‘経済界の医療改革案’ カテゴリーのアーカイブ

公的医療保険の再編・統合:経済同友会

2009 年 8 月 30 日 日曜日

日本の医療は保険制度抜きには語れません。

経済同友会の報告書の最後の提言は、公的医療保険の地域単位での一元化です。

「市町村国保では、より広域化した運営により、財政基盤の安定化や保険料の平準化が求められている。

企業の健保組合についても、地域型健保組合の設立が認められている。

公的医療保険を都道府県等の地域保険として再編・統合し、将来的に一元化することは、公的医療保険制度の今後の一つのあり方として検討に値する。

一元化に向けた制度設計においては、個人番号制度による正確な所得捕捉、被用者の保険料における企業負担や、被扶養者の扱い、運営主体等の課題はある。

しかし、わが国において保険者がその本来的な機能を発揮し、加入者の代表として医療サービスの提供側に対し一定の影響力を持つためにも、地域を軸にした公的医療保険の一元化が考えられる」

昨年来、後期高齢者医療や協会けんぽなど、医療保険の運営を都道府県単位に再編する動きが始まりましたが、市町村国保の広域化の動きは鈍いようです。

赤字が大きい国保はどこも抱えこみたくありませんので利害調整が困難です。

市町村国保は問題が大きすぎて、他の保険者も一元化という名のもとの統合には抵抗があります。

市町村国保は、保険料の地域差が広がりすぎて、社会保障の平等性がもはや崩れてしまっています。

保険料の未納者が数割を占め、皆保険とはとてもいえない状態の市町村もたくさんあります。

医療サービスの提供側への影響力があれば、こんな状態になるまで放置されることもなかったのでしょうが、市町村単位では影響力を発揮するためのノウハウがありません。

都道府県単位に一元化すれば影響力を持てるようになるか否かはわかりません。

医療の地域経営に長けた人材を確保できるか否が命運を分ける鍵となるでしょう。

診療報酬のあり方:経済同友会

2009 年 8 月 29 日 土曜日

報告書では、診療報酬について触れていないわけではありません。

医師の技術料の区分と定額払いの拡大について言及しています。

「基幹病院と周囲の診療所等との連携を強めるために、オープンシステムを拡大するにあたり、医師の技術料(ドクター・フィー)と病院の開設・運営費(ホスピタル・フィー)を分離することが必要と考えられる。

診療報酬体系において、医師の技術料を区分するには、技術評価の方法等について議論を要するが、医療行為の難易度を反映した設定にすることで、医師の技術向上のインセンテ

ィブにもなり得る。

医師が標準医療を行うことを促すためには、定額払いの拡大が求められる」

ドクターフィーとホスピタルフィーの分離は、従前より、主として医師サイドから主張されていたことです。

医師の技術料が(不当に)低く抑えられていることが主張の背景にあり、当然のことながら、ドクターフィーの設定は医師の技術料の再評価により、診療報酬の上昇を誘発します。

また、当然のことながら医師の給与にも反映します。

この十数年の病院経営は、医師の昇給を実質的に凍結することで切り抜けてきた側面があります。

ドクターフィーの分離で歪みが一気に表在化することで、多数の病院が経営危機に陥ってしまうおそれがあります。

医師の過酷な労働環境を改善するためには好ましい提言ですが、チーム医療は、ドクターフィーが明確に分離されていないことでスムーズに発展してきました。

今や、日本の医療は医師だけが実施しているのではなく、難易度が高い医療であればあるほど、多職種の総合力が発揮されています。

チーム医療の時代、ドクターフィーの分離は時代錯誤かもしれません。

定額払いについても、ドクターフィーとホスピタルフィーとを分離しないほうが、クリティカルパスをチームで実現する標準医療の普及のためには良いと思われます。

産業としての医療の発展について(3):経済同友会

2009 年 8 月 28 日 金曜日

雇用促進という観点でも報告書は言及しています。

「医師、看護師、コメディカルといった専門性を要する人材のみならず、例えば病院のユーザビリティを高める業務等、医療におけるサービスの向上を担う人材も求められる。

こうした多様な人材の雇用を創出することが、地域での若年層の定着や経済の活性化に繋がり、地域医療を支える社会的、経済的基盤が強化されるという好循環を作り出せる」

雇用促進のため、医療従事者の労働環境等の改善も求めています。

「医療サービスへの従事者を増加させるには、労働環境や待遇の改善、キャリアパスの提示等が必要である。

規制緩和により、看護師やコメディカルの業務領域を拡大し、専門性を高めることは、医師の労働環境の改善にも繋がる。

診療報酬を病院、診療所の役割に応じた配分にし、看護師等についても業務内容に応じた処遇ができる仕組みを作ることが求められる。

育児と仕事との両立ができるような勤務形態の実現に医療機関で積極的に取組むことも、医療サービスでの雇用促進を考える上で重要である」

保険診療外で産業が発展し、それが雇用促進となれば好ましいことです。

しかし、保険診療の枠内での雇用促進や待遇改善は、医療費に占める人件費比率の上昇を意味します。

医療において人件費比率が高いことが経営にどう影響するかについては、医療の産業特性を踏まえての再考が必要ですが、一般論として、人件費比率が高い組織は経営的に硬直した組織だとされています。

産業としての医療の発展について(2):経済同友会

2009 年 8 月 27 日 木曜日

サービス産業としての発展について、報告書では次のように述べています。

「在宅医療を促進していく上でのサポートや、より日常性、快適性のある入院や受診ができる病院内の環境整備等に企業の参入を促進する。

東洋医学等の代替医療・補完医療におけるサービスの提供や、健康の維持、回復、向上等を目的にした公的医療保険適用外の医療サービスと観光とを組み合わせたメディカル・ツーリズムを、海外からの利用者も対象に展開すること等が考えられる。

医療を通してグローバルにその魅力を発信できるようになれば、地域活性化の一つのモデルにもなり得る」

保険診療外の付加的サービスについては、それが治療効果に大きな影響を与えない限り、保険診療と共存しながら健全に発展させることができるでしょう。

代替医療や補完医療も、自由診療としての発展可能性があるでしょう。

たとえば自然分娩の産科医療は、一時金が支給されるとはいえ、保険診療の対象外として発展してきました。

ここでいう「サービス産業としての発展」の先駆けだといえるかもしれません。

産科医療に関しては、死産、人口妊娠中絶、自然分娩など、年間百万件以上の保険外診療が行われていますが、1件あたり30~40万円が支払われていますので、数十億円の産業規模だということができます。

保険からの出産一時金があるからこそ支払い可能な額だともいえます。

歯科医療におけるインプラント治療も自由診療として順調に発展してきています。

しかし、インプラント治療は、1本あたり数十万円もの支払いが必要です。

日本の医療は、保険診療の枠の中で診療報酬が低く抑えられてきた歴史が長いので、価格統制がなくなれば、提供されるサービスは(保険診療と比較すれば)非常に高いものとなるでしょう。

産業としての医療の発展について(1):経済同友会

2009 年 8 月 26 日 水曜日

報告書では、知識集約的産業として医療における国際競争力を発展させること、サービス産業として関連分野も含めた多様なサービスを展開することを主張しています。

国際競争力の向上については、

「世界水準の医療技術、医薬品等を提供し、国内外から、それらを求める患者を受け入れられることが必要である。

医療は、国境を越えて提供されるサービスになっており、わが国で未承認の先端医療技術の適用や医薬品の使用を望む患者が、それらを求め外国に行く例も少なくない。

製薬企業の研究開発拠点が日本国外に移転する動きもあり、研究開発に要するリソースが流出している」

という現状認識が示されています。

海外の患者を受け入れるには自由診療が前提となります。

日本の医療技術は保険診療を前提として発展してきました。

海外の富裕層のみが享受できる先進医療を指して「世界水準」というのであれば、日本の医療技術は世界水準には達していません。

この状況への対応策として、

「医薬品と医療機器の承認期間の短縮・効率化に向けた一層の体制強化と、治験環境の改善や国際共同治験の推進等に向けた基盤整備が求められる。

基礎研究の成果を臨床研究に応用していくトランスレーショナル・リサーチを、研究機関や医療機関と企業とのコラボレーションの促進により強化していくことや、臨床研究を新たな治療等に円滑に結びつける取組みが必要である。

医療サービスの市場がグローバル化する中で、国内外の需要を取り込むためには、高度先進医療を提供できる優秀な医師や、ライフサイエンス分野等の研究者の国外流出を防ぎ、国内への流入を促進するといった人材の確保も重要である」

という提言がなされています。

承認期間の短縮は、日本の市場を狙った海外企業からの要求でもあります。

日本の医療は、その運営財源をほぼ100%国内調達(保険料、税金、窓口負担)で賄っているのに対し、財源の一部が「国際化」によって一方通行で海外へ流出しています。

海外のものを「買う」一方で「売る」ことがない不公平貿易だといえるでしょう。

承認期間の短縮は、このような「国際化」をさらに進めることになります。

一方通行の「国際化」は経済を衰退させる構造的要因です。

この構図を是正するためには、日本の医療技術へ海外へ「売る」努力をする必要があります。

「売れない」現状があるのであれば、「買わない」「買わなくてすむ」医療にして財源が国内に留まるようにしなければ、産業として健全に発展させることは困難でしょう。

医療サービスの提供体制(2):経済同友会

2009 年 8 月 25 日 火曜日

疾病構造の変化や患者のニーズに応じた医療サービスの提供については、報告書では、次の2点を主張しています。

 

○地域における医療の質の均一化

「原則として医療機関へのフリーアクセスは制限しないが、初期診療や日頃の健康相談への対応は、基本的には診療所の医師が担うとする。

地域における医療サービスを一定水準の質の下で提供するには、診療所の医師に、総合的な診断能力やかかりつけ医としての能力のさらなる向上が求められる。

医療機関間の機能を集約化することにより、基幹病院等においては、医師の診断能力や技術を高めるとともに、地域の患者を受け入れる充分なキャパシティを確保する。

これらの病院が、地域の患者の受け入れに対し責任を持つことも明かにし、患者の受入れが拒否されるような事態が起きないようにする」

フリーアクセスの制限をせずに初期診療を求める患者の流れを診療所へ向かわせるためには、診療所の医師の能力向上しかありません。

その方法論が示されない限り、机上の空論となります。

患者の受け入れキャパシティについても、現状以上のものを求めようとすれば、経済効率を度外視したコスト投入が必要となります。

 

○医療サービスにおける情報の非対称性の縮小

「医療サービスの特徴として、患者側が、サービスの内容や質を理解し、選択するために必要な知識や情報を充分に持っていないという情報の非対称性がある。

これを縮小していくためには、医療機関のアウトカム情報の公開を義務化していく必要がある。

アウトカム情報の公開における指標について地域でガイドラインを設ける等すれば、患者側の選択の基準にもなると考えられる。

インフォームド・コンセントの一層の促進や、患者のカルテ閲覧権の確保等を通し、患者にとって納得が得られる医療サービスを提供していく。

疾病構造の変化や患者のニーズに応じた医療サービスの提供に地域全体で取組むことで、今後、医療をめぐる地域間競争が展開することも期待される」

情報の非対称性の縮小については、それが医療にかかわる様々な問題の解決につながることは従前より言われています。

しかし、健康食品情報の例にも見られるように、非専門化間で流通する情報については、誤った情報が付加されたり、偏った脚色がなされがちです。

情報が対称化されたとしても、片方の情報が誤った情報や偏った情報であれば、別の問題が生まれてきます。

情報の非対称性が大きすぎる現状を是正する方向性に間違いはありませんが、専門家側に圧倒的な情報があるのは当たり前のことであり、非対称性であること自体は是認して医療体制を構築する必要があります。

特に、誤解や脚色が生じがちな情報については、アウトカム情報も含め、情報公開には慎重な姿勢も必要です。

医療サービスの提供体制(1):経済同友会

2009 年 8 月 24 日 月曜日

地域医療における改革の方向性として、報告書では、具体化に向けた方法論を提示しています。

医療機関間の機能と人材等の集約化による効率性の追求については、

「医療機関間の機能の集約化は、貴重な人材を集約することにもなり、医師不足への対応にもなる。

また、高額医療機器等の設備についても、集約化により投資効率を高めることができる」

という理念を具体化するため、診療科の重複の解消とオープンシステムの拡大のための手順が示されています。

「地域単位で医療機関間の機能を集約化していくためには、公費が投入されている公立病院の統廃合の促進等により、地域における病院間での診療科の重複を解消することが求められる。

こうした医療の提供体制における選択と集中の必要性とそれにより期待される効果を、各地域の自治体等が住民に説いていかなければならない。

過疎地域については、ITを活用した遠隔医療の体制整備やドクターヘリ事業の促進等により、医療サービスの提供を確保していく必要がある。

医療機関間の連携強化やネットワーク化に合わせて、診療所等の医師が自身の患者とともに基幹病院に行き、そこにある設備、医療機器等を利用し、治療を行うオープンシステムの拡大が重要になる。」

公立病院改革については、全国各地で真剣な検討が進められているところです。

設立自治体が異なる病院同士の統廃合や診療科の整理は容易なことではありません。

(同一自治体内の病院同士であっても、容易ではありません。)

どちらの自治体も、自治体病院の診療機能を縮小することには抵抗があります。

税金で運営されているから行政的に意のままになるだろう、ということはなく、税金で運営されているからこその経営責任があります。

診療機能の縮小は経営悪化を招きかねません。

自治体病院の4分の3は赤字です。

地域住民に対しても、診療科がなくなる不便についての理解を得ることは困難です。

遠隔医療やオープンシステム、ドクターヘリについても、十数年来、政策誘導が行われてきています。

それらのコスト投入に見合うだけの収益が連携医療機関の双方にもたらされることが普及のポイントです。

しかし、たとえコストの手当てがなされたとしても、多忙な基幹病院の医師には、遠隔地の患者のために割く時間を確保することは容易ではありません。

診療所等の医師も、ひとりふたりの患者とともに基幹病院を往復できるほどの時間的余裕はなかなかありません。

目指すべき地域医療の姿(3):経済同友会

2009 年 8 月 23 日 日曜日

報告書では、地域主体の医療制度に向けた国の役割について、次の3点を述べています。

 

○レセプト完全オンライン化の実施

「地域が医療機関間の連携強化やネットワーク化に取組むためには、医療におけるIT活用の促進や、診療データに基づいた標準医療の設定等の環境整備を国の主導により進めなければならない」

レセプトの完全オンライン化は、2011年度に実現することが閣議決定されています。

 

○医療への個人番号制度の導入による個人勘定での医療費の把握

「医療においても個人番号制度を導入することで、個人勘定での医療費の把握が可能になる。

個人の所得捕捉と合わせれば、所得状況を踏まえたより適切な医療政策の展開にも役立てられる。

わが国では医療政策について、より広く国民の間で、定量的な分析に基づいた議論が行われることが必要である。

レセプト、DPCのデータを活用した医療統計の整備や、個人勘定での医療費の把握により、医療に関する需要を定量的に掴むことができる。

これらのデータが、個人情報の保護等を踏まえた上で、行政のみならず、民間のシンクタンクや研究者等にも共有されるように情報公開が進めば、医療政策について国民的議論を行う素地を作ることができる」

ここに書かれているようなことは技術的には近未来に実現可能でしょう。

しかし、医療費統計の透明性が高まることは、個々の医療機関の収支が丸裸になることでもあります。

銀行からの融資が受けにくくなるかもしれません。

個人勘定での統計は、生命保険会社が喉から手が出るほどほしい情報でもあります。

加入者の条件如何による生命保険料の格差が大きくなることでしょう。

 

○医療の質をめぐる競争でのルール規定

「医療機関間で機能を集約化していく段階では、医療の質をめぐり医療機関が競い合うという方法もあり得る。

こうした競争が健全に行われるとともに、それが地域住民への医療サービスの提供に影響することがないように、国が競争のルールを厳格に定める必要がある」

医療の質で競争が成立するためには、地域住民に「質」が見えなければなりません。

医療法の広告規制を緩和して、誇大広告にならないように「質」をPRできるようなルールを規定することになりますが、具体的にはどのような指標が質の評価指標となりえるでしょうか。

たとえばある病気の死亡率が高いからといって、その病院の質が低いとはいえません。

質の高い病院へは重症患者が集まり、死亡率が高くなります。

他の指標(剖検率、手術件数・・・)も然りで、質とは直接関係ない要因で高くなったりも低くなったりもします。

目指すべき地域医療の姿(2):経済同友会

2009 年 8 月 22 日 土曜日

報告書では、地域医療における連携の強化についての事例(米国Integrated Healthcare Network、千葉県旭中央病院、福岡市東区、神戸医療産業都市)を紹介し、地域単位での医療機関間の機能の集約化、役割分担の明確化、連携やネットワーク化の一層の促進の必要性を主張しています。

「地域の基幹病院と診療所や専門病院等との役割分担が重要であるが、初診は診療所で受け、精密な検査の必要性や症状に応じて基幹病院や専門病院を受診するというように、患者も医療機関間での役割分担に応じた受診行動を取る必要がある」

連携のためには患者のフリーアクセスの見直しも必要とされていますが、現実には患者は設備やスタッフの充実した施設へ引き寄せられます。

診療所からの紹介患者以外は受け付けないとか、軽症患者の診療所への逆紹介を積極的に行うとか、基幹病院がある程度収益を度外視した診療姿勢を示さない限り、連携は容易ではありません。

地域の基幹病院では、経営と執行を分離したガバナンスを構築すべきだとの主張もされています。

「機能の集約化を進めることにより、地域によっては、基幹病院が地域医療を担う責務とともに、医療サービスの提供側として大きな力を持ち、地域医療における独占に繋がることも考え得る。

基幹病院の経営に対する地域住民による監督機能を備えるとともに、地域住民への説明責任があることを明確にする。

地域住民のニーズへの対応とともに、安定的な経営を行っていくために、基幹病院については、経営は医療経営の専門家に任せ、医師は医療のみに従事する経営と執行を分離したガバナンスの構築が求められる。」

経営は医療経営の専門家に任せるべきとの意見は、保健医療経営大学の設立趣旨でもあります。

経済同友会は、株式会社も含め多様な法人が経営を担えるようにすべきだと提言しています。

株式会社が経営を行う基幹病院が、地域内の他の医療機関との連携のために収益を度外視した診療姿勢を示せるかどうかの疑問は残ります。

目指すべき地域医療の姿(1):経済同友会

2009 年 8 月 21 日 金曜日

報告書では、地域医療の改革に必要な要素として次の3点を挙げています。

 

○社会保障としての医療サービスの確保と提供

「初期診療から急性期医療、専門医療、リハビリテーション、介護、健診・予防等、地域住民に必要な一連の医療や介護のサービスが地域単位で円滑かつ効率的に提供され、地域で全体最適が図られることが必要である」

 

○医療サービスの質の充足

「初期診療について、診療所の間での競争が行われたり、手術の結果について、患者の入院期間や医療費等も踏まえて医師の評価が行われることにより、医療サービスの質を一定の水準以上に担保する環境が醸成される」

 

○医療を知識集約的産業、サービス産業として成長させ、地域経済の活性化に繋げる

「国際的に競争力のある高度先進医療等を有することや、関連分野も含めて患者等の多様なニーズに応えるサービスを提供することを通じて、医療は知識集約的産業やサービス産業として成長させることができる」

 

第2点目の「競争」による質の担保については、医療機関間の「競争」が地域内の医療資源配分の非効率性や医療経営の消耗を招いている現実についての検証が必要となるでしょう。

そもそも第1点目の最適化は医療機関間の調整によって実現されることで、「競争」とは対極です。

さらに混合診療の導入などで医療にも価格競争の要素が加わってくると、必ずしも競争が質を担保するとはいえなくなってきます。

百貨店・専門店から消費者が100円ショップへと流れたように、質の高い高負担の医療から家計に優しい低負担の医療へとニーズがシフトする可能性もあるでしょう。

第3点目も、1点目の「社会保障」としての医療サービスの対極です。

「産業」としての医療は、「社会保障」としての医療の別の側面なのか、それとも別の医療なのか、概念整理が必要です。

医療制度の課題(4):経済同友会

2009 年 8 月 20 日 木曜日

地域医療について、報告書は、地域を主体にした医療制度の構築を提言しています。

地域を主体にすることの利点として、

「地域において住民に必要な医療が、効率的かつ一定水準の質が保障された下で提供されることは、患者にとって利便性が高い」

「医療保険制度も地域を軸にした運営にすることにより、医療サービスの提供とそのための負担の関係をわかりやすくできる」

「医療を地域経済を支える産業として捉え、医師、看護師等に加え関連分野の人材を地域で確保することを通して、雇用創造にも寄与できる」

の3点を挙げています。

住民に身近なところで医療が運営されることでサービスの提供と負担の関係がわかりやすくなるのはいいことです。

医療が雇用創造に寄与でき、地域経済にプラスになるという視点も正しいでしょう。

ただ、政府主導の医療が地域主体の医療になっても、大きな医療の負担をどう工面するのか、雇用を新たに創造するだけの負担ができるかの問題は依然残ります。

限られた財源のもと、地域に必要な医療を効率的かつ一定水準の質を保障して提供することは、政府主導で行われてきました。

地域医療の運営は複雑で難しく、医療の地域経営についてのノウハウを有した人材をたくさん必要とします。

政府(厚生労働省)は、医療の地域経営に明るい人材を省内の要所要所に配属して医療を運営しています。

地域を主体にして医療を運営するためには、そのような人材を地域へもたくさん配属しなければなりません。

地域経済や年齢構成など、地域の特性に応じた医療体制を地域ごとに構築すべきことは当然のことです。

医療の運営が地域主体となろうとなるまいと、医療の地域経営に明るい人材が地域に乏しいことが、地域医療の現実の最大の問題点かもしれません。

医療制度の課題(3):経済同友会

2009 年 8 月 19 日 水曜日

報告書では、昨年創設された後期高齢者医療制度について、

「現役世代の医療保険制度からの財政調整が後期高齢者支援金、前期高齢者納付金として残され、健保組合等の財政収支に深刻な影響を及ぼしている。」

とし、高齢者医療制度のあり方についても次のような提言をしています。

 

「高齢者医療制度の財政を支えるために、保険料を通じて、若年世代に過大な負担を求めることは、社会保険の負担と給付の原則から見て問題であるだけでなく、経済社会の活力を失う要因にもなる。

高齢者医療制度については、疾病のリスクや構造が異なる75 歳以上を対象にした高齢者医療制度を存置し、税を主要財源にして、適切な医療を確実に提供できるようにするべきである。

医療保険制度の持続性を確保するためには、現役世代から高齢者医療制度への支援金の拠出は行わず、高齢者に対しても所得に応じた負担を求める仕組みにせざるを得ない。

高齢者医療制度における医療サービスについては、診療データの蓄積とそれに基づいた標準医療を設定し、入院、外来における定額払いを拡大することも求められる。

現役世代の医療費については、保険料と自己負担で賄うことを基本に、税の投入は必要最小限にし、各保険制度の運営主体が規律ある財政運営を行っていくことが必要である。」

 

高齢者医療のための現役世代からの保険料拠出はなくし、その分は税金と高齢者自身の負担で賄え、という主張です。

加入者間の相互扶助、という保険制度の本質に立ち返ればその通りかもしれません。

しかし、この提言は、税収が増加しなければとうてい構築できない仕組みです。

消費税率の大幅アップで可能かもしれませんが、保険料負担(労使折半)が減った分を消費税で補うのであれば、労使の負担は必ずしも軽減されないような気がします。

医療制度の課題(2):経済同友会

2009 年 8 月 18 日 火曜日

報告書では、提供体制における非効率の解消と医療の質の向上のため、次の提言がなされています。

 

○IT活用の促進によるサービスの効率化と医療の質の向上

「医療サービスを効率化するためには、医療機関間の機能の集約化と役割分担の明確化を行わなければならない。

その前提として、医療サービスの需要と、必要な医療機関や病床数、医師数等についての定量的な把握が必要である。

今後、医療分野では、レセプトやDPCのデータといった業務データを活用した医療統計の整備が求められる。

これにより、各地域に必要な医療機関や医師等の人材をより的確に把握できると考えられる。

わが国では、レセプト、カルテの電子化、オンライン化が極めて遅れている。

ITを活用し、医療機関間でこれらの情報共有を促進することで、重複検査等に

よる医療費の無駄遣いを削減することもできる。

さらに、レセプトデータ等の蓄積は、標準医療の設定にも寄与し、量的供給から質の向上へと評価すべき医療サービスを変えていくことにも繋がる。」

 

○医療機関間の機能集約と医療の質の向上

「集約化により、医療機関毎の症例数が蓄積されれば、医師の診断能力や技術が高まり、医療の質の均一化や向上が進む。

医療の質の向上については、医師数や病床数を需要に応じて適切に配置することも必要である。

また、診療科別の医師数についても、需要に応じた配置になっているかを精査する必要がある。

医師不足の問題に関しては、必要な医師数の確保とこれからの医師に求められる能力や技術を踏まえた対応が必要である。

必要な医師数の養成にあたっては、メディカルスクールの創設も求められる。

医師としての能力や技術を高め、それを維持し続けていくためには、初期、後期の臨床研修のあり方を検討することに加え、医師免許更新制の導入といった、医師が生涯を通じてその質を確保する仕組みが必要である。」

 

ITの活用に関する前者の主張は頷けます。

また、医療政策も、その方向で舵取りがなされています。

しかし、我が国でIT化が遅れているのは、IT化のための財源を窮屈な医療費財源に求めているからでしょう。

効率化によって浮く医療費がIT推進の財源になる、というのは机上の空論です。

どの医療施設も、自らの収入(=医療費)が増えることをインセンティブとして、IT導入を検討しています。

 

後者の医療機関の機能集約も、机上論としては頷けます。

これまでの我が国の医療は、医師や医療機関には自主性を重んじた自由主義的放任を行い、その代わり、経済については社会主義的コントロールを維持することで、比較的バランスよい発展を遂げてきました。

経済同友会の提言は、経済については自由主義的放任を求め、医師や医療機関には社会主義的コントロール(組織間調整)を求めるものです。

競争社会において「集約化」や医師の「配置」誘導は現実的には困難です。高度医療機器や専門医を確保した医療施設には利益も集約します。

どの医療機関だって「集約化」を夢見て過剰投資しているのが実情でしょう。

医師免許更新制も、睡眠時間も削って過労状態にある医師たちに、さらに更新のための試験勉強の時間を確保せよというのは酷な話です。

医療制度の課題(1):経済同友会

2009 年 8 月 17 日 月曜日

医療費の増加への対応として、経済同友会の報告書は次の文章から始まっています。

政府の報告書だと医療費抑制が前面に出されるところですが、抑制より管理だと言っています。

 

「医療費の主な増加要因は、医療技術の進歩、経済成長による生活水準の向上、高齢化であるが、これらは豊かさの表れであり、今後も国民が享受し続けたいことである。

したがって、医療費の増加を無理に抑制するのではなく、いかに管理していくかが今後の重要な課題になる。」

 

この着想のもと、次の提言がなされています。

 

○公的医療保険での負担には上限を設ける

「公的医療保険で負担できる範囲には限界がある。

医療費のうち社会保障として給付する部分の増加については、高齢者人口の増加や、経済成長の伸びを踏まえ、その上限を設けることが妥当である。

医療サービスの提供体制を見直し、非効率や無駄をなくすこと、公的医療保険の適用のあり方を検討することが必要である。」

○混合診療を拡大し、医療サービスの選択肢を広げる

「公的医療保険が適用されない医療については、自由診療になる。

患者の同意取得と、不当な上乗せ請求を防ぐための厚生労働省への届出制を前提に、公的

保険適用の診療と患者の自己負担による自由診療との併用を可能にし、混合診療をさらに拡大する必要がある。」

 

医療界で何十年も論争が繰り広げられている「混合診療」の導入の提言です。

現在の医療保険制度は、保険診療と自由診療との混合は、原則として認めていません。

※原則としてというのは、一部の先進医療(治験など)や患者の治療効果に直結しないこと(アメニティなど)については、付加的な支払いで付加的なサービスを許す例外があるためです。

治療効果に直結する医療については、効果ある医療は保険診療による平等な機会を万人に与えるべきとの考え(哲学)のもと、特別な医療を望む人については保険診療の適用をしないで自由診療のみ(すなわち全額自己負担)で受療するルールとなっています。

国民みんなで出し合ったお金が、経済的ゆとりがある人のわがままのために使われるのはよくない、という論理です。

経済同友会は、「保険料を支払っている一方で、公的保険が適用されるべき医療サービスについても自己負担になることは、社会保険に求められる役割に充分に応えていないとも考えられる」という見解です。

診療効果が認められる医療については積極的に保険診療に取り入れ、先進医療や海外承認医薬品など一般化されていない医療については保険対象外となっているのが現状ですが、この制度設計が、保険診療の範囲を際限なく拡げ、医療費の高騰を招いた側面があることは否めません。

経済的にゆとりがある人が相応の負担をして(万人向けではない)先進医療を受けてどこが悪いのだ、という論理は成り立つかもしれませんが、その論理を社会保障の論理と組み合わせると、あちこちで矛盾が生じてきます。

万人と異なる医療であれば、自由診療の論理を貫くほうがすっきりするような気がします。

医療を維持するための財源の閉塞感を打ち破るには、自由診療の拡大は方法論として有効ですが、混合診療として自由診療部分を拡大する制度設計については熟考が必要です。

新薬や新しい医療技術を積極的に保険診療に取り入れるべきとのモチベーションが弱くなるのは自明のことで、保険診療の範囲内で行われる医療の進歩が停滞するかもしれません。

保険診療部分への新規参入の魅力が薄れ、自由診療部分の市場が拡大すれば、投資は自由診療部分へ集中することでしょう。

新薬の多くが保険適用を望まなくなるおそれもあります。

保険による統制価格より高い価格での流通が期待できるからです。

自由診療は価格統制の箍(たが)が外れます。

「産業」としての魅力も大きいでしょう。

健康産業の隆盛を見るまでもなく、患者の不安心理に乗じて自由診療部分へ導くのは容易でしょう。

混合診療の解禁によって医療「産業」が際限なく発展するであろうことが予想されます。

トータルの医療費は際限なく増加する、すなわち国民の医療費負担も際限なく増加するけれども、社会保障部分の医療費は増加しない、という未来予想図です。

医療制度の現状:経済同友会

2009 年 8 月 16 日 日曜日

報告書では、現状認識が示されています。

政府の報告書であれば、えてして現状説明は制度の解説に終始しがちですが、経済同友会は次の文章で始まっています。

 

「医療に関わる報道等を通じ、医療制度の現状が国民に認識されるようになっているが、それらは断片的である。

我々は、医療制度の現状について、より包括的に認識しなければならない。」

 

我が国の医療の問題点が、この冒頭の一文に凝縮されています。

国民は誰しも医療の当事者であり得るのに、あまりにも医療制度について知らなさすぎるという問題です。

以下、現状認識として書かれている事項です。

 

○国民医療費は経年的に増加している。

○医療サービスの提供における非効率性は、医療費の無駄遣いに繋がっていると考えられる。

○国民が望む医療も変化している。国民皆保険が実現した当時は医療の量的供給が重視されたが、今日、医療サービスにおいて重視されることは、医師のより高い診断能力や安全性の確保をはじめとする医療の質である。

○その質の実現には、相応の負担も伴い得ることが国民に浸透していない。

○医療機関へのフリーアクセスが実現されているため、患者には医療機関について多くの選択肢がある。このことが総合病院等への患者の集中を招き、勤務医等の労働環境を過酷にしている一つの要因になっているとも考えられる。

○減少する若年世代の保険料負担により増加する高齢者の医療費を支えることは、もはや限界に来ている。

○国民皆保険と言いながら、国民健康保険では、保険料の滞納世帯数の割合は約20%に及んでおり、公的医療保険制度としての機能の低下も懸念される。

○医師不足や救急患者の受入れ拒否といった個別事象に国民の注目が集まり、その背景にある医療制度の本質的課題に対する理解は深まっていない。

 

医療関係者が現状認識をまとめると、いの一番に診療報酬の評価が低すぎることが挙がってきます。

それはそれで現状認識としては正しいのですが、診療報酬について一言も触れない現状分析は新鮮です。

こういう視点で始まる報告書には、ブレイクスルーの期待が高まります。

医療制度の存続の危機:経済同友会

2009 年 8 月 15 日 土曜日

経済同友会の報告書は、その「はじめに」で、医療制度が存続の危機に瀕しているという認識を示しています。

その根拠として、

○国民皆保険の目的(国民に広く平等に一律の医療を提供する)は、高い経済成長を背景に概ね達成されたが、少子高齢化や人口減少、経済成長の低迷等により医療制度を支える経済社会は大きく変容している。

○医療制度が抱える構造的課題への取組みが遅れていることにより、疾病構造の変化、医療技術の進歩、患者のニーズの多様化等に、制度が柔軟に対応していない。

の二点があげられています。

前者は、その通りです。

国民皆保険が始まった時代の、病気になりにくい世代(働き盛り)人口と病気になりやすい世代(高齢者)人口の構成比は、現代と全く異なっています。

そのことだけをとらえても「大きく変容」しています。

経済成長の低迷も相俟って保険制度を支える経済的負担が大きくなってきました。

だから医療制度は存続の危機に瀕しています。

わかりやすい論理です。

後者については、相次ぐ法改正で「疾病構造の変化」「医療技術の進歩」「患者のニーズの多様化」に対応するための制度改革がなされてきてはいますが、「柔軟に対応していない」「構造的課題への取組みが遅れている」という認識が示されています。

疾病構造の変化に対応できない医療制度、医療技術の進歩に対応できない医療制度、患者のニーズの多様化に対応できない医療制度、そのような医療制度であれば、たしかに存続の危機だといえるでしょう。

しかし、これらへの対応は、いずれも新たなコスト投入を必要とすることばかりです。

柔軟に対応してきたからこそ医療費が膨らみすぎたということもできます。

コストが膨らめば、負担も膨らみます。

この負担増をどうするかが示されない限り、わかりにくい論理です。

どういう構造的課題への取組を急ぐべきであるかについては本論で主張されています。

地域医療に焦点を当てた改革:経済同友会

2009 年 8 月 14 日 金曜日

経済同友会の中間報告書は「医療制度における本質的課題を地域医療に焦点を当て整理する」「最終提言に向けた医療制度改革の方向性を示す」ことが趣旨とされています。

地域医療に焦点を当てる理由は、「地域医療には医療制度が抱える本質的課題の解決に向けた糸口がある」、「地域医療における問題とその要因を把握し解決への道筋を検討することは医療制度改革へのアプローチになり得る」ためだそうです。

地域医療という概念自体は特段新しいものではありません。

しかし、我が国の医療制度は、地域差をなくし全国の医療を均一化する方向で発展してきた経緯があります。

この報告書が主張する「地域医療」は、全国画一な地域医療ではなく、「地域単位で医療サービスの効率化、質の均一化や向上を図る」地域主体の医療制度の実現です。

「公的医療保険制度も地域を軸にした運営にし負担と給付の関係をわかりやすくする」のが狙いです。

このブログでも解説してきましたように、医療給付(医療費)の地域差は既に大きくなってしまっているのが現状です。

給付の地域差が大きいのに負担(保険料など)は全国どこでも均質であるという経済システムの見直しを迫るものです。

医療を他の産業と同じ経済活動とみなせば、地域差があって当然です。

しかし、医療が社会保障の柱のひとつであるとするならば、社会保障施策の地域差が大きくなるのは好ましいことではありません。

「医療」の社会的位置づけを熟考してからでないと、軽々に方向付けできるものではありません。

産業としての医療

2009 年 8 月 13 日 木曜日

医療がどうなってゆくのかは、日本経済の将来にとっても重大関心事です。

社団法人経済同友会は医療制度改革委員会を設け、6月に中間報告を発表しました。

http://www.doyukai.or.jp/policyproposals/articles/2009/090626a.html

厚生労働省が設ける委員会と異なり、報告書の行政拘束力はありません。

また、委員も委員長(髙須武男:バンダイナムコホールディングス取締役会長)はじめ医師や医療関係者ではない人たちが主たる構成メンバーです。

報告書は次のような章立てとなっています。

 

地域を主体とする医療制度を目指して

~地域医療から考える抜本的改革への処方箋~

はじめに

I. 医療制度の課題

II. 目指すべき地域医療の姿

III.地域医療における改革の方向性(医療サービスの提供体制について)

IV. 地域医療における改革の方向性(産業としての医療の発展について)

V. 地域医療における改革の方向性(診療報酬、医療保険制度について)

おわりに(最終提言に向けての課題)

 

厚生労働省の諮問委員会の報告書と異なり専門用語が少なく、読みやすくわかりやすい文章です。

しかし、読みやすさ、わかりやすさと内容の妥当性とは別問題です。

医療を「社会保障」としてとらえるか「産業」としてとらえるかは、実はそう簡単に割り切れる問題ではありません。

「社会保障」の切り口で論じると、どうしてもわかりにくくなってしまいます。

「産業」の切り口だと、身近な商行為を演繹できるので、わかりやすくなります。

 

この報告書は、ポイントもよく押さえられており、何より非医療関係者の視点で整理されていますので、この報告書を叩き台として地域医療を考えることは意義が大きいと思います。