政権交代と医療(77)

後期高齢者医療は現役世代による支援によって支えられています。

必要な医療費の約4割は現役世代の保険料で賄われており、各健康保険から「後期高齢者支援金」として拠出されます。

ところが、協会けんぽの財政が悪化し、支援金の負担が重荷になっています。

厚生労働省は、4日、支援金の負担額を、加入者数ではなくそれぞれの財政力(総報酬)に応じて負担する提案を社会保障審議会医療保険部会へ行いました。

提案が実現すれば、協会けんぽの負担は2500億円減り、健保組合の負担が1400億円、共済組合の負担が1000億円増えます。

確かに、加入者割では財政力が弱い健保組合の負担が相対的に重くなりますので、総報酬割の導入で組合間の公平を図ることができます。

しかし、健保組合の今年度の赤字は6150億円もあり、追加負担を求めることができる財政状態ではありません。

協会けんぽの財政悪化への対処は、厚生労働省の22年度予算概算要求で「事項要求」とされた「協会けんぽ国庫負担割合の引上げ」しかありません。

長妻厚生労働大臣は、後期高齢者医療制度の廃止後の制度設計を検討する「高齢者医療制度改革会議」で話し合うべきだと主張していますが、事態は喫緊です。

景気が回復して健康保険組合や協会けんぽの収益が改善しさえすれば財政危機は解消します。

小手先の制度改変より、即効性ある景気浮揚策が期待されるところです。

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