日本の医療は保険制度抜きには語れません。
経済同友会の報告書の最後の提言は、公的医療保険の地域単位での一元化です。
「市町村国保では、より広域化した運営により、財政基盤の安定化や保険料の平準化が求められている。
企業の健保組合についても、地域型健保組合の設立が認められている。
公的医療保険を都道府県等の地域保険として再編・統合し、将来的に一元化することは、公的医療保険制度の今後の一つのあり方として検討に値する。
一元化に向けた制度設計においては、個人番号制度による正確な所得捕捉、被用者の保険料における企業負担や、被扶養者の扱い、運営主体等の課題はある。
しかし、わが国において保険者がその本来的な機能を発揮し、加入者の代表として医療サービスの提供側に対し一定の影響力を持つためにも、地域を軸にした公的医療保険の一元化が考えられる」
昨年来、後期高齢者医療や協会けんぽなど、医療保険の運営を都道府県単位に再編する動きが始まりましたが、市町村国保の広域化の動きは鈍いようです。
赤字が大きい国保はどこも抱えこみたくありませんので利害調整が困難です。
市町村国保は問題が大きすぎて、他の保険者も一元化という名のもとの統合には抵抗があります。
市町村国保は、保険料の地域差が広がりすぎて、社会保障の平等性がもはや崩れてしまっています。
保険料の未納者が数割を占め、皆保険とはとてもいえない状態の市町村もたくさんあります。
医療サービスの提供側への影響力があれば、こんな状態になるまで放置されることもなかったのでしょうが、市町村単位では影響力を発揮するためのノウハウがありません。
都道府県単位に一元化すれば影響力を持てるようになるか否かはわかりません。
医療の地域経営に長けた人材を確保できるか否が命運を分ける鍵となるでしょう。