情報管理の「実際」は、個人情報の保護を例として講義しました。
医療機関には、時に有名人(タレント、街の有力者)が受診します。
カルテには病名や家族構成など個人情報がたくさん記載されています。
しかし、決して、そのことを友人や家族にも漏らしてはなりません。
院内でも、業務に関係ない同僚にも漏らしてはなりません。
有名人であろうとなかろうと、自分の個人情報を他人に知られたくない方はたくさんいます。
医療機関には、その方の思いを命がけで守る責任があります。
PCや情報媒体紛失などで受診者情報が大量に流出してしまう事件もしばしばあります。
匿名やイニシャルであれば問題ないだろう、ということはありません。
人口が密集していない小地域では、同一生年月日の人は数名しかいません。
性別や住所などの情報が加われば、一人に絞れてしまいます。
某地区の何年何月何日生まれの男性が○○病で受診した、という情報があれば、たまたまその地区の集会で出会った男性から生年月日を聞いただけで、「あなたは○○病ですね」と言い当てることができます。
クレジットカード、携帯電話、タスポなどの利用情報が、刑事訴訟法に基づいて捜査当局から照会されることもありますが、医療機関に対しても、患者情報について捜査当局から照会されることがあります。
個人の病気に関する情報は、あらゆる情報の中でも秘密を保護すべき度合いが高い情報ですので、たとえ捜査当局からの照会であっても、照会事項を慎重に検討し、提供情報の範囲を吟味する必要があります。