プルトニウムの検出


本来、外へ出るはずのないプルトニウムが原子炉の外の土壌で検出されています。

ごく微量で、世界中のあちこちの土壌で普通に検出されるプルトニウムの量と同程度であるという理由で健康影響は否定されています。

今回検出されたのは、プルトニウム238、239、240の3種類です。

この3種類の構成比で、原発由来であるか核爆発由来であるかが推定できます。

原子炉を長期間運転した後の構成比は、プルトニウム239が59%、プルトニウム240が24%、プルトニウム241が11%、プルトニウム238が2%です。

プルトニウム原爆はプルトニウム239を高濃度(90%以上)に濃縮したものが原料ですので、プルトニウム239の構成比が高くなります。

プルトニウム240が邪魔をして核物質の一部しか爆発しない可能性があるため、プルトニウム239を濃縮することでプルトニウム240の比率を低めています。

従って、プルトニウム240がある程度検出されれば、原発由来だと推定できます。

65年前に長崎に投下された原子爆弾はプルトニウム原爆で、大量のプルトニウム239が世界中に拡散しました。

プルトニウム239の半減期は2.4万年ですので、長崎原爆由来のプルトニウムに関しては、65年前も現在も汚染の度合いは一緒です。

その後も、大気圏内で核兵器の爆発が繰り返されましたので、総計5トンのプルトニウム239が世界中に降り注いでいます。

プルトニウムは、自然界ではウラン鉱石中に微量に存在するだけですので、土壌で普通に検出されるプルトニウムは、すべて人工的なものです。

今回、原発での構成比が低いプルトニウム238も検出されていますが、これは、半減期が88年と比較的短く、放射能強度が桁違いに大きいものです。

プルトニウム238は、1961年から1982年まで、原子力電池として人工衛星に搭載されていました。

これらの人工衛星が大気圏へ再突入すると、搭載されているプルトニウム238が大気中に拡散します。

大気圏上層から地上までの降下には長い年月を要しますので、今回検出されたプルトニウム238は人工衛星由来のものかもしれません。

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