。
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病床区分と人員配置標準とは連動します。
また、人員配置標準は診療報酬とも連動するでしょう。
急性期病床には急性期医療にふさわしい人員標準と診療報酬を、そうでない病床には相応の人員標準と診療報酬が「見える化」されてゆきます。

平成24年診療報酬・介護報酬改定(121)

2011 年 12 月 14 日 水曜日

社会保障審議会医療部会の「医療提供体制の改革に関する意見(案)」では「2.病院・病床の機能の明確化・強化」について次のように言及しています。
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(1)病床区分のあり方(後述)
(2)特定機能病院のあり方
○ 特定機能病院が担う「高度な医療」とは、今後の高齢社会においては、複数の疾患を持つ複雑性の高い患者への対応が必要となる中で、多分野にわたる総合的な対応能力を有しつつ、かつ専門性の高い医療を提供することになると考えられる。
○ また、特定機能病院は、一般の医療機関では通常提供することが難しい診療を提供する病院として、地域医療の最後の拠り所としての役割を担っていくべきである。
○ 大学病院に外来が集中し、勤務医の疲弊につながっているという指摘がある。また、患者が大病院を選ばざるを得ない現状もあるとの指摘もある。貴重な医療資源の効率的な配分及び勤務医の労働環境への配慮の観点から、特定機能病院の外来診療のあり方を見直す必要がある。
○ 特定機能病院における研究については、論文数等によって評価することとなっているが、その質の担保のためには、更なる評価の観点が必要である。
○ 特定機能病院については、制度発足当初から医療を取り巻く様々な環境が変化している中、以上の指摘を踏まえつつ、その体制、機能を強化する観点から、現行の承認要件や業務報告の内容等について見直しが必要である。
○ 高度な医療の提供を担う特定機能病院としての質を継続的に確保していくため、更新制度を導入する等、特定機能病院に対する評価のあり方を検討する必要がある。
(3)臨床研究中核病院(仮称)の創設
○ 基礎研究、開発段階の臨床研究から市販後の臨床研究までの一連の流れと、そこから新たな基礎研究につながるというイノベーションの循環の中で、医薬品、医療機器等の研究開発を推進し、医療の質の向上につなげていくための拠点として臨床研究中核病院を創設すべきであり、法制上位置づけることなどについて前向きに検討すべきである。
(4)地域医療支援病院のあり方
○ 当初の地域医療支援病院の理念を踏まえ、地域医療支援病院における外来診療のあり方を見直す必要がある。
○ 地域医療支援病院について、地域医療の確保を図る観点から、他の医療機関間との連携のあり方等について評価すべきである。
○ 地域医療支援病院については、以上の点を踏まえつつ、その役割・機能を強化する観点から、現行の承認要件や業務報告の内容等について見直しが必要である。
(5)診療所のあり方
○ 地域で切れ目のない医療・介護の提供が必要とされる中、地域住民の身近にある病床としての有床診療所の役割が大きくなる一方、一般的な診療や在宅医療を提供するものから、特殊な診療科を有し、又は専門性の高い医療を提供するものまで診療所の機能は多様である。医療提供体制における地域での有床診療所及び無床診療所の役割や機能を踏まえその活用を図っていく必要がある。
(6)人員配置標準のあり方
○ 人員配置標準については、疾病構造の変化等今日の医療提供体制に対応したものに見直すことが考えられる一方で、医療が高度化する中で医療の安全を確保するといった観点や勤務医等の労働環境への配慮、外来機能についての診療所との役割分担などを踏まえる必要がある。
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特定機能病院の質の確保、臨床研究中核病院の創設、地域医療支援病院の機能強化、診療所の活用、人員配置基準の見直しなど、医療の充実を指向する意見が並んでいますが、医療を充実すれば医療費が膨張します。
「医療の高度化」「医療安全確保「勤務医等の労働環境」などを配慮した人員配置標準の見直しとは、すなわち人員増のことであり、人件費が更に医療費を膨張させることになります。
医療費を膨張させずにこれらを実現する方策は病院数や病床数を削減するか、病床区分を大胆に見直すしかありません。

平成24年診療報酬・介護報酬改定(120)

2011 年 12 月 13 日 火曜日

社会保障審議会医療部会の「医療提供体制の改革に関する意見(案)」では「1.地域の実情に応じた医師等確保対策」について次のように言及しています。
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(1)医師等の人材確保
○ 医師の地域間、診療科間の偏在の是正は重要な課題である。このため、都道府県が担う役割を強化し、地域の実情に応じた医師確保体制を構築すべきである。
○ 看護職員の不足も深刻な問題であり、離職防止対策や養成所への補助等により看護職員の確保を図っていくべきである。
○ 病院勤務医の疲弊、女性の医療従事者の増加、看護職員の不足といった現状を踏まえ、負担の大きい医療従事者の労働環境の改善に向けた取組が必要である。
(2)医師等の養成、配置のあり方
○ 実効性のある地域枠の設定や医師の養成過程において診療科を一定程度誘導する等によって、医師の地域間や診療科間の偏在是正を図っていく必要がある。
○ 医療技術の高度化・専門化に伴い、医師の専門分化の傾向が見られるが、高齢化の中で第一線の現場で幅広く診ることのできる医師を確保し、地域の医療と介護をつなぐ役割を果たすため、総合的な診療を行う医師を養成し、専門医との役割分担を行う必要がある。
○ こうした課題への対応として、総合的な診療を行う医師や専門医の養成のあり方について、国において検討を行う必要がある。
(3)医師確保対策のあり方
○ 医師不足地域の医師確保の観点から、キャリア形成支援等を通じて都道府県が地域の医師確保に責任を持って取り組むため、法制化等により、都道府県の役割を明確化すべきである。
○ また、都道府県は、医療圏ごと、診療科ごとの医師の需給の状況を把握した上で、より必要性の高いところに医師を供給するなど、きめ細かい対応を行うことが必要である。
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医師等確保対策における都道府県の役割が強調されています。
「基本的な考え方」では、人口あたり医師数の少なさが言及されていましたが、都道府県では人口あたり医師数を増減することはできません。
人口あたり医師数、看護師数は都道府県差が大きく、全国平均より遥かに多い福岡県には医学部が4校、看護学部が11校(+1校新設予定)もあります。
都道府県内での偏在の解消は都道府県の役割かもしれませんが、全国的な遍在の解消の方向性が見えません。

平成24年診療報酬・介護報酬改定(119)

2011 年 12 月 12 日 月曜日

先週(12月8日)の社会保障審議会医療部会では「医療提供体制の改革に関する意見(案)」が提示されています。
審議会の意見ですので、厚生労働省はこの意見を踏まえて、医療提供体制の改革に必要な事項について更に所要の検討を進め、医療法等の改正を行うことになります。
意見(案)では、「基本的な考え方」として次のように言及しています。
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○ 我が国の医療提供体制は、戦後、公的病院・民間病院の整備が図られ、50年前に国民皆保険制度を実現して以来、全国民に必要な医療サービスを保障していくため、医療提供体制の一層の充実が図られ、その結果、世界最長の平均寿命を達成するなど、高い保健医療水準を実現してきた。
○ その一方で、急速な少子高齢化の進展、人口・世帯構造や疾病構造の変化、医療技術の高度化、国民の医療に対するニーズの変化など、医療を取り巻く環境は大きく変化している。しかしながら、我が国の医療提供体制は、機能の分化が十分とは言えず、また、必要な医療サービスが不足しているなど、こうした変化に十分に対応できていない。
○ さらに、国際的に見た人口当たりの医師数は少ないなど医療を担う人材の不足や、医師の地域・診療科偏在などが課題とされ、また、救急患者の受入れの問題、地域医療の困窮など様々な課題に直面している。
○ 限りある医療資源の中で、世界に冠たる我が国の医療制度を将来にわたって維持・発展させていくには、現在抱えている様々な課題に取り組みつつ、医療を取り巻く環境の変化に対応した、より効率的で質の高い医療提供体制の構築を目指していく必要がある。
○ 本年6月に取りまとめられた「社会保障・税一体改革成案」においても、医療・介護の分野について、病院・病床機能の分化・強化と連携、地域間・診療科間の偏在の是正、在宅医療の充実等といった改革項目が示され、政府・与党においては、この改革成案に基づき更に検討を進め、その具体化を図ることとされたところである。
○ このような状況の中で、国民が安心で良質な医療を受けることができるよう、①医師等の確保・偏在対策、②病院・病床の機能の明確化・強化、③在宅医療・連携の推進、④医療従事者間の役割分担とチーム医療の推進といった視点から、医療提供体制の機能強化に向けた改革に積極的に取り組んでいくべきである。
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最後の段落が「基本的な考え方」のまとめになりますが、抽象的です。
意見(案)では個別の論点の具体的言及が続きます。

平成24年診療報酬・介護報酬改定(118)

2011 年 12 月 11 日 日曜日

社会保障審議会医療保険部会の「議論の整理」(12月6日)では、「6.給付の重点化・制度運営の効率化」については次のように整理されています。
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医療費は増大する一方で、厳しい経済情勢を反映し、保険財政は非常に厳しい現状にある。また、今後は、更なる高齢化の進展、医療の高度化、医療提供体制の機能強化等により、医療費が増加することが見込まれている。
このような中、国民の信頼に応え得る高機能で中長期的に持続可能な医療保険制度とするためには、必要な機能の充実は図りつつ、給付の重点化・制度運営の効率化も併せて行っていくことが必要である。
成案においても、このような観点から、重点化・効率化を同時に実施することとされており、受診時定額負担のほか、次のような項目が盛り込まれており、議論を行った。
このほか、行政刷新会議等においても、給付の重点化・制度運営の効率化に関する施策が求められている。
(医薬品の患者負担)
○ 市販医薬品の価格水準を考慮して医薬品の患者負担を見直すとの考え方については、診療報酬体系が複雑化するおそれがあるといった意見や過度な患者負担を求めるべきでないといった意見があった。また、市販医薬品については、消費者が自ら選択して服薬するものであり、医師の処方による医療用医薬品とは性質が異なることや、使用方法が異なるものの負担を比較することは困難であるという意見もあった。
(後発医薬品の使用促進)
○ 平成24年度に後発医薬品のシェアを30%とするとの目標の下に、診療報酬上の評価、患者への情報提供、処方せん様式の変更、医療関係者の信頼性向上のための品質確保など、総合的な使用促進を図る。
○ 行政刷新会議の「政策提言型仕分け」において出された、先発品と後発品の差額の一部を患者負担とするとの考え方については、過度な患者負担を求めるべきでないといった意見があった。
(入院時の食費・居住費)
○ 入院時の食費・居住費については、①入院時の食事管理は治療の一環であり、通常の食事とは区別して考えるべき、②居住費の負担が入院前の住居との二重の負担にならないようにすべき、等の理由から、見直しに慎重な意見が大勢を占めた。なお、一部の委員からは、事業仕分けの考え方に基づき見直しを進めるべきとの意見もあった。
(現金給付(傷病手当金)の見直し)
○ 傷病手当金について、不正請求防止の観点等から、①支給上限額の設定や、②標準報酬の平均額に基づき支給額を決定すべきとの意見があったが、これらについては、保険料負担に応じた給付という傷病手当金の基本的な考え方や実務のコストの面から問題との意見があった。
○ また、不正請求の防止に加え、保険者機能の強化の観点から、事業主への質問・調査権限の法律上の明確化を検討すべきである。
(生活習慣病予防)
○ 特定健診・保健指導について、「保険者による健診・保健指導等に関する検討会」での議論や制度導入からこれまでの実績を踏まえ、その在り方を検討し、引き続き生活習慣病を予防する取組を推進する。
(ICT利活用の推進、レセプト審査の質の向上・業務の効率化)
○ 本年4月に電子レセプトによる請求が原則化されたが、今後もレセプト電子化が猶予されている医療機関について電子レセプトへの移行を勧奨するなど、更なるレセプトの電子化を推進することにより、レセプト審査の質の向上・業務の効率化を図る。
(保険者による適正受診の勧奨等の保険者機能の発揮)
○ 保険者による被保険者に対する受診勧奨や頻回・重複受診への指導、重症化予防などの取組など保険者機能の発揮による制度運営の効率化等を推進する。
(療養費の見直し)
○ 柔道整復等の療養費について、審査体制の強化などその適正な支給を求める意見が多かったこと、会計検査院等からも指摘を受けていること、療養費は国民医療費の伸びを近年上回って増加している現状などを踏まえ、平成24年療養費改定において適正化するとともに、関係者による検討会を設け、中・長期的な視点に立って、柔道整復療養費等の在り方の見直しを行う。
(医療費適正化計画)
○ 以上の取組のほか、国及び都道府県は、特定健診・保健指導の実施による国民の健康の保持の推進と平均在院日数の短縮等による医療の効率的な提供の推進を柱とする医療費適正化計画を策定し、医療費の適正化を図っている。このうち、医療の効率的な提供の推進については、療養病床に係る目標を凍結したことや、成案において新たな医療提供体制の方向性が示されたことも踏まえ、平成25年度からの新たな計画期間における目標の在り方等を検討し、引き続き医療費の適正化を推進する。
(国保組合の補助率の見直し)
○ 3大臣合意(平成22年12月17日、国家戦略担当大臣・財務大臣・厚生労働大臣)を踏まえ、保険者間の公平を確保する観点から、所得水準の高い国民健康保険組合(以下「国保組合」という。)に対する国庫補助の見直しを行う。
○ なお、所得水準の高い国保組合についても、国庫補助を完全に廃止することは財政運営への影響が大きい、国庫補助を廃止した場合には、保険料の上昇により加入者が脱退し、国保組合の解散等の可能性もあることから財政影響について精査する必要がある、という意見もあった。
以上のほか、短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大、産休期間中の保険料免除といった年金改革とともに進めていくべき課題もある。当部会として意見の隔たりがあった点もあるが、社会保障・税一体改革は喫緊の課題であり、厚生労働省においては、当部会における種々の意見に十分に留意しつつ、改革を進められたい。
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医薬品の患者負担の見直し、後発医薬品の使用促進、入院時の食費・居住費の見直し、現金給付(傷病手当金)の見直し、生活習慣病予防、ICT利活用の推進、レセプト審査の質の向上・業務の効率化、保険者による適正受診の勧奨等の保険者機能の発揮、柔道整復等の療養費の見直し、医療費適正化計画、国保組合の補助率の見直し・・・と、様々な具体策が列挙されていますが、具体策の中に、医療機関の経営人材の資質の向上が挙がっていません。
制度運営の効率化のためには当事者たちが「効率的に」業務をこなすことが大前提であり、それなしに制度をあれこれ改変したところで効率的ではありません。

平成24年診療報酬・介護報酬改定(117)

2011 年 12 月 10 日 土曜日

社会保障審議会医療保険部会の「議論の整理」(12月6日)では、「5.協会けんぽの財政健全化の取組」については次のように整理されています。
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協会けんぽについては、リーマンショックによる被保険者の報酬の下落等による財政悪化を受け、平成24年度末までの間、被用者保険における後期高齢者支援金の3分の1を、総報酬割とするとともに、国庫負担割合を13%から16.4%に引き上げる等の特例措置を講じている。
しかしながら、平成21年度から3年連続で保険料率が上昇しており、平成24年度には10%を超える見込みであり、健保組合との保険料率の乖離が急速に拡大している。
○ 協会けんぽの財政悪化が進む中、被用者保険における後期高齢者支援金の全面総報酬割を早急に実施するとともに、協会けんぽへの国庫負担割合を健康保険法本則に規定された上限割合である20%に引き上げるべきとの意見があった。
○ 他方、総報酬割の拡大は、前期高齢者の財政調整への公費投入とあわせて行うべきである、協会けんぽと健保組合との所得格差に起因する保険料率の格差の是正のための財源は、健保組合等に肩代わりさせるべきではないとの意見があった。
○ 協会けんぽの財政運営は、単年度の収支ではなく複数年度で均衡させる中期財政運営の考え方を導入すべきとの意見があった。
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協会けんぽの財政危機は過去最悪の赤字に苦しんでいる健保組合より更に深刻です。
保険料率の10%突破が必然の情勢ですが、折半負担義務がある企業にとっては保険料率の上昇は税率の上昇と同じことであり、企業の経済活力を損ないます。

平成24年診療報酬・介護報酬改定(116)

2011 年 12 月 9 日 金曜日

社会保障審議会医療保険部会の「議論の整理」(12月6日)では、「3.市町村国保の財政基盤の安定化・強化・広域化」については次のように整理されています。
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○ 市町村国保は、被用者保険と比べて、①年齢構成が高く医療費水準が高い、②所得水準が低い、③所得に占める保険料負担が重い、④保険料収納率が低いという構造的な問題を抱えている。このため、市町村が多額の一般会計繰入を行うなど、市町村財政にとっても大きな負担となっている。
○ また、市町村合併後も、財政運営が不安定になるリスクの高い小規模保険者が依然として多数存在しているほか、医療費や所得、保険料の市町村格差が大きく、所在する市町村によって保険料が異なることに対する不公平感もある。
○ こうした市町村国保の構造的な問題に対応するため、低所得者保険料軽減の拡充や所得水準の低い保険者に対する支援の拡充等の財政基盤の強化を行うとともに、財政運営を都道府県単位に広域化することにより、財政基盤の安定化を図ることが必要である。
○ 今年2月から開催されている「国民健康保険制度の基盤強化に関する国と地方の協議」において、市町村国保の財政基盤強化策及び財政運営の都道府県単位化の具体的内容については、引き続き協議を行った上で、税制抜本改革とともに、制度見直しを行う。
(注)成案の別紙2「社会保障改革の具体策、工程及び費用試算」において、「併せて検討」とされている「被用者保険の適用拡大」については、現在、「短時間労働者に対する社会保険適用等に関する特別部会」において議論されている。
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市町村国保の財政運営を都道府県単位に広域化することが「必要」との整理です。
市町村国保の都道府県単位化は、次の「4.高齢者医療制度の見直し」と大きく関連します。
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高齢者医療制度の見直しについては、高齢者医療制度改革会議において平成22年12月に最終とりまとめが行われたが、成案において、「高齢者医療制度改革会議のとりまとめ等を踏まえ、高齢世代・若年世代にとって公平で納得のいく負担の仕組み、支援金の総報酬割導入、自己負担割合の見直しなど」を行うとされていることを踏まえ、検討を行った。
○ 高齢者医療制度の見直しは、市町村国保の都道府県単位化を含め、最終とりまとめにおいて示された方針に沿って着実に行っていくべきとの意見があった。
○ 他方、最終とりまとめに沿って後期高齢者医療制度を廃止しても、運営上の年齢区分は残ること、高齢者間に新たな不公平が発生すること等の問題がある、同制度は既に定着しており、拙速に新制度に移行して混乱を招くことがないよう、現行制度の改善により安定的な運営に努めるべきとの意見があった。
○ 後期高齢者医療制度の先行きに関する被保険者や現場の不安を解消するため、可能な限り速やかに将来に向けた方針が示され、充分な準備期間をもって迅速に実行される必要があるとの意見があった。
○ 高齢者医療に関する国民の理解を得ていくため、また、現役世代による負担の増大を抑制するため、後期高齢者医療制度や前期高齢者の財政調整に対する公費拡充が必要であるとの意見が大勢を占めた。
○ 後期高齢者支援金については、被用者保険における負担の公平の見地から、また、協会けんぽに対する緊急的な措置として、全面総報酬割を早急に実施すべきとの意見があった。他方、総報酬割は高齢者医療制度の見直し全体の中で行うべきであり、これのみを抜き出して実施することは不適当との意見があった。
○ 70~74歳の方の患者負担割合については、現行法上、2割負担と法定されている中で、毎年度約2000億円の予算措置を講ずることにより、1割負担に凍結されているところ、最終とりまとめにおいて、個々人の負担が増加しないよう配慮するとともに、現役世代の保険料負担の増加にも配慮し、70歳に到達する方から段階的に本来の2割負担とする旨が提案されていることを踏まえ、議論を行った。
○ 70~74歳の患者負担については、世代間で不公平が生じている状況を踏まえ、法律上2割負担とされていることを尊重する観点からも、速やかに法定割合に戻すことが適当とする意見が多かった。なお、一部の委員からは、日本の患者負担割合は国際的に見て高水準にある中で、患者負担割合は1割のままとすべきとの意見もあった。
○ 最終とりまとめに盛り込まれている後期高齢者負担率の見直しは、高齢者の負担を軽減する一方で、現役世代にとっては負担増であることから、これを実施する場合には、現役世代への経済的支援をあわせて行うべきとの意見があった。
○ 前期高齢者納付金の算定上、保険者の負担が過大にならないように設けられている前期高齢者加入率の下限を引き下げるべきとの意見があった一方、その見直しを行うのであれば、高齢者医療制度の見直し全体の中で検討すべきとの意見があった。
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高齢者医療制度はどのように見直しても利害の調整が必要となります。
結論に至るにはまだまだ議論が必要のようです。

平成24年診療報酬・介護報酬改定(115)

2011 年 12 月 8 日 木曜日

社会保障審議会医療保険部会が「議論の整理」をまとめました(12月6日)。
「社会保障・税一体改革成案」の具体化に向けての議論の整理です。
「1.地域の実情に応じたサービスの提供体制の効率化・重点化と機能強化」については次のように整理されています。
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○ 成案には、病院・病床機能の分化・強化と連携(急性期医療への医療資源の集中投入等)、在宅医療の充実、重点化・効率化等が盛り込まれており、これを着実に実現していく必要がある。平成24年度の診療報酬・介護報酬の同時改定はこの実現に向けた第一歩とすべく、「平成24年度診療報酬改定の基本方針」を医療部会とともに取りまとめた。
○ 来年度の改定のみならず、超高齢社会のあるべき医療の姿を見据えつつ、引き続き、「平成24年度診療報酬改定の基本方針」に盛り込まれた「将来を見据えた課題」について関係審議会で議論を重ねていく。
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病床の機能分化、在宅医療の充実が診療報酬改定の基本方針として揺らぎがないことが示されています。
「2.高度・長期医療への対応(セーフティネット機能の強化)と給付の重点化」については次のように整理されています。
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○ 近年、医療の高度化により、がんの患者など長期にわたって高額な医療を受ける方が増えており、これらの方の負担を軽減し、医療保険のセーフティネット機能の強化が求められている。
○ 現在の高額療養費制度は、70歳未満の一般所得者の所得区分の年収の幅が大きい(年収約210万~790万円)ため、低所得層の負担が重くなっている。また、自己負担上限額が月単位で設定されているため、自己負担上限額は超えない水準の負担で、長期にわたって療養される方の負担が軽減されない場合がある。
○ これらの課題に対応するため、自己負担上限額を細分化し、中低所得層の負担を重点的に軽減するとともに、年単位で新たに上限額を設定する改善案について検討を行った。
○ 高額療養費の改善の必要性については、異論がなかったが、財源をどのように賄うかについては、意見が分かれた。
○ 高額療養費の改善については、昨年度の当部会でも議論したが、保険財政が厳しい中、更に高額療養費の改善による給付費の増加を保険料の引き上げで賄うことは困難である等の意見があり、改善は見送られたという経緯がある。
○ 今年度の検討においては、6月に取りまとめられた成案で、セーフティネット機能の強化と給付の重点化を併せて実施する観点から、「高額療養費の見直しによる負担軽減と、その規模に応じた受診時定額負担等の併せた検討(病院・診療所の役割分担を踏まえた外来受診の適正化も検討)。ただし、受診時定額負担については低所得者に配慮。」とされたことを踏まえ、高額療養費改善の財源として、外来受診時に100円(低所得者は50円)の受診時定額負担について議論を行った。
○ 受診時定額負担については、①患者だけが負担するのでなく、健康な人も含めて保険料や公費で広く負担すべき、②受診抑制により病状が悪化するおそれがある等の理由から、導入に反対の意見があった。
○ 一方で、①医療費は保険料・公費・自己負担の組み合わせで確保する必要があるが、保険財政の現状を考えると、高額療養費の改善を保険料の引き上げで賄うのは困難、②財源を保険料に求める場合、負担の大部分が若年者に転嫁される等の理由から、受診時定額負担も一つの選択肢との意見もあった。
〇 また、保険者ごとの財政影響が異なることを踏まえた議論を行う必要がある、財源の問題は理解するが、高額な医療を受ける患者は大変困っており高額療養費の改善は早急に実施して欲しいという意見もあった。
○ なお、成案では「病院・診療所の役割分担を踏まえた外来受診の適正化も検討」とされており、大病院での外来の受診時のみ定額負担を求めることについても検討を行ったが、これにより高額療養費の改善に必要な財源を賄うべきとの意見はなかった。
○ 高額療養費の改善により、長期にわたって療養される方の負担を軽減することは喫緊の課題であり、財源の確保とあわせてさらに検討を進める必要がある。
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長期療養者の高額療養費の負担軽減についての整理ですが、財源の確保策がまとまらなかったため、結論は出ていません。
社会保障・税一体改革成案で財源として提案されていた受診時定額負担については反対意見が明記してあります。

平成24年診療報酬・介護報酬改定(114)

2011 年 12 月 7 日 水曜日

介護給付費分科会の審議報告(案)では福祉用具貸与・特定福祉用具販売について次のように報告されています。
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福祉用具貸与については、利用者の状態に応じた福祉用具の選定や介護支援専門員等との連携を強化するため、福祉用具専門相談員が利用者ごとに個別サービス計画の作成を義務付ける見直しを行う。
また、介護給付費通知の取組みや福祉用具の価格情報の公表等を通じて、価格の適正化に向けた取組みをさらに推進する。
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福祉用具の価格の地域差が大きい実態があるようです。
競争が生じにくい流通では、価格が不当に高値となりがちです。
かつては医療機器の流通も閉鎖的で、同じ商品が医療用というだけで価格が数十倍になるようなものがありました。
価格情報の公表・公開は有効な是正策です。

平成24年診療報酬・介護報酬改定(113)

2011 年 12 月 6 日 火曜日

介護給付費分科会の審議報告(案)では介護保険施設について次のように報告されています。
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介護保険施設については、「生活重視型の施設」又は「在宅復帰支援型の施設」として、医療提供のあり方を含め、各施設の機能に応じた評価を行う。
(1)介護老人福祉施設
介護老人福祉施設については、対象となる者などの要件を適切に設定した上で、終末期における外部の医師によるターミナルケア等を推進するなど、施設における看取りの対応を強化する。
介護老人福祉施設の入所者の重度化に対応し、施設の重点化・機能強化等を図る観点に立って、要介護度別の報酬の設定を行う。
地方分権一括法等により、「参酌すべき基準」とされた特養の居室定員(1名)については、 あくまでも国が定める基準は、1名(個室)である。また、 要介護高齢者の尊厳の保持と自立支援を図る観点からは、居宅に近い居住環境の下で、居宅における生活に近い日常生活の中で入所者一人ひとりの意思と人格を尊重したケアを行うことが求められている。さらに、多床室と個室では入所者1人当たりのコストに差がある。これらに鑑み、平成24年4月1日以降新設される介護老人福祉施設で、個室以外のものについては、介護報酬を減額することとする。
認知症の症状が悪化し、在宅での対応が困難となった場合の受入れについて評価を行う。
(2)介護老人保健施設
介護老人保健施設については、在宅復帰支援型の施設としての機能を強化する観点から、在宅復帰の状況及びベッドの回転率を指標とし、機能に応じた報酬体系への見直しを行う。
また、在宅復帰・在宅療養支援機能を強化するため、在宅復帰支援機能加算の算定要件の見直しを行う。併せて、入所中に状態が悪化し、医療機関に短期間入院した後、再度入所した場合の必要な集中的なリハビリテーションを評価するとともに、別の介護老人保健施設に転所した場合の取扱いを適正化する見直しを行う。
入所前に入所者の居宅を訪問し、早期退所に向けた施設サービス計画の策定及び診療方針を決定した場合、並びに地域連携診療計画に係る医療機関から利用者を受入れた場合について評価を行う。
また、入所者の医療ニーズに適切に対応する観点から、肺炎や尿路感染症など軽症の疾病を発症した場合における施設内での対応について評価を行う。
認知症の症状が悪化し、在宅での対応が困難となった場合の受入れ及び在宅復帰を目指したケアについて評価を行う。
施設における看取りの対応を適切に評価する観点から、ターミナルケア加算について算定要件及び評価の見直しを行う。
(3)介護療養型老人保健施設・介護療養型医療施設
介護療養型老人保健施設については、医療ニーズの高い利用者の受入れを促進する観点から、機能に応じた報酬体系に見直しを行う。その際、評価を高くする基本施設サービス費については、喀痰吸引・経管栄養を実施している利用者割合及び認知症高齢者の日常生活自立度を算定要件とする。
また、介護療養型医療施設から介護療養型老人保健施設への転換を支援する観点から、有床診療所を併設した上で転換した場合に、一定の範囲内で増床が可能となるよう見直しを行う。
さらに、介護療養型老人保健施設における看取りの対応を強化する観点から、ターミナルケア加算について算定要件及び評価の見直しを行う。
なお、現在実施している施設基準の緩和等の転換支援策については、平成30年3月31日まで引き続き実施する。また、経過型介護療養型医療施設について、平成30年3月31日まで転換期限を延長し、新規指定を認めないこととする。
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「看取り」の課題に取り組む施設として介護保険施設が強化されます。
老人保健施設は、かつて創設された当時は「中間施設」と称され、医療機関から在宅へ復帰する過程で一時的に入所する施設として位置づけられていました。
入所が長期化して施設の性格が曖昧となってきたためか、在宅復帰支援型の施設としての機能が強化されます。
また、介護保険施設における経口移行・維持の取組と口腔機能向上の取組について、次のように報告されています。
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介護保険施設における経口維持、経口移行の取組みを推進し、栄養ケアマネジメントの充実を図る観点から、経口維持加算及び経口移行加算については、言語聴覚士との連携を強化し、経口維持加算については歯科医師との連携の算定要件を見直す。
介護保険施設の入所者に対する口腔ケアの取組みを充実する観点から、口腔機能維持管理加算について、歯科衛生士が入所者に対して直接口腔ケアを実施した場合の評価を行う。
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介護職員による喀痰吸引等の実施については次のように報告されています。
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社会福祉士及び介護福祉士法の一部改正によって、介護福祉士及び一定の研修を受けた介護職員等が、一定の条件の下にたんの吸引等を実施することが可能となったことに伴い、介護老人福祉施設及び訪問介護の既存の体制加算に係る重度者の要件について、所要の見直しを行う。
また、介護職員によるたんの吸引等は、看護職員との情報共有や適切な役割分担の下で行われる必要があるため、訪問介護事業所と連携し、利用者に係る計画の作成の支援等を行う訪問看護事業所について評価を行う。
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平成24年診療報酬・介護報酬改定(112)

2011 年 12 月 5 日 月曜日

介護給付費分科会の審議報告(案)では介護予防サービスについて次のように報告されています。
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(1)訪問系サービス
介護予防訪問介護については、訪問介護の見直しとの整合性を図る見直しを行う。
また、サービス提供責任者とリハビリテーション専門職との協働による訪問介護計画の作成に対する評価や、サービス提供責任者の任用要件や、人員配置基準について、訪問介護と同様の見直しを行う。
介護予防訪問リハビリテーションについては、訪問リハビリテーションと同様の見直しを行う。
(2)通所系サービス
介護予防通所介護及び介護予防通所リハビリテーションについては、生活機能の向上に資するサービスを効果的に提供する観点から、選択的サービスのうち、複数のプログラムを組み合わせて実施した場合の評価を創設するとともに、通所介護、通所リハビリテーションと同様に、基本サービス費の適正化及びサービス提供事業者と同一建物に居住する利用者について、送迎分の適正化を行う。
また、自立支援に資するサービスを、必要な利用者に適切に提供する観点から、事業所評価加算の算定要件の見直しを行う。
介護予防通所介護については、アクティビティ実施加算を見直し、新たに生活行為向上プログラムを評価するとともに、人員配置基準について、通所介護と同様の見直しを行う。
予防給付は、介護予防に効果があるものに重点化する観点から、次期介護報酬改定に向けて、効果が高いサービス提供の在り方について検証を行う必要がある。
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介護予防に関し訪問系サービスと通所系サービスしか言及されていませんが、積極的な医療介入(たとえば眼科医療介入による失明予防、失明による転倒予防など)によっても介護予防が図れます。
議論が「医療と介護の連携」にまでは至っていないようです。

平成24年診療報酬・介護報酬改定(111)

2011 年 12 月 4 日 日曜日

介護給付費分科会の審議報告(案)では地域密着型サービスについて次のように報告されています。
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(1)定期巡回・随時対応型訪問介護看護
定期巡回・随時対応サービスについては、日中・夜間を通じて1日複数回の定期訪問と随時の対応を介護・看護が一体的に又は密接に連携しながら提供するサービスであり、中重度者の在宅生活を可能にする上で重要な役割を担うサービスである。
利用者が、必要なタイミングで必要なサービスを柔軟に受けることを可能にするとともに、事業者の安定的運営を図る観点から要介護度別・月単位の定額報酬を基本とした報酬を設定するとともに、必要な人員・設備・運営基準を設定する。
人員基準については、訪問介護員等及びオペレーターについて、それぞれ常時1名を配置することとし、看護職員については、医療・看護ニーズへの対応のため、常勤換算 2.5名以上の配置に加え常時オンコール体制を義務付ける。なお、定期巡回・随時対応サービス事業所と訪問介護・夜間対応型訪問介護・訪問看護事業所が一体的に運営される場合の職員の兼務を可能とする。
オペレーターの任用要件については、現行の夜間対応型訪問介護と同様の有資格者を配置することとした上で、地域の実情に応じて人材確保が可能となるよう訪問介護事業所で3年以上サービス提供責任者として従事した者を一定程度認める。
また、特に夜間等における人材の有効活用を図る観点から特別養護老人ホーム、介護老人保健施設等の施設・事業所に従事する夜勤職員について、利用者の処遇に影響のない範囲内において定期巡回・随時対応サービスのオペレーター等との兼務を可能とする。
また、区分支給限度額の範囲内で柔軟に通所・短期入所系サービスを利用者の選択に応じて提供することを可能とするための給付調整を行う。これらのサービス利用時には日割り計算を実施する。
サービス付き高齢者向け住宅等の集合住宅に併設する事業所が当該住宅に居住する利用者に対してサービス提供を行う場合、地域包括ケアの推進の観点から地域への展開を義務付ける。
なお、サービス付き高齢者向け住宅や、定期巡回・随時対応サービスの実施状況について、適切に実態把握を行い、必要に応じて見直しを行う。
(2)複合型サービス
小規模多機能型居宅介護と訪問看護の複合型サービスについては、利用者の状態に応じた通い・泊まり・訪問(介護・看護)サービスを柔軟に提供する観点から、要介護度別・月単位の定額報酬を基本とした報酬を設定するとともに、医療ニーズの高い利用者に対し、適切なサービス提供が可能となるような人員・設備・運営基準を設定する。
登録定員および従事者の配置数等については、原則として小規模多機能型居宅介護に準ずるものとする。
医療・看護ニーズへの対応のため、看護職員の配置等については以下のとおりとする。
①看護職員は2.5名(うち1名は看護師又は保健師)を基準とし、訪問(看護)サービスの看護職員による24時間対応体制の確保をしている場合には高い評価を行う。
②泊まりサービスの看護職員については、夜勤・宿直の配置の限定をせず、必要に応じて対応できる体制の確保を基準とする。
③柔軟な人員配置のため、訪問看護事業所と一体的な運営をしている場合には、兼務を認める。
④管理者については、常勤専従とし、(a)認知症の利用者に対する3年以上の介護経験を有し研修を修了した者、又は(b)訪問看護の知識と技能を有する保健師又は看護師のいずれかを選択できるものとする。
必要な設備、施設については、小規模多機能型居宅介護及び訪問看護の基準に準ずるものとする。
複合型サービス事業所に配置された看護職員は訪問看護指示書により、医師からサービス利用時の指示を受けることで事業所内でも日常生活を送る上で必要不可欠な診療の補助を行い、実施した看護内容等については主治医に報告を行う仕組みとする。
また、事業開始時支援加算について、小規模多機能型居宅介護と同様に平成27年3月末までの時限措置として設定する。
複合型サービスの実施状況について、適切に実態把握を行い、必要に応じて見直しを行う。
(3)小規模多機能型居宅介護
小規模多機能型居宅介護については、認知症高齢者等の在宅生活を支える重要なサービスとして更なる普及を促進する必要がある。一定程度の事業規模を確保し、人材の有効活用を進めることにより経営の安定化を図りつつ、利用者にとってより身近な地域でのサービス提供を可能になるよう、サテライト型の小規模多機能型居宅介護事業所を創設する。なお、サテライト型の実施についてはサービスの質の確保を図る観点から、医療・介護・福祉サービスについて3年以上の実績を有する法人であり、本体事業所が安定したサービス提供を行っている場合に限るものとする。
また、事業開始時支援加算については平成24年3月末までの時限措置としていたが、今後増加が見込まれる認知症高齢者等の在宅サービス基盤のさらなる充実を図る観点から、要件について一定の見直しを行った上で平成27年3月末まで継続する。
(4)認知症対応型共同生活介護
認知症対応型共同生活介護については、介護保険制度開始当初は、利用者の平均要介護度が比較的軽度であったが、利用者の平均要介護度の高まりへの対応を強化する観点から、フラット型となっている現行の要介護度別の基本報酬体系を見直すとともに、ユニット数別の報酬設定による適正化を図る。併せて、看取りの対応を強化する観点から、看取り介護加算の評価を見直し、認知症対応型共同生活介護事業所の配置看護師又は近隣の訪問看護事業所との連携により看取りを行う。
さらに、夜間における利用者の安全確保を強化する観点から、夜勤職員の配置基準の見直しを行うとともに、夜間ケア加算の見直しを行う。
また、認知症対応型共同生活介護の在宅支援機能の強化を図る観点から、短期利用共同生活介護及び共用型認知症対応型通所介護の事業実施要件として設定されている「事業所開設後3年以上」の規定の緩和を行う。
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「定期巡回・随時対応」「医療ニーズへの対応」「認知症対応」も介護の重要課題です。
これらの課題は住民に身近な自治体の責務として体制が整備される地域密着型サービスとして充実が図られますが、熱心な地域とそうでない地域との格差が医療格差以上に広がるかもしれません。

平成24年診療報酬・介護報酬改定(110)

2011 年 12 月 3 日 土曜日

介護給付費分科会の審議報告(案)では短期入所系サービスについて次のように報告されています。
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(1)短期入所生活介護
短期入所生活介護については、緊急時の円滑な受入れを促進する観点から、緊急短期入所ネットワーク加算を廃止し、一定割合の空床を確保している事業所の体制や、居宅サービス計画に位置付けられていない緊急利用者の受入れについて評価を行う。
また、地域における柔軟なサービス提供を促進する観点から、基準該当短期入所生活介護の医師配置基準及び居室面積基準を緩和する見直しを行う。
(2)短期入所療養介護
短期入所療養介護については、介護老人保健施設における医療ニーズの高い利用者の受入れを促進する観点から、病院、診療所における重度療養管理と同様の評価を行う。
また、緊急時の受入れを促進する観点から、緊急短期入所ネットワーク加算を廃止し、緊急時の受入れを評価する見直しを行う。
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また、特定施設入居者生活介護については次のように報告されています。
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特定施設入居者生活介護については、看取りの対応を強化する観点から、特定施設において配置看護師による看取り介護を行った場合に評価を行う。
さらに、一定の要件を満たす特定施設については、家族介護者支援を促進する観点から、特定施設の空室における短期利用を可能とする見直しを行う。
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介護の課題のひとつに緊急時の対応があり、臨機応変の短期入所体制を整えようとするものです。

平成24年診療報酬・介護報酬改定(109)

2011 年 12 月 2 日 金曜日

介護給付費分科会の審議報告(案)では通所系サービスについて次のように報告されています。
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(1)通所介護
機能訓練指導員の多くを看護職員が兼務しているという実態や、看護職員が行う看護業務の実態を踏まえ、評価を見直すとともに、利用者の自立支援を促進するという観点から、個別の対応を重視した機能訓練(生活機能向上を目的とした訓練)を適切な体制で実施した場合の評価を行う。
小規模型通所介護については、通常規模型通所介護事業所と小規模型通所介護事業所のサービス提供に係る管理的経費の実態を踏まえ、スケールメリットに着目した報酬設定は維持しつつも、その評価の適正化を行う。
サービス提供時間の実態を踏まえるとともに、家族介護者への支援(レスパイト)を促進する観点から、サービス提供の時間区分を見直すとともに12時間までの延長加算を認め、長時間のサービス提供をより評価する仕組みとする。
あわせて、事業者がより柔軟に事業を実施し、より効果的なサービス提供が可能となるよう、人員基準について、常勤換算方式の導入、単位ごとの配置から事業所ごとの配置へと見直しを行う。
(2)療養通所介護
療養通所介護については、人材の効率的な活用という観点から、利用定員について見直しを行う。
(3)通所リハビリテーション
通所リハビリテーションについては、医療保険から介護保険の円滑な移行及び生活期におけるリハビリテーションを充実させる観点から、リハビリテーションマネジメント加算や個別リハビリテーション実施加算の算定要件等について見直しを行う。併せて、サービス提供時間ごとの評価の整合性を図る観点から、評価の見直しを行う。
また、手厚い医療が必要な利用者に対するリハビリテーションの提供を促進する観点から、要介護度4又は5であって、一定の状態である利用者の受入れを評価する見直しを行う。
なお、サービスの質を評価する観点から、利用者の要介護度の変化を指標とした評価について検討を行ったが、明確な相関関係が認められなかったため、引き続き、評価の方法について検討を進める。
通所系サービス事業所と同一建物に居住する利用者については、真に送迎が必要な場合を除き、通所系サービスに係る送迎分の評価の適正化を行う。
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具体的な見直しが幾つも述べられています。
「適正化」は、引き下げを意味します。

平成24年診療報酬・介護報酬改定(108)

2011 年 12 月 1 日 木曜日

介護給付費分科会の審議報告(案)では訪問系サービスについて次のように報告されています。
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(1)訪問介護
生活援助の時間区分について、サービスの提供実態を踏まえるとともに、限られた人材の効果的活用を図り、より多くの利用者に対し、そのニーズに応じたサービスを効率的に提供する観点から、45分での区分を基本とした見直しを行う。
自立支援型のサービスの提供を促進し、利用者の在宅における生活機能向上を図る観点から、訪問リハビリテーション実施時にサービス提供責任者とリハビリテーション専門職が、同時に利用者宅を訪問し、両者の協働による訪問介護計画を作成することについての評価を行う。
サービス提供責任者の質の向上を図る観点から、サービス提供責任者の任用要件のうち「2級課程の研修を修了した者であって、3年以上介護等の業務に従事した者」について、段階的に廃止する。また、人員配置基準については、利用者数に応じた基準に見直しを行う。なお、介護報酬の減算及び人員基準の見直しについては、現にサービス提供責任者として従事する者の処遇に配慮する観点から、一定の経過措置を設ける。
1日複数回の短時間訪問により中重度の在宅利用者の生活を総合的に支援する観点から、新たに身体介護の短時間区分を創設する。なお、当該区分の算定に当たっては、早朝・夜間を含めた対応が可能な一定の事業所において、定期的なサービス担当者会議によるアセスメントを義務付けるとともに、定期巡回・随時対応サービスへの移行を想定した要件を付すこととし、次期介護報酬改定において必要な対応を行うこととする。
(2)訪問看護
短時間かつ頻回な訪問看護のニーズに対応したサービスの提供の強化という観点から、時間区分毎の報酬や基準の見直しを行う。
訪問看護ステーションの理学療法士等による訪問看護について、時間区分及び評価の見直しを行う。
在宅での看取りの対応を強化する観点から、ターミナルケア加算の算定要件の緩和を行う。
また、医療機関からの退院後に円滑に訪問看護が提供できるよう、入院中に訪問看護ステーションの看護師が医療機関と協働した訪問看護計画の策定や初回の訪問看護の提供を評価するとともに、特別な管理を必要とする者についての対象範囲と評価の見直し、さらに、特別管理加算及び緊急時訪問看護加算については、区分支給限度基準額の算定対象から除外する見直しを行う。
(3)訪問リハビリテーション
訪問リハビリテーションについては、利用者の状態に応じたサービスの柔軟な提供という観点から、リハビリ指示を出す医師の診察頻度を緩和するとともに、介護老人保健施設から提供する訪問リハビリテーションについては、病院・診療所から提供する訪問リハビリテーションと同様の要件に緩和する。
リハビリテーション専門職が、訪問リハビリテーション実施時に、訪問介護のサービス提供責任者と同時に利用者宅を訪問し、サービス提供責任者に指導及び助言を行うことについて評価を行う。
訪問リハビリテーションの提供状況の地域格差を是正する観点から、本体事業所と一体となったサテライト型の訪問リハビリテーション事業所の設置を可能とする見直しを行う。
(4)居宅療養管理指導
居宅療養管理指導については、医療保険制度との整合性を図る観点から、居宅療養管理指導を行う職種や、居住の場所別の評価について見直しを行う。
居宅介護支援事業所との連携の促進という観点から、医師及び歯科医師が居宅療養管理指導を行った場合に、ケアマネジャー等への情報提供を必須とする見直しを行う。
小規模の薬局における対応を強化する観点から、緊急時など対応が困難な場合についてのみ、予め連携している別の薬局の薬剤師が提供することを可能とする見直しを行う。
看護師による居宅療養管理指導については、算定要件の緩和を行う 。
~~~~~~~~~~~~
医療と介護の連携を促進するための具体的な見直し項目が並んでいます。
また、現実の介護ニーズ(短時間かつ頻回の訪問)に対応するため、時間区分が見直されます。

平成24年診療報酬・介護報酬改定(107)

2011 年 11 月 30 日 水曜日

介護給付費分科会の審議報告(案)では居宅介護支援・介護予防支援について次のように報告されています。
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居宅介護支援については、自立支援型のケアマネジメントを推進する観点から、特定事業所加算により引き続き質の高い事業所について評価を行うとともに、サービス担当者会議やモニタリングを適切に実施するため、運営基準減算について評価の見直しを行う。
また、医療との連携を強化する観点から、医療連携加算や退院・退所加算について、算定要件及び評価の見直しを行う。併せて、在宅患者緊急時等カンファレンスに介護支援専門員(以下「ケアマネジャー」という。)が参加した場合に評価を行う。
介護予防支援については、地域包括支援センターの包括的・継続的ケアマネジメント支援の機能を強化するとともに、業務負担を軽減する観点から、居宅介護支援事業所への委託制限(1人8件)を廃止する見直しを行う。
ケアマネジメントについては、利用者像や課題に応じた適切なアセスメントができていないのではないか、サービス担当者会議における多職種協働が十分に機能していないのではないか、医療関係職種との連携が不十分なのではないか、施設におけるケアマネジャーの役割が不明確なのではないか等さまざまな課題が指摘されている。これらの課題に対して、介護報酬における対応に加えて、より根本的なケアマネジメントの在り方の検討が求められている。
次期介護報酬改定までの間に、地域包括支援センターを中心とした「地域ケア会議」等の取組みを通じて多職種協働を推進するとともに、ケアプランやケアマネジメントについての評価・検証の手法について検討し、ケアプラン様式の見直しなど、その成果の活用・普及を図る。また、ケアマネジャーの養成・研修課程や資格の在り方に関する検討会を設置し、議論を進める。
~~~~~~~~~~~~
ダブル改定の要である「医療と介護の連携」を確保するための基本的方針です。
居宅介護支援については、医療連携加算、退院・退所加算、在宅患者緊急時等カンファレンスに介護支援専門員(ケアマネジャー)が参加した場合の評価などが考慮されています。
地域包括支援センターを中心とした「地域ケア会議」等の取組みを通じた多職種協働の推進が言及されていますが、全国的に多職種協働の地域ケア会議の開催が日常的になれば、医療と介護の連携は飛躍的に推進します。

平成24年診療報酬・介護報酬改定(106)

2011 年 11 月 29 日 火曜日

介護給付費分科会の審議報告(案)では地域区分の見直しについて次のように報告されています。
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地域区分については、介護保険制度創設時は、国家公務員の調整手当(当時)に準拠していたことや、地域区分の実態調査結果では現行の地域割り(5区分)より国家公務員の地域手当(7区分)の方が実態に合致していることなどから、現在の特甲地の区分を3分割し、地域割りを7区分にする見直しを行う。また、適用地域や上乗せ割合についても、国家公務員の地域手当に準じた見直しを行う。なお、適用地域について、国の官署が所在しない地域においては、診療報酬における地域加算の対象地域の設定の考え方を踏襲する見直しを行う。
なお、地域区分の見直しに伴い、報酬単価の大幅な変更を緩和する観点から、各自治体の意見を踏まえ、平成26年度までの3年間は経過措置を設定する。
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地域区分は人件費が高い地域の介護報酬を高くするための制度設計です。
人件費水準は国家公務員の地域手当との相関が強いので区分変更は妥当ですが、遠距離通勤が当たり前となってきた時代にあっては、介護報酬に呼応して給与水準が高い都市部が資質の高い介護職員を囲い込みがちな制度であるともいえるでしょう。

平成24年診療報酬・介護報酬改定(105)

2011 年 11 月 28 日 月曜日

今回からしばらく介護給付費分科会の審議報告(案)に記載された各サービスの報酬・基準見直しの基本的方向について紹介します。
介護職員の処遇改善に関する見直しについては次のように報告されています。
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平成21年度補正予算において、介護職員の給料を月額平均1.5万円引き上げる、介護職員処遇改善交付金が政策措置として創設されたが、平成23年度までの時限措置であり、基本給の引き上げではなく、一時金や諸手当等により対応している事業者が多いという現状である。
介護職員の根本的な処遇改善を実現するためには、補正予算のような一時的な財政措置によるのではなく、事業者の自主的な努力を前提とした上で、事業者にとって安定的・継続的な事業収入が見込まれる、介護報酬において対応することが望ましい。
介護職員の処遇を含む労働条件については、本来、労使間において自律的に決定されるべきものである。他方、介護人材の安定的確保及び資質の向上を図るためには、給与水準の向上を含めた処遇改善が確実かつ継続的に講じられることが必要である。そのため、当面、介護報酬において、事業者における処遇改善を評価し、確実に処遇改善を担保するために加算を設けることはやむを得ない。
この加算は介護職員の処遇改善が定着したかを検証した上で、次期介護報酬改定の際に見直しを行うべきである。
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事業所の収入が多ければ職員の給与が上がり、少なければ給与が下がるのは当然のことで、利用者増などで事業所の介護収入が増えれば介護職員の処遇は改善できます。
事業所の介護収入を上げる手法として補助金や介護報酬のアップが議論されているのですが、介護職員の資質が利用者の多寡に直結するような制度に介護保険制度が成熟してゆけば、質の高い介護職員の獲得競争が生まれ、おのずと介護職員の給与水準は上昇してゆくことでしょう。
そのような視点が盛り込まれていないのが残念です。

平成24年診療報酬・介護報酬改定(104)

2011 年 11 月 26 日 土曜日

24日には社会保障審議会の介護保険部会も開催されました。
この日の介護保険部会では「介護分野の制度見直しに関するこれまでの議論の整理(案)」が提示されています。
負担能力に応じた保険料負担(介護納付金の総報酬割導入)、低所得高齢者の保険料軽減、所得や要介護度に応じた利用者負担割合の引き上げ、要支援者に対する給付対象の見直し(予防効果の評価)、ケアマネジメントへの利用者負担の導入、多床室の室料負担、資産に着目した負担、軽度要介護者(要介護度1、2)の施設サービスの負担強化、施設サービスの重度者向け重点化、介護職員の処遇改善などに関する議論が整理されていますが、ほとんどの論点について賛否両論が併記されています。
しかし、結論部分である「おわりに」の章では、次のようにまとめられており、賛否いずれかへ議論がまとめられてゆきそうです。
「以上、社会保障・税一体改革における介護分野の制度見直しに関する議論を行い、これまでの議論を整理した。各項目とも賛否それぞれの立場からの意見がみられたが、今後急速な高齢化に伴い、増加する介護費用を公平に分担し、サービス提供体制の効率化・重点化と機能強化の取組を支えるためには、負担能力に応じた負担の要素の強化及び重度化予防に効果のある給付への重点化など給付の見直しについて、検討が必要である」

平成24年診療報酬・介護報酬改定(103)

2011 年 11 月 25 日 金曜日

昨日(24日)の介護給付費分科会に「平成24年度介護報酬改定に関する審議報告(案)」が提出されました。
介護報酬改定については、ここに示された基本方針に従い具体的な単位表の作成が行われますが、全体の改定率は未定です。
報告(案)には、「介護報酬の全体的な水準については、賃金・物価の下落傾向、介護事業者の経営状況の改善傾向などを踏まえつつ、介護給付費の増加による保険料の上昇幅をできる限り抑制する必要がある一方、介護職員の処遇改善の維持の必要性は減じていないことにも留意して、適正なものとすることが必要である」との記載があります。
報告(案)によれば、改定の基本的な視点は次の通りです。
1.地域包括ケアシステムの基盤強化
介護サービスの充実・強化を図るととともに、介護保険制度の持続可能性の観点から、給付の重点化や介護予防・重度化予防について取り組み、地域包括ケアシステムの基盤強化を図ることが必要である。
このため、高齢者が住み慣れた地域で生活し続けることを可能にするため、
①高齢者の自立支援に重点を置いた在宅・居住系サービス
②要介護度が高い高齢者や医療ニーズの高い高齢者に対応した在宅・居住系サービス
を提供する。
また、重度者への対応、在宅復帰、医療ニーズへの対応など、各介護保険施設に求められる機能に応じたサービス提供の強化を図る。
2.医療と介護の役割分担・連携強化
医療ニーズの高い高齢者に対し、医療・介護を切れ目なく提供するという観点から、医療と介護の役割分担を明確化し、連携を強化することが必要である。
このため、
①在宅生活時の医療機能の強化に向けた、新サービスの創設及び訪問看護、リハビリテーションの充実並びに看取りへの対応強化
②介護施設における医療ニーズへの対応
③入退院時における医療機関と介護サービス事業者との連携促進
を進める。
3.認知症にふさわしいサービスの提供
認知症の人が住み慣れた地域で可能な限り生活を続けていくため、小規模多機能型居宅介護、認知症対応型共同生活介護、介護老人福祉施設、介護老人保健施設において必要な見直しを行う。
また、今後の認知症施策の方向性を考える上で、認知症の人への対応について、以下のような流れに沿った基本的枠組みが、全国で構築されることが必要である。
・在宅の認知症の人やその疑いのある人について、その症状や家族の抱える不安などの状況把握を行うとともに、専門医療機関における確定診断や地域の医療機関(かかりつけ医)からの情報提供を受け、対象者の認知症の重症度、状態像等についてのアセスメントを行う。
・地域包括支援センター等を中心として、医療・介護従事者、行政機関、家族等の支援に携わる者が一同に会する「地域ケア会議」を実施し、アセスメント結果を活用したケア方針(将来的に状態像が変化し重症となった場合や緊急時対応等を含む。)を検討・決定する。
このような基本的枠組みを全国で構築していくためには、
①認知症早期診断・対応体制の確立と認知機能の低下予防、
②認知症にふさわしい介護サービス事業の普及、
③認知症ケアモデルの開発とそれに基づく人材の育成、
④市民後見人の育成など地域全体で支える体制の充実、
が必要であり、今後、調査・研究等を進め、次期介護報酬改定に向けて一定の結論が得られるよう議論を行う。
4.質の高い介護サービスの確保
介護サービスの質を評価するため、要介護度等の変化を介護報酬上評価することについて「介護サービスの質の評価のあり方に係る検討委員会」において検討が進められたが、要介護度等は様々な要因が複合的に関連した指標であり、その変化には時間がかかるとともに、利用者個人の要因による影響が大きいとの指摘がなされた。
しかしながら、介護サービスの質を向上させることは、大変重要な課題であるため、まずは、要介護認定データと介護報酬明細書(レセプト)データを突合させたデータベースを構築し、その上で、具体的な評価手法の確立を目指して、必要な分析と検討を継続する。この時、質の評価指標として、要介護度の変化以外の尺度についても検討すべきである。

平成24年診療報酬・介護報酬改定(102)

2011 年 11 月 22 日 火曜日

DPCの機能評価係数Ⅱの具体化については、中医協総会で、①現行6 項目に関する見直し、②追加導入を検討する項目、③医療機関群設定との関係、の3つの視点で「今後の対応方針」が整理されました。
①現行6 項目に関する見直し
効率性指数、複雑性指数、カバー率指数については現行の評価方法を基本とし、地域医療指数については、次の見直しが提示されました。
i) 地域で発生する患者に対する各病院のシェアを中心に、退院患者調査データを活用した地域医療への貢献の定量的評価を導入する(定量的な評価指標を追加する)。
ii) 地域医療計画等における一定の役割を評価する現行のポイント制についても現状を踏まえ必要な見直しを行う。
救急医療係数については、包括評価だけでは適正な評価が困難であるため、報酬額を直接算出する「係数」としての取扱いを廃止する方針が提示されました。
ただし、救急医療提供への取組みを阻害しないためのメッセージとして、救急医療へのインセンティブを引き続き明示するという観点から各医療機関における救急医療の診療実績を反映する「救急医療指数」として引き続き評価されます。
救急医療の体制に係る評価は地域医療指数の体制評価項目において対応されます。
データ提出指数については、提出データの質的指標(評価指標)について、コーディングの実態や臨床的な視点から更なる精緻化を行う方針が提示されました。
②追加導入を検討すべき項目
「診療情報活用の評価」の導入について提示されました。
退院患者調査等のデータを活用し、病院自らが患者や住民に対して積極的に自施設の診療に関する追加的な情報も含めて情報を提供することにより、診療内容の透明化や改善の促進が期待できるます。
これらの取組みをインセンティブとして評価することの提示ですが、平成24年改定では対応せず、導入の是非や具体的な方法等も含めて検討を継続する方針です。
③医療機関群設定との関係
機能評価係数Ⅱ各指数の評価手法や評価基準の設定について、3つの医療機関群の特性を踏まえつつ、それぞれの指数に応じて、全医療機関共通とするものと医療機関群毎に設定するものとに分けて設定する方針が提示されました。

平成24年診療報酬・介護報酬改定(101)

2011 年 11 月 20 日 日曜日

18日の中医協総会では、DPC評価分科会による「基礎計数設定のための医療機関群の具体化」「機能評価計数Ⅱの具体化」の検討結果が提示され、概ね了承されました。
日本の医療保険は全国どこでも医療行為ごとに料金は一律です、と説明されることが多いのですが、DPC制度の場合はそうとはいえません。
DPC制度は、同じ医療行為でも、医療機能が充実した病院では診療報酬が高く評価される制度です。
まだ導入されて間もない制度なので試行錯誤段階であるともいえますが、提示された改正案では、病院を3つのグループ(大学病院本院群、高診療密度病院群、その他の急性期病院群)に分け、グループごとに診療密度を考慮した基礎係数が設定されます。
基礎係数が大きいほど診療報酬が高くなります。
また、グループごとに異なるレベルで救急医療係数や地域医療係数などが設定されます。
これらの係数も、大きいほど診療報酬が高くなります。
どのグループに分類されるかで診療報酬が大きく異なりますので、「高診療密度病院群」の要件が関係者の関心の的です。
高診療密度病院群に位置付けられるためには、
・一定以上の診療密度
・一定以上の医師研修の実施
・一定以上の高度な医療技術の実施
・一定以上の重症患者に対する診療の実施
のすべてについて実績要件を満たすことが必要です。

平成24年診療報酬・介護報酬改定(100)

2011 年 11 月 19 日 土曜日

次期診療報酬改定の基本方針は12月上旬に社会保障審議会より示される予定ですが、基本方針(案)が17日に社会保障審議会の医療部会に示されました。

医療保険部会には24日に示される予定です。

本案では、病院勤務医など負担の大きな医療従事者の負担軽減、医療・介護の役割の明確化、地域における連携体制の強化の推進、地域生活を支える在宅医療などの充実が重点課題として提示されています。

具体策としては、救急外来や外来診療の機能分化の推進、チーム医療の促進、看取りに至るまでの医療の充実、訪問看護、在宅歯科・薬剤管理の充実などが挙げられています。

基本方針には「視点」が明示されますが、本案では次の4つの視点が示されています。

・充実が求められる分野を適切に評価する

・患者等から見て分かりやすく納得でき、安心・安全で生活の質にも配慮した医療を実現する

・医療機能の分化と連携等を通じて、質が高く効率的な医療を実現する

・効率化の余地があると思われる領域を適正化する

これらの視点は既に関係者には折り込み済みで、中医協ではこれらの視点を軸に論点整理作業が進行しています。

基本方針(案)に特段の目新しい事項はありませんが、中医協の議論に「お墨付き」が与えられる意義としては大きく、中医協で提示されている大胆な案(病床区分の機能分化等)が、具体化に向けて一歩前進することになります。

病床区分の機能分化には医療法改正等の手順が必要になり、医療法改正に関する議論は社会保障審議会医療部会で別途進行中です。

法改正は来年4月には間に合いませんが、「一般病床」の診療報酬評価のための類型化であれば施設基準等の変更で実施可能です。

平成24年診療報酬・介護報酬改定(99)

2011 年 11 月 16 日 水曜日

先週10日に開催された介護給付費分科会では、介護保険の施設サービスについて、かなり踏み込んだ議論がなされています。

介護老人福祉施設、特定施設入居者生活介護、介護老人保健施設、介護療養型医療施設・介護療養型老人保健施設の基準と報酬についての改正の方向性が提示されています。

この日はほかに小規模多機能型居宅介護と福祉用具についても議題となっていますので、先週までに、介護保険サービス体系がほぼ網羅されて議題とされたことになります。

介護療養型医療施設(介護療養病床)は先の介護保険法改正で廃止が6年間先延ばしとなってしまいましたが、報酬は「適正化」され、従前と同じだけの収益は期待できなくなりそうです。

そこで、老人保健施設への転換を促すための方策として、介護療養病床から有床診療所を併設する老人保健施設へ転換する場合、併設する有床診療所の病床数と同数を上限に、老人保健施設の増床を認める案が提示されています。

すなわち、現状よりも、有床診療所の病床分だけ総病床数が増えるということで、経営的には多少有利になります。

また、転換型の老人保健施設については、医療必要度等を評価してより高い報酬が設定される「強化型」基本施設サービス費の新設も提案されています。

従来型の老人保健施設については、退所者の自宅復帰率やベッド回転率が低い施設の基本施設サービス費が「適正化」され、老人保健施設にも在宅復帰や在宅療養支援機能の充実が求められることになりそうです。

平成24年診療報酬・介護報酬改定(98)

2011 年 11 月 14 日 月曜日

先週の中医協総会のメインテーマは「在宅医療」でした。
医療と介護の連携のポイントは、医療ニーズを有する要介護者への医療の提供にありますので、次期改定の最大課題のひとつであるといえます。
厚生労働省が示した、在宅医療の充実に向けた課題と論点は次の通りです。
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【課題】
• 少子高齢化等に伴い、今後在宅医療の需要が高まることが予想され、社会保障改革に関する集中検討会議において、在宅医療を担う診療所等の機能強化等が提示されている。
• しかしながら、在宅療養を行うに当たっては、介護者の不在、患者の不安、在宅医療サービスの不足等の課題が存在している。
• 現在、在宅療養支援診療所・病院への評価を行っているが、小規模の医療機関も多く、24時間対応や緊急時の対応、看取りを含めたターミナルケア等を行う体制の確保が課題となっている。
• 在宅での緩和ケアについても評価を行っているが、推進できていない状況にある。
• 在宅療養支援診療所は、人口密集地に多いという地域偏在が認められる。
• 今後、更なる医療と介護の連携を構築するに当たって、地域全体のコーディネートを行う拠点機能が求められている。
【論点】
○ 今後、高齢者向け住宅の普及に伴って、自宅以外で在宅療養を行う患者への医療サービスの提供について、どのように考えるか。
○ 在宅医療サービスの充実を図るに当たって機関の機能分化と連携等に、在宅医療を担う医療よる機能強化について、どのように考えるか。
○ 在宅での看取りを含めたターミナルケアの充実について、どのように考えるか。
○ 在宅緩和ケア等、患者のニーズに応じた医療サービスの提供について、どのように考えるか。
○ 在宅医療を担う医療機関の地域性について、どのように考えるか。
○ 地域における医療と介護の連携の拠点となる機能について、どのように考えるか。
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大詰めのこの時期において、論点として「どのように考えるか」と提起されたものについては、何の解決策も示さないままにしておくわけにはいきませんので、何らかの腹案があるはずです。
急変時に対応できる24時間往診可能な体制、ターミナルケア・看取りを行うことができる体制、緊急入院が必要な際に病床を有する医療機関との連携等に関する診療報酬の評価が充実されるはずですが、医師が少なく、小規模な在宅療養支援診療所単独では、24時間対応や、急変時の対応、看取りを含めたターミナルケアまで行う体制の確保は困難な場合もありますので、在宅医療を担う医療機関の機能分化と連携による機能強化がポイントとなります。
中医協では、目指すべき機能分化と連携のイメージ案として、次の3つのパターンが提示されています。
①複数の医師等が在籍し、自院のみで完結する有床の在支診
②複数の医師等が在籍し、ほぼ自院のみで完結するが、緊急時の入院のみ在支病と連携する在支診
③在支病を含む他の医療機関等と連携・補完し合う在支診

平成24年診療報酬・介護報酬改定(97)

2011 年 11 月 13 日 日曜日

中医協(総会)の開催頻度が週2回のペースとなってきました。

11月になって2日(水)、9日(水)、11日(金)と開催され、今週は16日(水)、18日(金)に開催されます。

前回改定の際は政権交代以降の委員改選などで足踏みがあり本格審議のスタートが遅れましたが、それでも10月末から27回に及ぶ開催で22年改定に漕ぎ着けました。

前回改定時の開催頻度は次の通りでした。

(2009年)

8月30日政権交代。

(9月)

18日、30日開催。

(10月)

30日開催。医療経済実態調査の報告(平成21年6月実施)。

(11月)

4日、6日、10日、11日、13日、18日、20日、25日、27日開催。

(12月)

2日、4日、9日、11日、16日、18日、22日開催。

(2010年1月)

13日、15日、20日、27日、29日開催。

(2月)

3日、5日、8日、10日、12日開催。22年診療報酬改正案答申。

 

今回は着手が前回より2か月ほど早く、次期改定に向けての具体的な審議は既に10回ほど行われていますが、今回は介護報酬改定との同時改定ですので、審議すべき事項も多く、11月以降は前回並みの開催密度が必要となるかもしれません。

中医協総会とは別に、介護給付費分科会との合同会合も行われました。

合同会合で提起された意見に次のようなものがあり、これらの課題を審議するためにも10回程度の審議の場が必要となるでしょう。

【地域包括ケアシステム】

・地域における医療と介護の包括的なネットワークのシステム化とネットワークにおける拠点の構築が必要。

・地域全体の医療と介護のコーディネート役を担う地域連携拠点(ハブ)を一定の圏域毎に設置することが不可欠である。

・地域包括ケアシステムの構築は医療者などプロフェッショナルの努力によって可能であるが、このシステムの運営には、支援が必要である。

・ハブの運営責任の所存は、基礎的自治体である市町村なのか、関係団体の連合体なのか整理が必要である。

・ハブの運営責任は、市町村が望ましいのではないか。

・ハブの運営責任を市町村とした場合、介護保険の保険者は市町村であるが、医療保険の保険者は職域と市町村に分立しているため、ワークさせるためには医療保険の保険者のあり方についても併せて整理が必要である。

・地域の医療と介護のコーディネーターにはMSW やケアマネジャーを活用するべきであるが、ケアマネジャーの質に課題がある。

・医療と介護の連携は実態としてはまだまだ進んでおらず、個々の施設がそれぞれ個別に動いている印象である。両部門の連携を進めながら、理想に近づけていく必要があり、そのための長期の工程表が必要なのではないか。

・地域包括ケアシステムを構築する場合に費用対効果やサービスの効率的な提供についても併せて検討することが必要である。

・地域包括ケアシステムの構築には、多職種連携を促進することが重要である。

【在宅医療・訪問看護・リハビリテーション】

・医療と介護の両者から提供されるリハビリや訪問看護について、利用しやすい仕組みに見直すべきである。退院直後の訪問看護や、急なADLの低下時のリハビリは、医療保険から給付した方が利用しやすいのではないか。

・訪問看護とリハビリの役割は大きい。これらの役割分担を明確化し、どのように連携を行うかを考えていくべき。

・訪問看護を充実するためには、働きやすい環境が大切。医療と介護を結びつけるのは訪問看護である。

・訪問看護は重要であるが、病院と訪問看護ステーションで看護師の奪い合いになっている現状があり、人材の確保が重要。

・訪問看護であるにも関わらず、訪問介護と似たようなサービスしか提供できていない現状。訪問看護の質を向上させる必要がある。また、訪問看護と訪問介護の連携を強化すべきである。

・介護施設では医療が包括化されていたり、外付けだったりとマチマチであるが、こうしたルールの見直しに向けた議論が必要なのではないか。

【認知症ケア】

・認知症のケアは、介護保険の弱点であり、全く標準化できていない。ケアは、医療と介護の連携なしでは成り立たない。

・認知症についてはケア論が確立されておらず、医療と介護の役割が整理されていない現状である。

・認知症に対する早期発見、早期対応の取組が重要であり、鑑別診断ができる医師を養成する必要がある。その上で、鑑別診断に基づく個別ケアを実施するべきである。

・認知症の方に適切に往診できる在宅医を養成する必要がある。

・認知症で重度のBPSDが出たら投薬が効果的だが、そのためにはしっかりした薬剤管理のできる医師の適切な関わりが必要。

【ターミナルケア】

・看取りについて、在宅で亡くなる方のうち在支診で看取っているのは1/4程度で、あとはかかりつけ医が看取っている。在支診の届出が少ないのは24時間、365日の対応に自信がないからである。これの対応としては、グループ型の診療と診療報酬上の評価が必要である。

【療養病床転換について】

・療養病床の転換は、事務的な問題であり、医療と介護の連携のテーマになじまない。

・介護報酬上、療養病床の転換を支援するような仕組みを検討するべきである。

・療養病床の転換が進まないのは、方針を安易に転換した国に対し、現場の信頼がないことが要因である。

・療養病床の転換が進んでいないのは、地域性が影響している。例えば北海道、高知、福岡、沖縄など高齢者病院が多い地域は、療養病床の削減が難しい現状である。

【その他】

・介護保険制度はサービスの標準化が遅れており、社会保険制度とは思えないようなサービスの広がりが見られる。改めて福祉における社会保険制度のあり方について検討するべきである。

・現場感覚からすると、介護保険はサービスを必要としない高齢者にまでサービスを提供している印象がある。

・医療と介護の連携は、川上、川下問題ともいえる。例えば、病院で多くの高齢者に胃ろうを造設し、介護施設に送られている現状であり、施設は人的、コスト的な負担が大きい。

・川上、川下問題は、医療と介護の情報共有の問題である。退院時の支援について医療と同様に介護においても評価してはどうか。