医療を支える人たちは、事務系職員を除き、ほとんどが国家資格の持ち主です。
資格に許された業務範囲を超えて医療行為を行うことはできません。
民主党政策集では、この職能について、次のような大胆な政策が掲げられています。
○薬剤師、理学療法士、臨床検査技師などコメディカルスタッフの職能拡大と増員を図り、医療提供体制を充実させ、医療事故防止、患者とのコミュニケーション向上を図ります。
○専門的な臨床教育等を受けた看護師等の業務範囲を拡大し、医療行為の一部を分担します。
○医師の事務を分担する医療事務員(医療クラーク)の導入を支援します。
一番目のコメディカルスタッフも二番目の看護師も、医師の指示に基づいて医師の診療を補佐する職種です。
これらの職種と患者とのコミュニケーションが円滑になるのはいいことですが、日本の医療の基本軸は主治医-患者関係にあります。
患者は全生命を主治医に預けます。
看護師やコメディカルスタッフには預けません。
医療行為は、助産など一部の例外を除き、医師を頂点とした指揮命令系統となっており、責任の所在も医師に集約されています。
政策集記載の趣旨が、職能を拡大して医療行為の一部を医師以外の職種の判断で行うことができるようにするということであれば、法体系を変える必要があります。
看護師やコメディカルスタッフにも判断責任が課せられることになります。
養成カリキュラムも、技術の習得にとどまらず、判断能力育成を充実させなければなりません。
米国では、専門的な臨床教育修得を認定された看護師が医療行為の一部を主体的に行っていますが、訴訟社会にあって、彼らは医師と同様の責任を負って業務をこなしています。
職能拡大には、患者に対する責任をしっかりと受け止める覚悟が必要です。
三番目の医療クラークについては、既に旧政権で着手されています。
これから普及拡大する職種ということになります。
国家資格のない事務系職員に期待が寄せられるのは、本学としては嬉しい限りです。