政権交代と医療(20)

長妻昭厚生労働大臣は初閣議後の記者会見で、後期高齢者医療制度を廃止すると明言しました。

民主党マニフェストでも明言してあり、連立三党の合意事項でもあるので当然でしょう。

記者会見では次のような発言でした。

大臣任命から記者会見までの間、官僚は大臣から遠ざけられていましたので、記者会見での発言には官僚サイドの意見は反映されていません。

 

○年齢で区分して一つの保険制度に入れるのは無理がある

○その時期、手法については現状把握をした上で詳細に制度設計をつくり上げていきたい

 

混乱を避けるために、現状把握をした上で、時期、手法を考えるというのは当然のことです。

医療現場にとって最も迷惑なのは、制度改革が招く混乱です。

後期高齢者医療制度の発足時も、制度の善し悪しの問題より、現場の混乱がクローズアップされての大ブーイングでした。

ただ、大臣発言が、これから制度設計するというようにも聞こえたので耳を疑いました。

制度設計も未然なままマニフェストに載せるのは、国民の生命に直結する事項であるだけに無責任です。

設計していた制度案にこれから若干の修正を加える、という意であるべきでしょう。

その制度案は、既に、世の中に示されています。

昨年2月に衆議院へ提出された「後期高齢者医療制度を廃止する等医療に係る高齢者の負担の増加を回避する等のための健康保険法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案」(後期高齢者医療制度廃止法案)です。

民主、共産、社民、国民新の4党による共同提案でしたので、連立協議も不要です。

基本的には、この制度案が、そのまま実施されると考えるのが順当でしょう。

この法案は廃案となっていますので現時点では幻ですが、ネット上で拾うことができます。

高齢者医療の未来図を新政権がどのように描いているかを知る手がかりになります。

法案の骨子は、制度を廃止してそれ以前の法体系に戻した上で、窓口自己負担額の軽減措置を追加するものでした。

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