予防か治療か(1)

平成12年と平成20年を比較し、この8年間で(年間死亡数は19%増加したけれども)年齢調整死亡率が男12%、女13%減少していることから、医学医療の進歩の恩恵であるとコメントしました。

しかし、仮に医学医療が進歩しなくても、人々の健康管理の実践が普及し、医療機関を受診する患者数が減少しても、死亡率は低下します。

「患者調査」で、人々の受療の実態がわかります。

患者調査は3年ごとの調査ですので、平成11年と平成20年との9年間の変化を見てみます。

人口10万対受療率の変化は次の通りです。

平成11年 平成20年  両年比

 入院  1170  1090  93%

 外来  5396  5376 100%

入院受療率の低下は、病床規制や平均在院日数の短縮など、要因が複合しています。

もう少し詳細な分析をしなければ、入院需要が減っているのかどうかは即断できません。

外来受療率については変化がありません。

人口の高齢化を考えれば、外来需要が減っていることが窺えます。

年齢別受療率は次の通りです。

入  院      外  来               

H11  H20 両年比  H11 H20 両年比

0歳 1391 1052  76%  6258 5814  93%

1~4  216  195  90%  5788 6077  105%

5~9  147  97  66%  3838 4096  107%

10~14  138  97  70%  2250 2275  101%

15~19  181  131  72%  1920 1906  99%

20~24  276  183  66%  2277 2132  94%

25~29  407  269  66%  2749 2649  96%

30~34  459  311  68%  3094 2987  97%

35~39  468  326  70%  3092 3092  100%

40~44  563  375  67%  3207 3313  103%

45~49  758  508  67%  3805 3659  96%

50~54  976  683  70%  4841 4322  89%

55~59  1262  950  75%  6074 5224  86%

60~64  1644 1209  74%  7860 6872  87%

65~69  2148 1565  73%  10709 8548  80%

70~74  2839 2202  78%  13796 11458  83%

75~79  4093 3236  79%  15009 12855  86%

80~84  5998 4583  76%  14081 12531  89%

85~89  8739 6879  79%  12488 11067  89%

90歳以上 12399 10308  83%  9594  8562  89%

どの年齢層も大幅に入院受療率が低下していることがわかります。

(どの年齢階級よりも全年齢についての受療率の変化が小さいのは、人口の年齢構成が異なるからです。)

仮に年齢調整入院受療率を算定するとすれば、年齢調整死亡率の低下よりもはるかに大きい低下となるでしょう。

外来受療率については、50歳未満ではあまり変化がありませんが、50歳以上では10%以上低下しています。

50歳以上は生活習慣病の好発年齢です。

生活習慣病の予防(健康管理)の実践が普及してきたのでしょうか。

コメントは受け付けていません。