扶助費は市財政を破綻させるか(5)

市民に必要な医療をすべて市内で完結させる、というのは保護貿易主義的な発想です。

効率的な方法ではありません。

たとえば需要が少ない高額医療機器を、近隣市の医療機関が保有しているにもかかわらず自市内にも配置するというのは、機器導入の採算が見込めません。

夜間救急医療体制にも多くのコストを要します。

夜間の需要が少ない診療科についてまで、すべての診療科について夜間の医療サービスを充実させても、採算の見通しは立ちません。

需要(発生頻度)が少ない、特別な医療サービスを必要とする病態への対応は、地域間分業を推進すべきでしょう。

発生頻度が少なくても、患者が特定の医療機関に集約されれば、不採算性は薄らぎます。

ここで問題となるのは、そのような特別な医療サービスを必要とする病態(合併症を併発している場合、病状が進行して重症化している場合、時間外診療など)であるほど、多くの医療費を要することです。

そのような患者が市外の医療サービスを求めると、ひとりあたり数百万円、数千万円のお金が、毎年、市外へ流出してしまいます。

特別な医療サービス提供体制の整備は採算がとれない、しかし、特別な医療サービスの提供体制をとらなければ市民のお金が一方通行で逃げてゆく、というジレンマを解消する手段はあるのでしょうか?

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