政権交代と医療(6)

民主党政策集では、医事紛争の解決策として無過失補償制度の創設を謳っています。

産科医療については既に実施されている仕組みですが、すべての診療科について訴訟提起権とは区別した公的な無過失補償制度を創設しようとするものです。

医療提供側に過失があった場合には医療提供側が賠償することになりますが、過失が明確でなくても、医療事故によって死亡したり高度の障害や後遺症が生じた患者が補償される仕組みです。

賠償の確証がないまま長期化することが嫌で訴訟を避けがちな国民性の日本人ですが、このような制度が創設されれば、かなりの適用申請が上ってくると予想されます。

医療は患者に100%の治癒を約束するものではなく、期待に反して死亡したり後遺症が生じたりすることもしばしばです。

そのような不幸な転帰をとった患者の一定割合が申請するとすれば、相当な数になります。

基金を設けて制度運営する構想ですが、かなりの額の基金が必要となるでしょう。

補償原資には保険料、健康保険料、公的支出を充てる構想です。

保険料というのは医療機関が拠出するのでしょうか。

残念ながら、昨今の医療機関には経営的にゆとりがありません。

健康保険は、ただでさえ医療支出を抑えるのに懸命なのに、医療支出以外にこのような支出が加われば破綻してしまいます。

公的支出に期待せざるを得ませんが、税収が伸び悩む昨今、安定財源が確保できるものかは疑問です。

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