目指すべき地域医療の姿(2):経済同友会

報告書では、地域医療における連携の強化についての事例(米国Integrated Healthcare Network、千葉県旭中央病院、福岡市東区、神戸医療産業都市)を紹介し、地域単位での医療機関間の機能の集約化、役割分担の明確化、連携やネットワーク化の一層の促進の必要性を主張しています。

「地域の基幹病院と診療所や専門病院等との役割分担が重要であるが、初診は診療所で受け、精密な検査の必要性や症状に応じて基幹病院や専門病院を受診するというように、患者も医療機関間での役割分担に応じた受診行動を取る必要がある」

連携のためには患者のフリーアクセスの見直しも必要とされていますが、現実には患者は設備やスタッフの充実した施設へ引き寄せられます。

診療所からの紹介患者以外は受け付けないとか、軽症患者の診療所への逆紹介を積極的に行うとか、基幹病院がある程度収益を度外視した診療姿勢を示さない限り、連携は容易ではありません。

地域の基幹病院では、経営と執行を分離したガバナンスを構築すべきだとの主張もされています。

「機能の集約化を進めることにより、地域によっては、基幹病院が地域医療を担う責務とともに、医療サービスの提供側として大きな力を持ち、地域医療における独占に繋がることも考え得る。

基幹病院の経営に対する地域住民による監督機能を備えるとともに、地域住民への説明責任があることを明確にする。

地域住民のニーズへの対応とともに、安定的な経営を行っていくために、基幹病院については、経営は医療経営の専門家に任せ、医師は医療のみに従事する経営と執行を分離したガバナンスの構築が求められる。」

経営は医療経営の専門家に任せるべきとの意見は、保健医療経営大学の設立趣旨でもあります。

経済同友会は、株式会社も含め多様な法人が経営を担えるようにすべきだと提言しています。

株式会社が経営を行う基幹病院が、地域内の他の医療機関との連携のために収益を度外視した診療姿勢を示せるかどうかの疑問は残ります。

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