地域医療における改革の方向性として、報告書では、具体化に向けた方法論を提示しています。
医療機関間の機能と人材等の集約化による効率性の追求については、
「医療機関間の機能の集約化は、貴重な人材を集約することにもなり、医師不足への対応にもなる。
また、高額医療機器等の設備についても、集約化により投資効率を高めることができる」
という理念を具体化するため、診療科の重複の解消とオープンシステムの拡大のための手順が示されています。
「地域単位で医療機関間の機能を集約化していくためには、公費が投入されている公立病院の統廃合の促進等により、地域における病院間での診療科の重複を解消することが求められる。
こうした医療の提供体制における選択と集中の必要性とそれにより期待される効果を、各地域の自治体等が住民に説いていかなければならない。
過疎地域については、ITを活用した遠隔医療の体制整備やドクターヘリ事業の促進等により、医療サービスの提供を確保していく必要がある。
医療機関間の連携強化やネットワーク化に合わせて、診療所等の医師が自身の患者とともに基幹病院に行き、そこにある設備、医療機器等を利用し、治療を行うオープンシステムの拡大が重要になる。」
公立病院改革については、全国各地で真剣な検討が進められているところです。
設立自治体が異なる病院同士の統廃合や診療科の整理は容易なことではありません。
(同一自治体内の病院同士であっても、容易ではありません。)
どちらの自治体も、自治体病院の診療機能を縮小することには抵抗があります。
税金で運営されているから行政的に意のままになるだろう、ということはなく、税金で運営されているからこその経営責任があります。
診療機能の縮小は経営悪化を招きかねません。
自治体病院の4分の3は赤字です。
地域住民に対しても、診療科がなくなる不便についての理解を得ることは困難です。
遠隔医療やオープンシステム、ドクターヘリについても、十数年来、政策誘導が行われてきています。
それらのコスト投入に見合うだけの収益が連携医療機関の双方にもたらされることが普及のポイントです。
しかし、たとえコストの手当てがなされたとしても、多忙な基幹病院の医師には、遠隔地の患者のために割く時間を確保することは容易ではありません。
診療所等の医師も、ひとりふたりの患者とともに基幹病院を往復できるほどの時間的余裕はなかなかありません。