協会けんぽは、保険料収入の減少などによる財政悪化(今年度末に4500億円の赤字見込み)のため、現在は全国平均8.2%の保険料率を、来年度から9.9%に引き上げる必要があるとの試算結果を発表しました。
保険料率の法定上限が10.0%なので、診療報酬がプラス改定されれば、必要な保険料収入が確保できなくなります。
中小企業の経営環境が厳しく保険料率の大幅な引き上げは困難なので、国庫補助率の引き上げが要望されています。
国庫補助率を現在の13%から上限の20%にまで引き上げれば保険料率を9.4%に抑えることができますが、診療報酬のプラス改定で医療費が政権公約通りにOECD水準まで引き上げられれば、10%に達してしまうことになります。
事態はここまで切羽詰まっています。
健保組合が黒字の頃は、旧政府管掌健康保険(協会けんぽ)の国庫負担を健保組合が肩代わりしていましたが、今年は6150億円の赤字で、健保組合も保険料を上げなければならない事態です。
なお、健康保険組合連合会(健保連)の平井会長は、政権公約に掲げられた「医療保険制度の一元的な運用」について、「保険者の効率化の意欲や経営努力を低下させるものだ」とし、「職域健保としての立場を否定するもので、誠に遺憾なことだ」と述べています。
一元化は、肩代わりよりもさらに多くの負担を職域へ強いることになります。
今のところ、協会けんぽへの国庫補助率の引き上げも診療報酬のアップもペンディングですが、政府予算案をまとめる時点までには結論を出していただかなくてはなりません。