医療制度の現状:経済同友会

報告書では、現状認識が示されています。

政府の報告書であれば、えてして現状説明は制度の解説に終始しがちですが、経済同友会は次の文章で始まっています。

 

「医療に関わる報道等を通じ、医療制度の現状が国民に認識されるようになっているが、それらは断片的である。

我々は、医療制度の現状について、より包括的に認識しなければならない。」

 

我が国の医療の問題点が、この冒頭の一文に凝縮されています。

国民は誰しも医療の当事者であり得るのに、あまりにも医療制度について知らなさすぎるという問題です。

以下、現状認識として書かれている事項です。

 

○国民医療費は経年的に増加している。

○医療サービスの提供における非効率性は、医療費の無駄遣いに繋がっていると考えられる。

○国民が望む医療も変化している。国民皆保険が実現した当時は医療の量的供給が重視されたが、今日、医療サービスにおいて重視されることは、医師のより高い診断能力や安全性の確保をはじめとする医療の質である。

○その質の実現には、相応の負担も伴い得ることが国民に浸透していない。

○医療機関へのフリーアクセスが実現されているため、患者には医療機関について多くの選択肢がある。このことが総合病院等への患者の集中を招き、勤務医等の労働環境を過酷にしている一つの要因になっているとも考えられる。

○減少する若年世代の保険料負担により増加する高齢者の医療費を支えることは、もはや限界に来ている。

○国民皆保険と言いながら、国民健康保険では、保険料の滞納世帯数の割合は約20%に及んでおり、公的医療保険制度としての機能の低下も懸念される。

○医師不足や救急患者の受入れ拒否といった個別事象に国民の注目が集まり、その背景にある医療制度の本質的課題に対する理解は深まっていない。

 

医療関係者が現状認識をまとめると、いの一番に診療報酬の評価が低すぎることが挙がってきます。

それはそれで現状認識としては正しいのですが、診療報酬について一言も触れない現状分析は新鮮です。

こういう視点で始まる報告書には、ブレイクスルーの期待が高まります。

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