社会保障制度概論(29)

<生活習慣病対策>

日本人の死因は、がん(30%)、心臓病(16%)、脳血管疾患(11%)の3大死因で57%を占めています。

これらの病気は40歳前後から加齢とともに罹患率が高くなるため、成人病と称されていました。

がんは喫煙や食生活習慣が危険因子として関与しており、心臓病と脳血管疾患については生活習慣が発症原因に深く関与している下地となる病気(糖尿病・脂質異常症・高血圧・高尿酸血症)がありますので、これらの病気と成人病は、生活習慣病と総称されています。

なお、高血糖・脂質異常・高血圧と肥満が複合する状態はメタボリックシンドロームと総称されています。

高血圧症も高脂血症もそれぞれ3千万人以上、糖尿病は7百万人以上と推定されており、人口のほぼ半分が生活習慣病です。

成人男性の5人に1人は高尿酸血症です。

中年男性の3人に1人、中年女性の4人に1人は肥満です。

これらは、すべて、死亡リスクを高めます。

死亡リスク要因は、喫煙(1.92倍)、糖尿病(1.64倍)、高血圧(1.55倍)、メタボリック症候群(1.36倍)、高コレステロール血症(1.10倍)です。

生活習慣病そのものよりも、喫煙のほうがリスク要因として大きいようです。

喫煙は、ほとんどすべての生活習慣病の下地です。

生活習慣病対策には次の3つの段階があります。

一次予防:生活習慣を改善して健康を増進し、生活習慣病等を予防すること

二次予防:健康診査等による早期発見・早期治療

三次予防:疾病が発症した後、必要な治療を受け、機能の維持・回復を図ること

これらのうち、特に一次予防の重要性に着目し、「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」が推進されています。

また、平成15年には、「健康増進法」が成立し、「健康日本21」に法的根拠(第7条:国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針)が与えられています。

公共施設での喫煙制限は、健康増進法に基づく規制です。

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