先日(1月26日)まで、1980年から1996年までの間に英国に1日(1泊)でも滞在したことがある人は献血ができませんでしたが、制限が緩和されました。
この期間中の英国滞在が通算1か月未満であれば献血ができます。
そもそもこの制限は、2005年2月に我が国第1例として確認された変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の患者の方が1990年に24日程度の英国滞在歴を有していたことから、実施されていたものです。
病原物質(異常プリオン蛋白)混入の可能性が大きい肉骨粉が英国で使用され始めた時期が1980年で、英国での牛の危険部位の流通規制が徹底されたのが1996年です。
1980年から1996年までの英国は、それ以外の時期、国よりも感染リスクが高いといえます。
我が国の献血制限は世界でもっとも厳しいのですが、それは血液製剤によるHIV感染の経験を行政が重く受け止めている証左でもあります。
それにしても、1日でも英国に滞在していたら牛の危険部位を口にした可能性があるので献血ができない、というのは厳しすぎる制限かもしれません。
献血希望者のうち約4%が、かつての英国旅行を理由に門前払いされています。
感染リスクがある献血者の排除は重要ですが、一方、献血者の確保も重要です。
毎年冬には血液の供給量が厳しくなります。
血液の供給が途絶えると、命を失う人が生じます。
今冬は新型インフルエンザの流行と相まって、血液の安定供給に支障が生じる恐れが例年以上に高くなったことが、献血制限の見直しの背景にあります。
リスクが完全にゼロであるとは言い切れないなかでの制限緩和です。
行政的には厳しい決断であったろうと慮ります。