医療費の動向(12)

病院の1施設あたりの医療費(収入)の伸びは、病院規模や年度によってばらつきがあるものの、近年は、平均して対前年度比1.6%といったところです。

病院の(常勤換算)従事者数の伸びはどうでしょうか。

平成20年の統計はまだ発表されていませんが、医療施設調査によれば、平成19年は対前年比1.7%、平成18年は対前年比2.0%の伸びでした。

医療費の伸びより従事者数の伸びのほうが大きいので、単純に考えれば、病院の支出構造のうち人件費の占める割合が大きくなってきているということになります。

さもなくば、実質的な賃金カットが数年にわたって行われているはずです。

従事者数の伸びの主な要素は看護師数です。

看護師養成施設が増え、採用も増えています。

近年は大学病院など大病院が好条件で看護師を採用する傾向が強かったようです。

大病院では、医療費(収入)の伸びが大きかったとはいえ、人件費の伸びも大きかったと思われます。

中小病院も、大病院へ看護師を奪われないために、看護師の待遇は落とせません。

人件費の伸びを医療費の伸び程度に抑えるため、看護師以外の職種へのしわ寄せ(給与抑制あるいは労務強化)が年々蓄積しているであろうことが予想されます。

医療崩壊の引き金に指がかかっています。

消費税率の引き上げや診療報酬のマイナス改定など、全国的な医療収支悪化の大波が訪れた途端、あちこちで破綻が相次ぐことになるでしょう。

根源的な解決策を模索しなければなりません。

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