死亡に直接結びつかない病気については、死亡数や死亡率の統計では動向が読めません。
自殺に関係が深い病気に「うつ病」があります。
統計分類上は「精神及び行動の障害」のカテゴリーの中の一疾患ですが、この分類が死亡統計に表出するのはごく一部です。
しかし、患者調査による受療率で動向を把握することができます。
「精神及び行動の障害」の人口10万対受療率は次の通りです。
平成11年 平成20年 両年比
入院 263 236 90%
外来 123 182 148%
ふたつの大きな特徴があります。
1 入院受療率のほうが外来受療率よりもはるかに高いこと。
2 外来受療率が急増していること。
治療技術の進歩で、精神疾患の重症例は少なくなってきています。
入院受療率の低下はそのあらわれでしょう。
いわゆる「社会的入院」患者が退院して外来受療率を押し上げている側面もあるのかもしれません。
それにしても、入院と外来をあわせて人口10万対400以上ということは、250人に1人ということですので、確率的には、ある程度の規模の組織(学校、会社)にはこの疾患で悩む方がおられるということです。
中には、進歩した医療の恩恵を受けないままに病状を悪化させている人もおられるでしょう。
「予防」も「治療」も手つかずなら、予防か治療かという議論にもなりません。