つい近年まで、口蹄疫はわが国で忘れられがちな動物の病気でした。
長年、国内の動物での発症がないために油断されがちな病気のひとつに狂犬病があります。
人での発症は、1970年に1例、2006年に2例ありましたが、いずれも海外で犬に噛まれて帰国後に死亡しています。
人の致死率が高いので、日本へ狂犬病ウィルスが侵入してきたら大騒ぎとなるでしょう。
口蹄疫に国民の関心が寄せられている今だからこそ、狂犬病についての知識も身に付け、狂犬病侵入時に万全の対処ができるようにしておきたいものです。
狂犬病は、狂犬病予防法の適用です。
狂犬病予防法は、イヌ、ネコ、アライグマ、キツネ、スカンクなどに適用されます。
ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、水牛、シカ、イノシシの狂犬病については家畜伝染病予防法が適用され、口蹄疫と同様の殺処分命令が出されます。
発病後の効果的な治療法が存在しないので、狂犬病は感染の予防が最も重要です。
日本国内で感染が獣医師によって確認された場合には、患畜の速やかな届出と隔離が義務づけられています。
狂犬病の疑いのある動物が発見されると、発生区域での一斉検診と予防接種が行われ、イヌ等についての移動制限がかけられます。
また、狂犬病の疑いのある動物の発見場所付近の交通を遮断したり、通行制限を行います。
係留されていない犬は抑留されたり薬殺されたりします。
日本は、狂犬病に感染している動物がペットとして海外から持ち込まれる危険に晒されています。
日本には年間50万匹のハムスターが輸入されていますが、海外ではハムスターが狂犬病を持ち込んだ事例があります。
海外から不法上陸した犬が確認されたこともあります。
日本では犬以外のペットに対する狂犬病予防接種は義務化されていませんので、また、犬の予防接種も必ずしも徹底していませんので、いつ狂犬病がわが国に侵入してきてもおかしくはありません。