宮崎県の口蹄疫に終息の兆しが見られません。
この事態にどう対処したらよいものか、関係者は途方に暮れています。
予算と人員が無制限であればいいのですが、現実は、限られています。
被害が拡大しないように、まだ被害が及んでいない地域では水際対策が強化されています。
しかし、このまま被害が広がれば、水際対策に費やされるエネルギー(予算と人員)は際限なく拡大してゆくことでしょう。
感染症対策は、限りあるエネルギーをどう配分するか、という視点が必要です。
限られた人がウィルスを口から排出している時、全国民にマスクを着用させて感染連鎖を断つより、ウィルスを排出している限られた人にマスクを着用させて感染連鎖を断つほうが少ないエネルギーで、より早く流行を終息させることができます。
これを「感染源対策」といい、感染症対策で最もエネルギーを集中させるべきポイントです。
かつて日本人の死因のトップだった結核は、「感染源」を発見して確実に治療することを繰り返すことで短期間で激減させることができました。
SARSも、対策のエネルギーを感染源へ集中することで終息させることができました。
口蹄疫の場合、感染源の発見、殺処分、発生地消毒が感染源対策です。
宮崎県において、感染源の発見は着実に行われています。
本日までに131の感染源が発見されました。
今後も増えてゆくと思われますが、見逃しはないでしょう。
殺処分は、現場の不眠不休の努力により、約半数の感染源に対して行われました。
残り半分の殺処分と消毒が完了し、新たに発見された感染源に対しても着実に実行することができれば、短期間で終息に向かうはずです。
10年前の数十倍とはいえ、感染源が無限に広がっているわけではありません。
殺処分の人員や埋却場所の確保の問題で手間取っているのであれば、超法規的措置であれ何であれ、ここに対策を集中して感染源対策を加速させるべきでしょう。
なお、ワクチンの使用も有効な感染症対策ですが、感染源対策ではありません。
ワクチンを使用すると感染源の発見がしにくくなります。
かつて結核の感染の発見にはツ反検査が有効でしたが、BCG予防接種が普及した後は、感染による陽性反応かワクチンによるものかの区別がつかなくなりました。