政権交代と医療(8)

民主党の政策集では「被用者保険と国民健康保険を順次統合し、将来、地域医療保険として、医療保険制度の一元的運用を図る」という方向性が示されています。

経済同友会報告でもそうでしたが、医療保険制度の一元化は、医療制度の改革を検討する人が必ずと言っていいほど囚われる夢です。

一元化して、最も保険料が少ない制度に揃えることができるのであれば改革への着手は容易ですが、それは叶わぬ夢です。

70歳未満の統計に限っても、加入者一人あたり医療費が23万円の国民健康保険と、加入者一人あたり医療費が13万円の被用者保険とが一元化されれば、被用者保険の保険料はかなり上げなければなりません。

健康保険組合の合意を得ることは困難でしょう。

税金を投入して運用している保険であれば政権の意のままにできるかもしれませんが、健康保険組合は、逆に、他の保険を支えるために多大な拠出をさせられています。

さらに加入者一人あたり医療費86万円の後期高齢者医療制度も廃止して一元化するとなれば、健康保険組合の多くは破綻し、国民皆保険の維持が困難となってしまいます。

制度統合によって増える負担分を税金で補填すれば一元化は可能かもしれませんが、24兆円の社会保障予算の財布の持ち主が34兆円の医療費の財布の持ち主を助けようとしても、限界は明白です。

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