10月7日に予定されていた中央社会保険医療協議会(中医協)が中止になりました。
10月1日に任期切れを迎えた委員の改選人事案も決まっていません。
中医協は次回(来年4月予定)の診療報酬改定の大方針を決定する場です。
年明けには細かい詰めの作業に入りますので、10月、11月のうちに論点を整理しておく必要があります。
この時期の開催中止の影響は大きく、次回改定は、慎重な合意形成過程を省いた、政治的意向を色濃く反映するものになる可能性があります。
病院と診療所との医療費配分が見直されそうです。
病院勤務医の労働条件の改善のためです。
診療所の医師のほうが勤務医よりも経済的に恵まれているので診療所の配分を削って病院に回そう、というものです。
診療所の代弁者としての性格が強い日本医師会の代表委員が改選で外されてしまえば、この流れが決定的になるでしょう。
このほか、新薬の開発資金の確保のために新薬の価格を一定期間引き下げない「薬価維持特例制度」も、医療費の配分が病院、診療所から製薬業界に大きくシフトすることから日本医師会が導入に反対していました。
日本医師会の代表委員が外れれば、この制度も導入されるかもしれません。
我が国の医療が欧米諸国と比して低コストで維持できてきた要因のひとつに、医療需要の多くを診療所が吸収してきたことがあります。
同じ病気でも、重装備の病院を受診するほうが、軽装備の診療所を受診するよりもコスト高となります。
医療の効率化推進の決め手は、病院と診療所との役割分担です。
大局的には、病気が軽いうちは診療所を受診し、また病状が安定すれば診療所のかかりつけ医がフォローする、といった体制を指向した制度設計をしなければなりません。
診療所の機能を軽視して、診療報酬を病院や製薬業界へとシフトすれば、将来的には相当の医療費増加が避けられないことを覚悟しなければなりません。
長妻厚生労働大臣は10日、かかりつけ医への診療料の定額払い方式(75歳以上が対象)の診療報酬を廃止する方針を固めたそうです。
後期高齢者医療制度で導入された定額払い方式で、患者負担を少なくすることで病院と在宅治療の連携を狙いとしたものでした。
廃止になれば出来高払いとなり、これも医療費の増大を招きます。