平成22年度診療報酬改定(47・最終)

明日から新しい診療報酬が適用されます。

まだ本稿で解説していない改定は、効率化余地がある項目の見直しに関することと、政治的背景があるいくつかの項目です。

(後発医薬品の使用推進)

1.薬局の調剤基本料における後発医薬品調剤体制加算の見直し

調剤基本料の後発医薬品調剤体制加算の要件(処方せんベースでの後発医薬品の調剤率30%以上40円)が変更となり、数量ベースでの後発医薬品の使用割合に応じた段階的な加算(20%以上60円、25%以上130円、30%以上170円)が適用されます。

2.薬局における含量違い又は類似した別剤形の後発医薬品への変更調剤

「後発医薬品への変更不可」欄に署名等のない処方せんを受け付けた薬局において、変更調剤後の薬剤料が変更前と同額又はそれ以下であり、かつ、患者に説明し同意を得ることを条件に、処方医に改めて確認することなく、処方せんに記載された先発医薬品又は後発医薬品と含量規格が異なる後発医薬品の調剤が認められます。

ただし、薬局において含量規格が異なる後発医薬品又は類似した別剤形の後発医薬品への変更調剤を行った場合には、調剤した薬剤の銘柄、含量規格、剤形等について、当該処方せんを発行した医療機関に情報提供することとなります。

3.医療機関における後発医薬品を積極的に使用する体制の評価

薬剤部門が後発医薬品の品質、安全性、安定供給体制等の情報を収集・評価し、その結果を踏まえ院内の薬事委員会等で採用を決定する体制を整えるとともに、後発医薬品の採用品目数の割合が20%以上の医療機関について、薬剤料を包括外で算定している入院患者に対する入院基本料の加算が後発医薬品使用体制加算300円(入院初日)として新設されます。

(検体検査実施料の適正化)

衛生検査所等調査より得られた検体検査実施における実勢価格に基づき、保険償還価格と実勢価格の乖離が大きい検査について検査実施料が適正化されます。

(エックス線撮影料の引き下げ)

デジタル映像化処理加算が廃止され、電子画像管理加算が引き下げられます。

代わりにデジタルエックス線撮影料が新設されてデジタル撮影とアナログ撮影との区別が明確化されますが、いずれの撮影も実質的引き下げとなります。

(コンピューター断層撮影診断料の見直し)

CT及びMRIについては、新たな機器の開発や新たな撮影法の登場などの技術の進歩が著しく、使用機器の診断性能に見合った評価がなされていないとの指摘があります。

実態を踏まえ、画像撮影の評価体系が見直されます。

具体的には、16列以上のマルチスライス型CTによる撮影の評価の新設、1.5テスラ以上のMRIによる撮影の評価の引き上げ、CT及びMRIの2回目以降の撮影料についての見直しが行われます。

(内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術等の評価の見直し)

腫瘍の良悪性に基づく従来の評価から、ポリープの大きさ又は切除範囲による区分へ変更が行われます。

また、内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術と内視鏡的大腸ポリープ切除術の算定要件が明確化されます。

(医療機器の価格等に基づく検査及び処置の適正化)

生体検査や処置について、使用する機器の価格や検査に要する時間等のデータに基づき、評価の適正化が行われます。

具体的には、眼科学的検査、耳鼻科学的検査、内視鏡検査、皮膚科処置のポピュラーな項目が引き下げされます。

該当の診療科には打撃です。

(後期高齢者医療の診療報酬の見直し)

75歳以上という年齢に着目した診療報酬体系については、後期高齢者医療制度本体の見直しに先行して廃止されます。

診療報酬体系において「後期高齢者」という名称が削除されるとともに、各項目の趣旨・目的を踏まえた見直しが行われ、原則として対象者が全年齢に拡大されます。

1.対象者を全年齢に拡大する項目

後期高齢者特定入院基本料

薬剤情報提供料の後期高齢者手帳記載加算

後期高齢者退院時薬剤情報提供料

後期高齢者処置及び後期高齢者精神病棟等処置料

後期高齢者在宅療養口腔機能管理料(歯科診療報酬)

後期高齢者薬剤服用歴管理指導料(調剤報酬)

2.特に議論のあった項目

(1) 後期高齢者診療料、後期高齢者外来患者緊急入院診療加算、後期高齢者外来継続指導料

重複疾患を有しやすい等の後期高齢者の特性に配慮し、心身全体の管理を行う担当医の評価を行ったものでしたが、こうした取組は高齢者に限って行われるべきものでないことから、廃止されます。

ただし、機能が重複している生活習慣病管理料について、年齢要件が廃止され、全年齢が対象となります。

 (2) 後期高齢者終末期相談支援料、後期高齢者終末期相談支援加算

終末期に関する医療従事者との話し合いについての評価でしたが、廃止されます。

3.例外的な見直しを行う項目

(1) 診療所後期高齢者医療管理料

有床診療所における初期加算の新設、医師配置加算の見直し、入院基本料等加算の拡充に伴い、廃止されます。

 (2) 後期高齢者退院時栄養・食事管理指導料

新設の栄養サポートチーム加算において、低栄養の高齢者に対する栄養管理の評価を含んでいることから、廃止されます。

 (3) 後期高齢者総合評価加算

病状の安定が見込まれた後できるだけ早期に、基本的な日常生活能力、認知機能、意欲等について総合的な機能評価を行うことを評価した加算です。

名称から「後期高齢者」を削除し、評価の内容に、退院後を見越した介護保険によるサービスの必要性等を位置付け、対象者が65歳以上の患者等に拡大されます。

 (4) 後期高齢者退院調整加算

急性期治療を受け、病状の安定が見込まれた患者について、必要に応じて医療と介護が切れ目なく提供されるよう、介護保険サービスの活用も含めて支援する観点から、名称から「後期高齢者」を削除し、対象者が65歳以上の患者等に拡大されます。

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