全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)の保険料上昇を抑制する「医療保険制度の安定的運営を図るための国民健康保険法等の一部を改正する法律案」が成立しました。
不況下での給与減に伴い保険料収入が激減し、中小・零細企業の多い協会けんぽは年収の8.2%の保険料率(全国平均、労使折半)を9.9%にアップしないと財政が破綻(はたん)する見通しとなりました。
保険料率の上昇を抑えるためには協会けんぽへの国庫補助率を高めなければなりませんが、充分な財源が捻出できません。
法改正は、後期高齢者の医療費を支えるために各被用者保険が拠出する支援金の算定方式を3年間だけ変更するものです。
加入者数に応じて組合の負担額を決める現在の「加入者割」が、組合ごとの総報酬に応じた「総報酬割」に切り替わります。
これにより、総報酬の少ない協会けんぽの後期高齢者支援金は850億円減らせます。
しかし、健保は500億円増、共済は350億円増です。
給与水準の高い健保や共済の加入者の保険料負担が増すことになります。
協会けんぽへの国庫補助「率」は13%から16・4%に大きく引き上げられますが、率算定の分母が小さくなっただけなので補助「額」が大きく引き上げられたわけではありません。
事実上、健保と共済が国庫負担を肩代わりさせられたような改正となりました。
3年後はどうなるのでしょうか。
「高齢者医療制度改革会議」では、後期高齢者医療制度に代わる新制度の在り方が検討されている最中です。