政権交代と医療(53)

中医協委員の内定プロセスについて、日本医師会が「容認できない」という見解を出しています。

日本医師会という組織は、医師への利益誘導を目的とした圧力団体であるかのごとく、世間からは何かと色眼鏡で見られがちな組織ですが、地域医療を担う900近い地域医師会を底辺とした名実ともに医師を代表する組織です。

職種ごとに組織化された団体がその職種への利益誘導的性格を帯びるのは当然のことであり、そういう側面だけで日本医師会という組織を評価するのはフェアではありません。

厚生労働省の数多くの審議会、検討会、委員会には、日本医師会から、それぞれの分野に明るい、医師を代表する委員を推薦していただいており、そこでは医師を代表した立場から建設的な意見が届けられています。

さらに、検討結果の現場へのフィードバックに際しては、採算を度外視してでも国民の健康のために組織的協力を惜しまない、そのような社会貢献的性格が強い団体でもあるという側面も評価しなければなりません。

採算性に乏しいへき地医療や地域保健活動が維持されているのは医師会の協力あっての賜物です。

中医協の設置を定めた社会保険医療協議会法では「医師、歯科医師及び薬剤師を代表する委員」を選ぶことが定められています。

医師を代表する委員の選び方として、日本医師会の推薦を求めなかった今回の任命プロセスに日本医師会が「容認できない」とするのには頷けます。

もちろん、厚生労働大臣が客観的判断として「医師を代表する委員」を選ぶプロセスが許されないということはありません。

しかし、総選挙で応援したからとかしなかったからとか、そういう判断が少しでもあるようなら、「医師を代表する委員」としての客観性が疑われることになります。

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