競争に勝つか、競争を避けるか(2)

経営の取っ掛かりとして、市場調査があります。

商圏内の顧客層の詳細を調査して経営戦略の基礎資料とします。

医療経営の場合、近隣地域の患者について、病気の種類ごとの数などを調査することがそれに相当しますが、プライバシーの壁などに阻まれ、独自の調査で実態を把握することは困難です。

 

厚生労働省が3年ごとに行う「患者調査」という調査があります。

http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/05/index.html

性別、年齢階級別、傷病分類別、都道府県別に人口あたりの入院患者数・外来患者数(受療率)がわかります。

医療機関が多いほど医療へのアクセスがよくなりますので受療率は高くなりますが、近年の患者調査では、外来受療率の地域差が何十%も違うことはありません。

(入院受療率は病床数の地域差がそのまま受療率の地域差になっています。)

外来受療率が均質化してきているのは、日本全国、おしなべて医療アクセスがよくなっていることのあらわれでしょう。

全国統計が均質化しているのであれば、性別、年齢別の病気ごとの患者の発生率は、全国どこにでも当てはめることができます。

従って、近隣地域の性別、年齢別の人口分布がわかれば、地域の患者数を推計することができます。

性別、年齢別の人口分布は役所が発表する統計資料で入手できます。

 

「患者調査」に限らず、保健医療に関しては市場調査に相当する様々な調査が公の力で実施され、公開されています。

独自の調査をしなくても市場調査結果がわかるというのは、非常に恵まれた条件です。

普通の企業であれば、自ら行った市場調査結果については、とことん活用します。

医療機関の経営者は市場調査結果を活用しているでしょうか。

コメントは受け付けていません。