開発途上国の新型インフルエンザ(長文レポート)

6月30日の現地(ケニア)紙の一面を占めた記事はケニア初の新型インフルエンザ患者報告のニュースでした。

政府はちゃんとやるのでパニックになるな、噂に惑わされるな、との公衆衛生大臣から国民への呼びかけも同時に掲載されていました。

6面から7面にかけては関連記事です。

6面には、水際対策についての詳細。

アジア系乗客が空港でゴーグルとマスクと手袋姿の検疫官に問診されている様子の写真がでかでかと掲載されています。

患者と同行者33人が隔離されているホテルの写真もあります。

相談窓口の電話番号とEメールアドレスが強調して掲載されています。

7面には解説記事。

症状や感染様式、タミフル備蓄量(WHOの供与で5万錠)などについて客観的な情報が掲載されていますが、残念ながら、パニックになるな、というトーンが主体で、具体的な予防法(手洗いなど)についての情報はありません

しかし、この日、午前中に訪れた地方病院には、はやくも新型インフルエンザの予防法についての現地語(スワヒリ語)と英語の官製ポスターとリーフレットが届き、配られ始めました。

絶妙のタイミングには驚きです。

今回の患者の診断を確定したのは米国CDCで、このポスターとリーフレットの印刷配布を支援しているのもCDCはじめ各種海外機関です。

1 手を石鹸で洗うこと。

2 (咳するとき)口と鼻を覆うこと。

3 (洗わない手で)目や鼻や口を触らないこと。

4 医師の指示に従い、具合悪いときは家にいること。

5 患者に近づかないこと。

の5項目が書いてあります。

 

翌7月1日の紙面は、冷静さを取り戻し、詳細な解説記事となっています。

患者の足取りに基づく接触者調査のこと、世界の動向のこと、タミフル耐性患者がデンマークで報告されたこと、旅行業界への影響(旅行キャンセルはほとんどない)のことなど。

社説でも政府の対応について触れ、患者と同行者を厳重にホテルへ監禁していることに対する風刺漫画が添えられています。

なお、この日の紙面にも、残念ながら予防法の強調はなく、他の紙面には、タバコの害の特集記事が2面にわたって掲載されていました。

厳しい圧力に直面している欧米のタバコ会社は販路を開発途上国へ転向している、との警告記事です。

 

翌7月2日の紙面に、ようやく予防法が強調されました。

1 咳するときにはティッシュかハンカチを使うこと。

2 使ったティッシュはすぐに捨てること。

3 手とハンカチはよく洗うこと。

4 いつも衛生を心がけること。

5 症状が出たら、ただちに報告すること。

の5項目ですが、官製ポスターの5項目とは異なります。

(なお、後日の紙面には、タバコや酒を控えるべし、みたいなことも追記してありました。どさくさ紛れの感がありますが、この国の公衆衛生推進関係者のしたたかさを感じます。)

国立病院が感染患者を受け入れるというニュースも。

ホテル監禁中の33人については、「囚人」のようだとの表現も。

ホテルを訪問中のマスク姿の大臣の写真が掲載されています。

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