地域医療について、報告書は、地域を主体にした医療制度の構築を提言しています。
地域を主体にすることの利点として、
「地域において住民に必要な医療が、効率的かつ一定水準の質が保障された下で提供されることは、患者にとって利便性が高い」
「医療保険制度も地域を軸にした運営にすることにより、医療サービスの提供とそのための負担の関係をわかりやすくできる」
「医療を地域経済を支える産業として捉え、医師、看護師等に加え関連分野の人材を地域で確保することを通して、雇用創造にも寄与できる」
の3点を挙げています。
住民に身近なところで医療が運営されることでサービスの提供と負担の関係がわかりやすくなるのはいいことです。
医療が雇用創造に寄与でき、地域経済にプラスになるという視点も正しいでしょう。
ただ、政府主導の医療が地域主体の医療になっても、大きな医療の負担をどう工面するのか、雇用を新たに創造するだけの負担ができるかの問題は依然残ります。
限られた財源のもと、地域に必要な医療を効率的かつ一定水準の質を保障して提供することは、政府主導で行われてきました。
地域医療の運営は複雑で難しく、医療の地域経営についてのノウハウを有した人材をたくさん必要とします。
政府(厚生労働省)は、医療の地域経営に明るい人材を省内の要所要所に配属して医療を運営しています。
地域を主体にして医療を運営するためには、そのような人材を地域へもたくさん配属しなければなりません。
地域経済や年齢構成など、地域の特性に応じた医療体制を地域ごとに構築すべきことは当然のことです。
医療の運営が地域主体となろうとなるまいと、医療の地域経営に明るい人材が地域に乏しいことが、地域医療の現実の最大の問題点かもしれません。