来年度予算の概算要求が発表されて4週間が経ちました。
例年であれば水面下では省庁間の調整が進行し、来年度に向けての閣僚発言も活発化してくる頃です。
新政権でも閣僚発言は活発ですが、例年と異なるのは、閣僚によって発言内容が異なることが目立つことです。
横断的な調整がうまく行っておれば、閣内不一致は起きにくくなります。
行政機構では「縦割り」の弊害が起きやすいことから、従来は、省庁間で調整に調整を重ね、調整が済んだ段階で対外的に方針が発表されていました。
昨今の報道は、財務大臣はこう言っているが○○大臣はこう言っている、という類のものをはじめ、総理や副総理に至るまで、閣内の発言に統一性がない、究極の「縦割り」が放置されている状態になっています。
財務大臣は財務省の立場を主張し、総務大臣は総務省の立場を主張し、厚生労働大臣は厚生労働省の立場を主張し・・・と、概算要求提出直後のコメントであれば容認されるような縦割りの思考が、今になっても堂々と公言されている異常事態です。
「縦割り」弊害の時代に逆行しまいかと心配です。
医療に関しては、診療報酬の扱いが、縦割り体制の中でどう決着されるものかが気になります。
行政刷新会議の評決と政権政策との整合性もありません。
調整がないがしろにされ、結局は声が大きい(財布の紐を握っている)者の主張が問答無用に通ってしまうのではないかと懸念されます。
厚生労働大臣は13日、次期診療報酬改定率の上昇をできる限り抑えたい意向を示しました。
「コストが引き下げられる部分はできる限り引き下げていただいて、その差額を上げるべき部分に使う」と、改定率の上昇を抑え、財源の配分見直しで対応する意向で、行政刷新会議の評決に沿った発言です。
財務省との調整が済んだのかもしれませんが、診療報酬の大幅アップを信じて新政権に投票した多くの医療関係者を裏切る発言であることは否めません。