封じ込め成功事例(3)

ポリオ(急性灰白髄炎)も根絶一歩手前の感染症です。

日本では自然感染によるポリオは1980年に根絶し、世界でもナイジェリア、インド、パキスタン、アフガニスタンのみが常在国とされています。

ポリオは1~2週間の潜伏期間ののち、夏かぜに似た症状で発病し、熱が下がる頃に足や腕に麻痺がでます。

糞便中のウィルスが口に入ることで感染します。

不潔な衛生環境の地域ではゴキブリ等を介して容易に拡散してしまうウィルスですが、感染してもほとんどの人には麻痺は現れず、本人の知らないうちに免疫ができて治ってしまいます。

ポリオも天然痘と同じくワクチンが有効です。

ポリオ生ワクチンは口から飲むワクチンで注射ではないので、地域で一斉に予防接種することが容易です。

地域に一斉に免疫の壁が立ちはだかれば、ウィルスは行き場を失い、封じ込められます。

地域一斉接種による封じ込め作戦を世界で最初に成功させたのは昭和36年の日本です。

WHOは日本方式を採用し患者総数を激減させたあと、ポリオ疑いの患者を発見するごとに、その地域で一斉予防接種を実施しています。

天然痘根絶の手法と同じですが、接種対象とすべき児童数が多く、接種もれの児童もたくさんでてきます。

ポリオ生ワクチンは毒性をなくしたポリオウィルスを人工的に感染させるものです。

したがって、ポリオが感染するほどの不衛生な環境では、予防接種を受けた児童の糞便から地域へ生ワクチンのウィルスが拡散します。

生ワクチンのウィルスが二次感染すると、予防接種を受けていない人にも免疫ができます。

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