政権交代と医療(86)

民主党の政権公約では、「医師・看護師・その他の医療従事者の増員に努める医療機関の診療報酬(入院)を増額する」としています。

しかし、むしろ医療従事者が不足している地方に、医療の問題は集積しています。

社会的インフラが整っていない地域では病院経営が成り立たない、ということが起こらないようにしなければなりません。

昨日(13日)の中央社会保険医療協議会総会では「地域の特性を考慮した診療報酬点数について」という議題がありました。

不利な地域の診療報酬を手厚くしたらどうかという議論ですが、地域ごとに異なる診療報酬とした場合、

(1)同一の医療サービスを受けても住んでいる地域により、患者の負担金額が異なる。

(2)診療報酬が高い地域においては、保険者負担も高くなる。

などの問題が生じます。

資料として、一般病床の看護職員数が著しく少ない地域のデータが提出されています。

『一般病床のみで構成される一般病院の1日平均在院患者数100人当たりの看護職員数』が著しく少ない二次医療圏が、少ないほうから9圏選ばれていますが、そのうちの1圏は「佐賀県東部保健医療圏」でした。

隣接医療圏のデータと比較してみます。

       一般病床入院百人 人口十万対 人口千対

(医療圏)  あたり看護職員数 医 師 数 一般病床数

久留米     80.6   297.4  10.8

八女・筑後  100.8   131.6   7.0

佐賀県東部   54.1   100.8   6.2

全国平均    87.6   224.5   7.1

佐賀県東部は、隣接医療圏より医師数も看護職員数も著しく少ないようです。

医師や看護師が確保できなければ一般病床を収入の少ない療養病床に転換せざるを得ず、その結果か、人口あたり一般病床数も少ないようです。

佐賀県東部はさぞかし医療費も少なかろう、と思われるのですが、実際は真逆です。

全国比較のために医療費を年齢調整した指標(全国平均を1.0とした地域差指数)は、佐賀県東部医療圏は平成17年度は1.345で全国ワースト1位、平成18年度は1.325で全国ワースト2位でした。

全国平均の3割増しを上回る医療費です。

佐賀県東部の医療機関が3割増しの収入を得ているのではなく、近隣医療圏を受診した患者の医療費が指標を押し上げているのだと思われますが、同じ佐賀県東部の住民が、久留米や八女・筑後で受診するより地元で受診したほうが診療報酬が高く、患者負担が高くなるようなら、ますます地元医療が空洞化してしまいます。

地域特性の考慮は、なかなかいい解決策がありません。

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