扶助費は市財政を破綻させるか(7)

医療サービスの提供体制を整備するには経費がかかります。

たとえば週に数人しか夜間のお産がないような市町村で独自に24時間産科医療体制を整備すれば、どうしても支出超過となってしまいます。

そもそも各市町村に夜間にくまなく産科医を配属できるほど産科医はいないので、体制を整備しようにも医師確保に難があります。

同一医療圏内の近隣市に24時間産科医療を行う医療機関があれば、そちらに市民の医療を委ねたほうが効率的です。

委ねられた医療機関も、患者数が増えて経営効率が良くなります。

産科に限らず、需要が少ない医療については、医療圏内のどこかの医療機関に医療を集約させるのが、効率的です。

医療は、医療圏内で完結しさえすれば、市町村を越えた分業体制が望ましい、ということができます。

ここまでは前回までに述べた論点とほぼ同じですが、実際の医療需要の大半(8~9割)は、ごくごく一般的な病名への対処であるという事実認識が必要です。

風邪や高血圧や高脂血症や糖尿病の治療まで近隣市の医療機関に委ねるようでは、市民のお金の流出による経済衰退は免れません。

これらの病気が進行すれば市内の医療機関では手に負えなくなってきますが、適切な医療によって病気の進行を止めることができます。

特別な医療サービスの提供体制の充実ではなく、ごく一般的な医療の提供体制を充実させるだけで、市民のお金の流出を食い留めることができます。

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